【感動する話】事故に遭い入院していた姉。その後なんと妹が心臓病に…困っていたら母が隠していた話を聞き驚愕…【泣ける話】【いい話】
頬にそよそよと柔らかい風が吹きつけて くるまぶの裏に光を感じてそっと目を 開ける と真っ白な天井とカーが視界に移っ たここ は私の部屋じゃ ないエリナ目を覚ましたの ねすぐ近くで母の声が する声の方に顔を向ける とボロボロと大粒の涙を流しながら喜んで いる母がい た髪は白髪まじりでなんだか顔も吹けて 見える お母さん エリナ本当によかっ た今先生を呼んでくる から母はそう言って部屋から出ていっ た白い天井に白い 壁パイプベッドに白い シーツこの部屋はどう見ても病室だっ た私の名前は松浦 エリナ大学1年生の時付き合っていた彼氏 とバイクで2人乗りして出かけたところ トラックとの接触事故で頭を今出し昏睡 状態になっ たそれから10年間も眠ったままだった そうだ入院中はずっと両親と妹が交代で 面倒を見てくれていた らしい一通りの検査を終えて徐々にあの時 のことを思い出し母に 問いかける母さん裕二は彼は無事な の一緒にバイクに乗っていた彼氏の安否を 尋ねる自分は10年間も昏睡状態になって しまったのだからもしかしたら彼も大変な 事態になっているかもしれないそのことが 心配でならなかった裕二君は生きてるわ 本当よかっ たで も母は微笑んだがすぐに顔が曇った今は どこにいるか分からないのよ えどういう こと母の話によると彼は幸いにも腕と足の 骨折のみで一度お見舞いに来たきり現れて いないそうだ そんなエリナあれからもう10年も経っ てるのよ彼には彼の人生があるのあなたに 縛られてたら自分の人生を生きていけない わ母の言葉に安然としたつまり自分は捨て られたという ことだけど無理もないいつ目覚めるか わからない植物状態の女なんて待ってい られないよ ねう うんだんだんと涙が溢れ声をあげて泣いた あまりにも悲しい現実に頭では理解できて
いても感情が追いつかない母が背中を撫で 慰めてくれるがしばらく涙が止まることは なかった裕二とは同じ大学で知り合い 付き合って半年だったたった半年でも濃密 な時間を過ごし毎日が幸せだった毎日一緒 に大学に行ってお昼休みを一緒に過ごして バイト先も同じところにした休みの日には いろんな場所にデートに行き会わない日 なんてほとんどなく夏休みも毎日一緒にい て お母さんには女友達と行くと嘘をつき2人 で旅行にも行った海にもプールにも夏祭り にも花火大会にも行った遊園地に動物園 水族間でデートもしたたった半年間でも 大切な思い出が数えきれないほどある一緒 にいると楽しくて嫌なことは全部忘れられ た裕二のことを心から愛していたのだこれ からもずっと一緒にいたいと思っていたし 結婚するならこの人しかいないと心に決め ていたお互い愛し合っていると思っていた しずっと一緒にいようねと笑い合いながら 手を握ってくれたことを一生忘れないだ けど彼はもうい ない2度と自分の前に現れないかもしれ ないあれから10年も経っていて私たちは もう28歳になる彼はきっと素敵な恋人を 見つけて幸せな家庭を気づいているの だろうエリナかわいそうだけど裕君のこと は忘れなさい母は何度もそうがどうしても 納得がいか ない お母さん申し訳ないけど今日はもう1人に してくくれる えで もお 願い涙を拭う気力も起きず顔は ぐちゃぐちゃ だ分かった わあなたの気持ちが落ち着いたらまた来る わね母は悲しそうに笑うと病室を出ていっ た母には申し訳ない気持ちでいっぱいだが どうしても今は1人になりたいその後も 泣き続け疲れてそのまま眠りについた目が 覚めてからもすぐには退院できず病院での リハビリを始めたずっとネタきりで筋力が 弱っているのだあれから裕二のことがどう しても忘れられずリハビリをしながらも 思い出してしまう自分の記憶ではまだあの 事故は昨日のことのようで彼と過ごした 日々もつい最近のことなのださよならの 一言もなくお別れだなんて悲しすぎる 思い出す度泣いてしまい理学療法師さんに 心配された自分のことが情けながどうして も気持ちを抑えられなかった10年も眠り 続けている間に顔や体が年置いてしまった
