【しんどい】うつ病でできなくなる仕事5つ【精神科医解説】

「うつ病でできなくなる仕事5つ」を精神科医が徹底解説。
#精神科 #うつ病 #仕事

0:05 (1)はじめに
0:24 (2)うつ病では仕事も困難に
2:45 (3)うつ病でできなくなる仕事5つ
2:54 ①資料作成
4:16 ②会議
5:52 ③意思決定
7:23 ④接客や電話対応
8:55 ⑤出勤
10:23 (4)うつ病で仕事ができない時の対策
12:14 (5)まとめ

うつ病では脳機能の不調(頭が回らない)から、仕事にも様々な影響が出るため、注意が必要です。

「うつ病でできなくなる仕事5つ」について、精神科医が13分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓詳しい内容はこちらです。

(1)はじめに

うつ病は、単なる気分の落ち込みではなく、脳の機能に影響を与える疾患です。日本では約15人に1人が生涯で一度は経験するとされており、誰にでも起こりうる身近な病気といえます。

この病気の特徴的な点は、気分の症状だけでなく、思考力や集中力といった認知機能にも大きな影響を及ぼすことです。その結果、日常生活のあらゆる場面で困難を感じるようになり、特に仕事においては顕著な影響が現れます。

今回は、うつ病によって困難になる代表的な仕事内容を5つ取り上げ、その背景と対策について詳しく見ていきます。

(2)うつ病では仕事も困難に

脳機能への影響

うつ病は、ストレスをきっかけとして脳内のセロトニンなどの神経伝達物質が減少することで起こる脳の機能障害です。これにより、以下のような症状が現れます。

**こころの症状**として、気分の落ち込みや興味の喪失、不安感、自責の念などが生じます。**からだの症状**では、倦怠感や睡眠障害、食欲不振、頭痛、動悸といった自律神経症状が目立ちます。さらに**脳機能の症状**として、集中力や記憶力の低下、決断力の低下など、思考力全般に問題が生じます。

実行機能の低下

うつ病では特に実行機能が著しく低下します。注意を向け続けることが難しくなり、計画的に仕事を進めることが困難になります。人の話や文章の内容が頭に入らず、物忘れが増え、考えがまとまらずに決断ができなくなります。その結果、仕事のミスが増加し、業務全体に支障をきたすようになります。

仕事が困難になる背景には、主に3つの要因があります。第一に脳機能の低下により、仕事の基本動作そのものが難しくなること。第二に意欲や気力が枯渇し、行動を起こすエネルギーが湧かないこと。第三に失敗への恐怖や過敏さから、新しいチャレンジや対人関係の構築が困難になることです。

(3)うつ病でできなくなる仕事5つ

①資料作成

資料作成は多くの知的労働において必須の基幹業務ですが、うつ病になると単純な報告書さえ書けなくなることがあります。

文章を読んでも内容が頭に入らず、構成を考えることができません。何から手をつけていいか分からず、考えがまとまらない状態が続きます。さらに「完璧に作らないといけない」という思い込みから、なかなか着手できなくなるという悪循環に陥ります。

これにより納期に間に合わず、内容も不十分になりがちです。チームの業務を停滞させ、人間関係の悪化にもつながります。そして「こんな簡単なこともできない」と自分を責め、症状がさらに悪化してしまうのです。

②会議

会議は組織において情報共有や意思決定を行う重要な場ですが、うつ病の症状により話の展開に追いつけず、内容を理解・記憶できなくなります。

いわゆるワーキングメモリの不調により、話の文脈や要点を記憶できません。思考がまとまらず、自分の考えをその場で言語化することができなくなります。また、相手の意図を読み取る能力も低下し、適切なコミュニケーションが取れなくなります。

その結果、「やる気がない」「話を聞いていない」などと誤解され、評価の低下や人間関係の悪化につながります。会議が近づくと強い不安を感じ、欠勤につながることもあります。

③意思決定

意思決定は役職や職種を問わず、あらゆる仕事で重要な要素ですが、うつ病では判断力の低下や失敗への不安から決断を先延ばしにしてしまいます。

選択肢の長所や短所を比較して論理的に考えることが難しくなり、どの選択肢が最善か総合的・直感的な判断力も鈍ってしまいます。「間違えたら取り返しがつかない」という不安が強くなり、思考が麻痺して判断が止まってしまうのです。

