花の中の娘たち 1953年制作 山本嘉次郎監督 出演者 岡田茉莉子 小林桂樹 杉葉子 小泉博 東野英治郎 平田明彦 小堀誠 本間文子

花の中の娘たち 1953年制作 
山本嘉次郎監督 出演者 岡田茉莉子 小林桂樹 杉葉子 小泉博 東野英治郎 平田明彦 小堀誠 本間文子

東宝初の総天然色(ニュータイプ・フジカラー)映画。製作、監督とも「七色の街」の山本嘉次郎である。脚本は山本と西島大。この作品の音楽はとくに滞日中の仏人ヴァイオリニスト、レイモン・ガロワ・モンブランの担当。「プーサン」の杉葉子、小林桂樹、小泉博「夜の終り」の岡田茉莉子を中心に、小堀誠、平田昭彦、本間文子、東野英治部などが出演している。

東京の中心から電車で一時間、多摩川を渡ると全く田舎になる。左平の家は代々、梨で知られた果樹園である。長男清太郎が自動車に轢かれて死んだ後、左平は勝造を養子にしてよし子に家をつかせようと思ったが、東京のホテルに勤めている彼女には電気技師の三村という恋人がある。妹もも子は庄六の家に引越して来た音楽学校の学生北小路に仄かな恋心をよせている。三村は沖縄に有望な仕事口が見つかり、よし子と結婚して一緒に行こうというが、彼女は家を見すてる決心がつかない。勝造はよし子に恋人があることを知って悩むが、左平は三村が養子に来て果樹園の仕事をするのでなければ絶対によし子との結婚は許さないという。三村の出発する日は近づいたが、まだよし子の心は決らなかった。その時ホテルの常客ユリがドル買犯人の情婦として逮捕されたが、よし子は三村をはじめ都会の人々のユリに対する態度の冷たさをみて、はっきり三村との結婚を断った。間もなく勝造を養子に楽しく梨畑で働くよし子の姿が見られ、今度はもも子が東京に勤めることになった。

山本嘉次郎監督作品。東宝初のカラー映画(ニュータイプ・フジカラー)。東京近郊の果樹園。後継者問題で、家業を継がないと結婚は許さんとか、養子とか、、家業と恋で収拾がつかくなる。
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御大山本嘉次郎監督の東宝初総天然色作品らしいが、多摩川両岸で大都会東京と川崎の梨園や田園が広がる近郊農村の文化的対比が愉快。確かに、私が在京の頃、東京の外はいきなりど田舎だった。近畿圏ではあり得ない現象。正にこの映画の通り。成瀬巳喜男「鰯雲」に先んじている点は評価出来る。長男の死によって、東京のホテルメイド務め長女杉葉子が、同じ職場の電気工事士小泉博との恋愛が破綻した。小泉は、当時アメリカ沖縄に夢を馳せ飛び立った。養子に幼馴染の次男坊小林桂樹と結婚し家を継いだ。次女岡田茉莉子は待望の東京に初出勤。多摩川に橋が架かって宅地化が進み、哀れベッドタウンとなる。
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1953年製作で、神奈川県側の多摩川で梨を栽培する農家で、長男が交通事故死したため、跡取りをどうするかで長女と次女を中心に揉める姿を描いた人間ドラマらしい⁉️
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昭和二十年代の登戸~中野島~稲田あたりが舞台。対岸は東京だが、橋が無いため文化圏がまるで違う。そこで橋を架けようと、建設中の橋は多摩水道橋か。ここら辺はサイクリングでよく訪れた場所。季節になると特産の梨を沿道でも商っていて、今でも梨畑は健在の筈。
東宝初のカラー映画。富士フィルムだと思うが、色彩を強調した演出が不自然に感じられるところが残念。
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東宝初のカラー作品ということで技術的な苦労もあったんだろうが、みんなメイクがおかしい。岡田茉莉子によれば、「富士フィルムから派遣されてきた専門のメーキャップ師が、私のメイクをするのに長い時間を費やした」。フィルムの感度の問題かライティングも相当強かったらしい。「新宿から電車で30分」の場所でも都会と田舎のドラマが作れたんだなあ。

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