こともとても悲しかったずっと寝ていた から顔がたるんでしまっていて体も節々が 痛む事故に会う前は18歳でまだまだ青春 まっさかりだっ た10年間を無駄にしたみたいだそれでも が助かって目覚めただけ幸運なのかもしれ ない眠っている間も毎日病院に通ってくれ た両親と妹には感謝してもしきれないと つづく思ったやがて退院したが足の機能が まだ完全には戻らずしばらくは補助がない と歩くことができずにいただがリハビリを 毎日懸命に頑張って3ヶ月後には補助が なくても歩けるようになったそこでまずは 見た目を綺麗にしようと思い白髪まじの髪 を美容院で黒く染めてもらって服を買いに 町に出かけることにした10代の時に着て いた服は年齢を重ねて似合わなくなって しまい全部捨ててしまったそれから昔裕二 が住んでいた家に行ってみた話せなくても いいからせめて一目でも彼の元気な姿を見 たいだが彼が両親と住んでいた団地は すでに取り壊されていて別のマンションが 立っていた郵便受けの名前を見て回った けど裕二の苗字は見つからず はあそっか大きなため息をつきその場で 落胆してしまった彼は一体今どこで何をし ているのだろうそれだけが気がかりだった どうか幸せでいてほしいと心の底から 願うその後仕事をしようと就職先を探した が大学中隊で資格もなく歴もない自分を 雇ってくれるような会社はなかなか 見つからなかっただけどいつまでも両親に 養ってもらうわけにはいかない早く就職し てお金を稼いで両親に恩返しがしたいその 一心で必死に就職活動を続けてようやく 雇ってくれる会社が見つかりほっと人安心 したその会社は小さな金属加工の会社で 面接担当者は事情をよく理解してくれて 採用を決定してくれたようだそして営業部 に配属され営業事務を担当することになっ た他の社員のみんなはとても優しく仕事を 教えてくれて居心地のいい職場だった 覚えることがたくさんあって大変だけど 仕事をしている間は裕のことをれていられ たでも仕事が終わり会社から出るとどうし ても思い出してしまう彼の優しい笑顔と 低い声そして楽しかった日々をせめて今他 の女性と幸せに暮らしていると分かれば 諦められるのにそんな風に悲しみにくれ ながら過ごしていた時だっ た妹のが心臓の病気であることが発覚した の だとても難しい手術を必要とする難病で 手術をしなければ嫁はあと1年しかない らしい妹は小さい頃から体が弱かったが
幸いにも病気にはならなかったそれなのに 急に心臓に痛みを覚え病院で検査したら 医者からそう伝えられたそうだせっかく エリナが目を覚ましたと思っ たら今度はカナが病気だ なんて両親は悲しみにくれた妹は25歳だ まだまだこれからなのにその生涯を終える には早 すぎるそして手術には高な費用がかかる らしいそんな大金うちにあるのだろうか カナダって働いてはいるがそんなに貯金が あるわけない心配に思っていると両親が急 に話があると言ってき た話って 何実はカナの手術の費用が足りないのそれ でねお母さん待ってよ 私だって出してあげたいけど就職した ばかりで貯金は少ししかないのよそうじゃ ないの実はあなたに隠していたことがある のよ え隠していた ことあなたが事故にあって目を覚まさなく なってからずっとお金を送り続けてくれた 人がいるのえ一体誰 が君よ彼がお見舞いに来れなくなったのは 私たちが原因なのどういうこと裕二がなぜ お金を突然そんなことを言われ困惑する しかない両親は覚悟を決めたのかこちらを 見つめゆっくりと話し始めた母の話による と事故の後初めてお見舞いに来た裕二に父 が怒鳴りつけた らしいエリナがこうなってしまったのは お前のせいだもう2度とエリナの前に 現れるな母も一緒になって彼を責めて しまったそうだ裕二は事故を起こしたこと を許してほしいと謝罪したが両親は許さず 後日息子の失態を謝りに来た彼の両親にも 同じこと言って追い返したそうだそれ以来 裕二は2度とお見舞いに来ることはなかっ ただが2ヶ月ほど経ち毎月母の元に現金 書きとめが届くように なる送り主は裕二だった母はそのお金を彼 に返そうとしたが送り返しても宛先不明で 戻ってきてしまあった裕二の住所は虚偽の 住所だったのだそれから10年間目覚める 直前まで毎月お金は届き続けた らしいきっと慰謝料のつもりだったの だろうなんでそんなことエリナお前には 本当に申し訳ないことをした今まで言え なくて本当にごめんなさい あなたが怒ると思ってずっと言えなかった のもちろん檻を見て言うつもりでいたのよ 裕二君が送ってくれたお金は全部使わない で取ってあるわ両親は涙ながらに深く頭を 下げてきた彼は私を捨てたわけではなく
