山本伸樹さん(現代美術作家)と、金魚電話ボックス第2弾「メッセージⅡ」再設置を山本氏に提案している宮ノ下厚志さん(大和ベース1930)の対談です■一連の裁判の顛末、再設置予定に至る全てが理解出来る内容
=2025/02/11 (火)奈良県西寺林商店街の「古書バルぽらん」にて開催の対談=
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山本伸樹さんと、金魚電話ボックス第2弾「メッセージⅡ」再設置を山本伸樹氏に提案している宮ノ下厚志さんの対談です!
◆山本伸樹 東京芸術大学大学院卒 現代美術作家
◆宮ノ下厚志 金魚電話ボックス再設置を呼びかけている、古民家再生プロジェクト【大和ベース1930】主催者
◆◆司会:寮美千子 泉鏡花文学賞を受賞 作家 「新潮文庫の100冊」『空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』がラインナップ◆◆
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●『著作権意識の欠落した人物』が芸術を志す生徒を指導するとどういう展開になり、多くの生徒を路頭に迷わせ、商店街の人々を迷わせ、【いかに芸術の世界を汚すことになるのか】がよく分かる事例となっています。
尚、一連の裁判は、【大阪高裁で山本伸樹氏の逆転勝訴】となっています。
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【ならまち暮らし33/金魚電話ボックス再誕!】
毎日新聞 奈良版 2025/1/30
かつて、大和郡山市の柳町商店街に「金魚電話ボックス」があった。電話ボックスを水槽にして金魚を泳がせ、受話器から泡を出すもので、全国から見にくる人がいた。
商店街に常設展示されたのは2014年2月。しかし、18年4月には、商店街の意向で撤去されてしまった。
実はわたしはこの件に深く関わっていた。商店街に最初に展示されたとき、おや?と思った。そっくりな作品を見た覚えがあったからだ。週刊新潮のグラビアだった。
展示から3年後、東京の美術評論家から「おい、奈良はどうなっているんだ」との連絡が。金魚電話ボックスは、福島県の現代美術作家・山本伸樹氏が1998年に東京で発表した「メッセージ」に酷似。山本氏は全国で展示してきたが、最近、テレビやSNSで奈良の写真が広まって、山本氏の作品がパクリ呼ばわりされているという。「山本さんは当初から抗議しているのに聞きいれてもらえない。裁判にして、みんなで応援する」という。わたしは慌てた。「ちょっと待ってください。事情を聞いてきます」と自転車で大和郡山市へ。
ところが調べれば調べるほど、山本氏が気の毒になった。できれば裁判沙汰などにしないで丸く収められないか、と見ず知らずの山本氏に失礼を承知で「『著作権だけは認めてほしい。今までの展示もこれからについても、金銭は一切要求しないから』という条件を提示してみては?」と提案した。ずいぶん虫のいい話だ。山本氏は太っ腹にも快諾。これを商店街に伝え、山本氏を奈良に招いて柳町商店街の関係者との会談を設定、合意を取り付けたのが2017年6月だった。みんなで笑顔で握手する記念写真があり、現場には山本伸樹原作である旨の掲示物も出た。
これで芸術家と商店街の幸せな関係が築けるとほっとしたのも束(つか)の間、約束は覆された。商店街の会議にかけたところ「山本氏に著作権があるとは考えない」と反対されたという。誰が反対なのかも教えてもらえず交渉も説明もできない。しかも「紛争発生のため撤去」とのこと。紛争? 撤去は山本氏の望むところではない。
山本氏は急きょ、福島から商店街を訪れ、一軒一軒店主に会って気持ちを伝えた。市民も撤去反対の署名運動までしてくれたが、結局撤去。なぜそこまで著作権を否定したかったのか、謎だ。
その後、山本氏は著作権主張のためにやむなく提訴。「著作権がウヤムヤにされるのも困るが、後に続く若き芸術家たちのために権利をはっきりさせたい。今後、芸術家が商店街等といい関係を結べるように」との意向だった。
奈良地裁では敗訴したが大阪高裁で逆転勝訴。民事は「損害賠償」を請求しないと裁判にできなかったため、商店街が55万円の損害賠償を支払うことになった。市は商店街の訴訟費用の半分を支払うと議会で決定。民事でしかも商店街側に非があるのになぜ?と疑問を抱いた市民が住民訴訟を起こし、これも市民側が勝訴した。
このとき、ある若者がSNSにこう記した。「(作者は)著作権を主張して金銭を要求しているわけじゃないんです。ただ自分の作品を守りたいだけ。これって商店街側からしたら願ったり叶(かな)ったりじゃないですか? 僕がもしコンサルするなら、全面的に山本氏の要求を受け入れて和解する。そして山本氏とパートナー契約を結び、金魚電話ボックスの家庭用サイズの製造・販売を行う。さらにその販売利益から、年に1回、山本氏を郡山に招いてのイベントを行う。そうすればこのことは全国紙で大々的に報道されるでしょう。マイナスからの大逆転です。こうすると誰もがハッピーになれたはずなんです。今からでもまだ間に合わないのかな?」
大和郡山市のデザイナー、宮ノ下厚志氏だった。彼はその後、大和郡山市西田中町に古民家を入手、人々の集まる拠点「大和ベース1930」とすべく再生中だ。そこにぜひ金魚電話ボックスを設置したいと山本氏に申し出た。山本氏は快諾。原作品「メッセージ」の第2弾「メッセージⅡ」として新造、今年11月23日に公開予定だ。「勤労感謝ならぬ『金魚感謝の日』にしたい」と意欲的な宮ノ下氏。純粋な制作費だけでも200万円かかるので、クラウドファンディングも始める。「もちろんうれしい」と山本氏。彼らのために力を惜しまないという。美しい着地点だ。
2月5日から奈良市の西寺林商店街のギャラリー勇斎で山本伸樹展「メッセージ2025」が始まる。11日午後3時からは、同商店街「古書バルぽらん」にて宮ノ下氏との対談も。無料。ぜひ!
(作家、詩人)
写真:
「大和ベース1930」の「メッセージⅡ」設置予定地にて、山本伸樹氏(右)と宮ノ下厚志氏 =大和郡山市で2022年5月
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1件のコメント
寮美千子氏による感想
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