【特集】守る“看板と地域のつながり” 石川・輪島市の豆腐店経営者の思い「望まれるなら応えたい」

【2025.02.18 OA】
地域に根付く町の事業者にスポットを当てるシリーズ「なりわいの、未来へ」。今回は石川県輪島市で長年続く豆腐店。店の看板と地域とのつながりを守る経営者の思いを取材しました。

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https://news.ntv.co.jp/n/ktk/category/society/kt051ac8786f0f4b81922011b59c0dadd8

輪島市町野町にある「エステフーズ谷内」。看板商品は、こちらのプルンとしたお豆腐です。品質のいい国産大豆と珠洲の塩田のにがりを使用し、濃厚な味わいが人気です。

手掛けるのは3代目の社長、谷内孝行さん。

エステフーズ谷内社長・谷内 孝行 さん:
「きょうは輪島方面のお店と給食と、何軒か回ります」

午前7時半。この日も未明からの豆腐作りを終えると…

妻の夏美さんと手分けして地元のスーパーや街なかの店舗へ。

「人気ありますよ。私も実際に家で買って食べてますので」

配達は、大型店舗にも…

他のメーカーよりも多くの棚を占め、事業は順調そのものに見えますが… 実はいま、こんな課題を抱えています。

妻・谷内 夏美 さん:
「やっぱり働き手がいないっていうのがすごく大きくて、私1人で1日おきにルートを変えて回ってる状態ですね」

谷内 孝行 さん:
「人手不足で全て作ろうと思ったらとても回りきらないなという判断で、7アイテムくらいは減ってます」

従業員が足りず、配達ルートや商品の種類を絞らざるを得ない状況だといいます。

去年の大地震以降、一気に過疎が進んだ能登。谷内さんの工場も被災し、14人いた従業員のうち半数が退職しました。

その影響は、売り上げの柱となっていた移動販売にも…

谷内 孝行 さん:
「元々、移動販売全部で5台で回ってたんですけども、いま現在、奥能登の3台が回れていなくて、地震前と比べたら売り上げは6割弱ほどになってます」

1960年に谷内さんの祖父が創業したエステフーズ谷内。

バイクの後ろに豆腐を浮かべた木箱を乗せて奥能登を売り歩き、時代とともに移動手段はラッピングした軽トラックに。

谷内さんも、20代の頃から…

「こんにちは~豆腐屋です」

毎週、豆腐を待つ奥能登各地の集落へ。

谷内 孝行 さん:
「毎週待っててくださるので、こなきゃいけないなって感じです」

「またね~ありがとう」

ただ、去年の震災以降、人手不足が響き、奥能登はいまだに回れていません。

谷内 孝行 さん:
「メーカーとお客様というよりは、それ以上の関係になっているので、お客さんに会いたいという気持ちが強いです」

その一方、震災を機に、去年はこんな出会いもありました。

こちらは小松市の「有限会社山下」。

長年、地元に根差し豆腐を作ってきましたが高齢化もあり、最近は事業承継を考えるように。

なかなかマッチングがうまくいきませんでしたが、去年、石川県の窓口を通して谷内さんと知り合い、従業員ごと事業を受け継いでもらうことになりました。

有限会社山下・大林 幸江 さん:
「自分にしたら、父親の代からあった店だから。山下っていう店の名前の商品がなくなるんじゃなくて、スーパーでずっと並んでいく。本当に感謝のひと言しかないです」

谷内さんは自分の店と同じように、代々受け継がれた店を見過ごすことはできなかったと話します。

谷内 孝行 さん:
「うちが手をあげなかったら、もしかしたら廃業するかもしれないということを考えた時に、それをとても寂しく思って、ずっと小松で愛され続けてきた豆腐屋さんなので、そこが絶やさずに続けていければいいなって」

豆腐を通して地域に恩返しを…。最近は専用のアプリでアルバイトを募集し、短い時間でも人員の確保に努めているという谷内さん。そんな彼が描くなりわいの未来は…

エステフーズ谷内社長・谷内 孝行 さん:
「祖父母であったり、両親であったり、本当に長い間、谷内の豆腐を守り続けてきて、それがあったおかげでいまの自分があるので。その生きた証を残したいという思いはあります。能登に住まれている方でも、本当に待ってるよって声をたくさんいただいているので、地域の皆さんが望んでいただけるのであれば、それに一生懸命応えたいと思っています」

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