両親に会うなと言われて仕方なく身を引い たんだそれでそのお金を カナの手術代に使いたいというのねえ 図々しいことは分かってるでもカナを 助けるためなのよ母は涙を流して いる彼のことを黙っていたことに両親には 言いよのない怒りを感じていたがここで 2人に怒りをぶつけてもカナの病気が治る わけではないし 裕二と会えるわけではない冷静になろうと 深呼吸をして母に言った図々しいとは思わ ないそれに今はカナの命がかかってるんだ からそんなこと言ってる場合じゃないよ ただ約束してほしいのもしまた裕二に会え たならきちんと謝ってほしいえもちろんよ エリナ ありがとう母の言葉に続いて父も何度も ありがとうと言いながら涙をこぼしてい たその後カナは有名な大学病院で心臓の 手術をして無事に成功し容体は回復に 向かっている本当に良かったと思う裕には 礼を言いたくも連絡先が分からず伝える術 がないが心の中で何度も感謝を伝え たやがて桜が咲いてちり新緑の季節になっ た今日は裕二と付き合って初めてデートを した記念日だせっかくだからと初めて デートをした水族館へと向かうことにした そして今日1日で彼との思い出を 振り返り彼のことを思うのはこれで最後に しようと決めた気持ちを切り替えて新たな 道へと踏み出すための日最後に思う存分彼 との思い出に鬼太郎チケットを買って エントランスから中に入り水槽の中の様々 な魚を眺めていると彼と手をついで一緒に 見たのを思い出した彼の手のぬくもりや 優しく囁く声がまるで機能のことのようだ 館内を全て回った後レストランで休憩をし てお土産を見ようとお店へと入ったあの時 記念に彼とお揃いで買ったキーホルダーは 今でもバックについて いるだけどそれと同じはもう店には置いて なかったそのことに少し寂しさを覚えつつ も隣接している海浜公園を散策した海に 面した公園は長めがとても綺麗で海風が 心地よいあの日裕二と一緒に座ったベンチ にゆっくりと腰を下ろして1人で海を 眺めるあの時はしかたな裕二と話している と時間が経つのを忘れていつまでもこうし ていいと思った当時のことを思い出して目 に涙が滲んでくるがさすがにこんなところ で泣くわけにいかず必死にごまかす今日は 休日のため周りには子連れやカップルが たくさん生きしていて微笑ましいよを少し 羨ましいと思いながらぼーっと海を眺めて い
たその 時1人の男性がベンチに近づいてくるふと 男性の顔を見て自分の目を疑った え夢でも見ているのだろう かその男性の顔は裕次にそっくりだったの だ自分と同じであの頃より年を取って すっかり大人の男性になっている彼は目の 前まで来るとまっすぐにこちらを見ていっ たもしかしてエリナエリナだよ ねその言葉で確信した間違い ない 裕やっぱり エリナ目覚めたんだね本当に良かった私が 涙を流しながら立ち上がると彼もポロポロ と涙をこぼした彼のバッグには私と同じ キーホルダーがついている裕二会いたかっ た俺も会いたかったよ今までどこにいたの お母さんからどこにいるか分からないって 聞いて不安で仕方なくて不安な思いをさせ て本当にごめん実 はそう言うと彼はこれまでのことを話して くれた住んでいた団地は老朽家で取り壊さ れ同じ市内に引っ越したらしいそして大学 を1年間休学し両親と同居しながら建築 現場でアルバイトをして稼いだお金を母に 送っていた同時に貯金もして1年後に たまったお金でアパートを借り実家を出た そうだそれから大学に復学して勉強し ながらバイトにも行き母にお金を送り続け てくれた大学卒業後は大手ゼネコンに就職 し現場で培った経験を生かして働きお金を 稼いでいただけどあの事故から10年経っ てお金を送るのはやめたそう だもう私のことを思うのは終わりにしよう と思い最後の区切りとして初めてデートし たこの場所へ来たのだというエリナあの時 は事故に合わせてしまって本当にすま なかった俺にはもう君と一緒にいる資格は ないだけどずっとナのことをられなかった ん だ今でもエリナが好きなんだよその言葉に 再び涙が溢れ出した裕二はきっと今頃他の 誰かと結婚して家庭を気づいていると ばかり思っていた からあの事故は仕方がなかったのよだから もう気にしないでそれに私も裕二のことが 好き忘れたくても忘れられない のエリナでも私こんなに年を取っちゃった のそれでもいいのそんなこと言ったら俺 だって同じだよそれにエリナは今でも すごく綺麗だ ありがとう私たちはきつく抱きしめあった 私の両親もお金を送り続けてくれたあなた に感謝しているわきっともう許してくれる それに私たちはもう18歳の子供じゃない