決断ができないため関連するプロジェクト全体が停滞し、焦りから不適切な決断をしてしまうリスクも高まります。万が一失敗すると、すべて自分のせいだと過剰に自分を責めてしまいます。

④接客や電話対応

接客や電話対応では感情のコントロールや相手への共感が求められますが、うつ病により感情の起伏が乏しくなったり、逆に過敏になったりして適切な対応が難しくなります。

相手の要求を素早く理解し、的確な解決策を提示することができません。感情が湧かず無表情になり、共感や配慮を示しにくくなります。些細なことにも傷つきやすくなり、相手の不満を個人的な攻撃と感じて過剰に反応してしまうこともあります。

不適切な対応が顧客の不満を煽り、クレームやトラブルを大きくしてしまいます。個人の問題が組織全体のブランドイメージに影響を与える可能性もあります。

⑤出勤

多くの仕事では決まった時間に出勤することが前提となっていますが、うつ病では特に朝方に症状が重くなる日内変動があり、出勤が大きな壁となります。

身体が鉛のように重く、頭痛や吐き気などで物理的に動けない状態になります。会社に行くための精神的エネルギーが完全に枯渇し、また1日が始まること自体が耐え難い苦痛となります。

計画的な休暇ではなく突然の欠勤が続くようになり、業務の穴埋めで同僚に負担をかけることで強い罪悪感を抱きます。この状態が続く場合は、労務の提供が不可能な状態となり、本格的な治療に専念する必要が出てきます。

(4)うつ病で仕事ができない時の対策

休養の確保

まず何より心と体を休ませる時間を作ることが対策の第一歩です。質の良い睡眠は脳の回復に不可欠であり、睡眠時間の確保を最優先にします。休日は無理に活動せず、何もしないことを自分に許可してしっかり休みます。仕事中も意識的に休憩を取り、心身の消耗を防ぐことが大切です。

環境調整

職場と相談して、無理なく働ける環境を整えることも重要です。一時的に業務量を減らしたり、残業を制限するなどの配慮を相談します。責任の重い仕事や対人業務を減らし、単純な作業に切り替えることも検討します。職場によってはフレックスタイムや在宅勤務など、柔軟な勤務形態を活用することも可能です。

受診の検討

対策を講じても症状が2週間以上続く場合は、専門医への受診を検討します。特に仕事に行けない状態が続いたり、感情や行動が不安定な場合は、すぐに相談することが大切です。適切な診断を受け、休養や薬物療法など必要な治療につなげていくことで、回復への道筋をつけることができます。

(5)まとめ

うつ病は脳の機能障害であり、集中力や判断力の低下により仕事に強い影響を与えます。資料作成、会議、意思決定、接客・電話対応、出勤という5つの基本的な仕事が困難になることで、職場での役割を果たすことが難しくなります。

しかし、適切な環境調整と必要に応じた治療により、症状の改善は十分に見込めます。うつ病は適切な治療と休養で回復可能な疾患です。ただし再発率が高いという特徴もあるため、無理をせず、継続的なケアを心がけることが大切です。

仕事ができなくなることは本人にとって大きな苦痛ですが、それは病気の症状であり、決して本人の怠慢や能力不足ではありません。周囲の理解と適切なサポートがあれば、必ず回復への道は開けます。一人で抱え込まず、早めに専門家に相談することが、回復への第一歩となるでしょう。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
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#頭が回らない  #精神科医 

【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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6件のコメント

  1. ありがとうございます。休養や薬以外で、通常の生産性を復活させるための思考方法や脳トレのような解決策がありましたら、教えていただけますとありがたいです。

  2. うつ病の症状として、気分の落ちこみはメジャーですが、頭がまわらないなど仕事に影響が出ることは知られていない。うつ病が脳の機能障害であることが実感できる症状です。

  3. 私の場合は、朝方が辛くて、吐き気や頭痛が起こりますが、日曜日など、仕事の前日もかなり辛いです。
    時間が経つにつれて、辛くなります。

  4. 集中力が続かず、ゾーンに入ることはまずできない。理解しようと努力するけど、脳が拒否している感じがする。なんで理解できないのか自分で自分を理解できない。

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