たえ親が反対したって一緒になれる わそして次の 日曜日彼を説得して両親に合わせることに し た裕二が家を訪れるとみんな心よく出迎え てくれたあの後両親に彼との出来事を報告 すると涙を流して喜んでくれたのだ裕二君 いらっしゃいよく来てくれたわねごして おりますその説は本当にご迷惑をおかけし て申し訳ありませんでした頭を上げてくれ ないか私たちもことを言って本当に申し訳 なかった君のご両親にもひどいことを言っ てしまいとても反省している一方的に 攻め立てて本当にごめん なさい私たちはあなたにとても感謝して いるわそれに裕二君が送ってくれたお金の おかげ で娘に手術を受けさせることができ たみんなの言葉に裕二は泣きそうな顔を するかさんの手術の件はエリナから聞いて います無事に手術が成功して本当に良かっ たです裕二君のおかげだよ本当に感謝して いるどうかこれからも娘のことをよろしく 頼む お父さん父が彼の前に右手を差し出すと 裕二はその手を握り2人は硬い握手を 交わしたお父さんありがとうございます 必ずエリナさんを幸せにすると誓い ますそして後日正式に裕二からプロポーズ され今では結婚の準備に忙しい日々を 過ごして いるこの世に神様がいるのなら あの初デート記念日の 日裕二と偶然再開させてくれたことに私は 心から感謝して いる俺は田村 浩司ごく平凡なヒシ員 だ一般勝者の営業マとして働いていて入社 4年目同期が次々と成績を上げ小心を 果たし始める中未だに目立った業績は残せ ていない元々目立たないタイプの上容姿も 性格もパっとしない俺は仕事ができない 平社員として周囲に認知されてい た上司からはノルマに関して毎月のように 出席されるし 後輩からは尊敬されるどころか煙たがら れるだけという居心地の悪さを感じてい た田村君は はいそんなある日営業部長に呼び出され ビクビクしながら部長の前へ向かっ た部長お呼びでしょう か部長は書類を手に取るとにを寄せ たまた成績に関する小言 か憂鬱な気分で部長の話を 聞く田村君今月の契約数もノルマには届か
なかったようだ ねはいすみませ ん謝罪しろと言ってるんじゃ ない君はやる気があるのかね 普段の君の仕事ぶりを見ても全くやる気が 感じられ ないいい加減に仕事をしているから売上が 伸びないんじゃないのか ねいえ決してそんなつもりで は君の同期は主任と係り長だ ぞトップ営業マになった仲間を見て本当に 何も感じないのかね それ は部長の説教が始まると車内はシンと 静まり 帰り我関せずと言った顔でみんな自分の 仕事に集中 する1度部長に呼び出されれば30分以上 注意されるのはざら だただひたすら頭を下げて平謝りするしか できなかった 君には来月林研まで営業に行って もらおう契約が一件も取れなかったら帰る 部署はないと思いたまえそ そんなそれって首ってことです か林研はこの辺りと比べて単身者や弱年層 の割合が多く契約が取りにくい街として 車内でも認知されてい た部長はわざと俺を林間の営業に回らせて 厄介払いをしたいのかもしれ ないなんだねその不満そうな顔は一件でも 契約が取れれば来月のノルマは免除して やると言っているんだ ぞはい君がどれくらい本気で仕事に 取り組めるか見せても わかりまし た失礼し ます部長の命令には逆らえ ないこうして林間への出張が決定し た出張は3日間必ず一件は契約を取って くる ことそれが部長から出された条件だった よりによって同期からも にい評判のところなんて なあ正直これからの3日間を思うと食欲も 湧かなかっ た宿泊予約先のホテルがある最寄りの駅で 下車して早速駅周辺の住宅街を中心に 外回りを開始し た結構です間に合ってますそうですか失礼 いたしまし たブザーをして名乗っただけなのにあかさ に迷惑そうな声でインターフォン越しに 断られて しまううるせえなうちはセールスお断りだ
とっとと帰れ失礼しまし た拒絶されること十数 件すでに俺の心は折れかけていたそもそも 自分の会社の商品に文句を言うつもりは ないがまだまだウォーターサーバーの一般 家庭の普及率は 低い俺だってウォーターサーバーはいら ないもんなぶっちゃけ水道水で十分だ よ定額で毎月美味しい天然水が飲めると 会社で開発した卓上型の家庭用ウォーター サーバーだが一部の富裕層や健康思考の 家庭しか需要がないのではないかと思う はあ疲れ た昼過ぎに到着して街を 歩き回り気がつけば夕暮れが訪れてい た額の汗を拭って公園のベンチに 座るぼんやりと空を仰ぎ見ると虚しさで涙 が出そうになっ たするとぽつりと頬に冷たい感触が当たっ たにわか雨だっ た一滴また行ってきと落ちてきたと思っ たらまた琢磨に豪雨へと変わり慌ててベチ を立ち上がっ た全くなんなんだよ休憩させてくれってん だ殻になったペットボトルを自販機側の ゴミ箱に投げ入れて公園を後にし たとりあえずチェックイン予定のビジネス ホテルを目指して駅方面に走っている時 だった え河川敷に通りがかったのでふと川べりに 視線をやると1人の女性がずぶ濡れでの前 に立っている背中を見 たこの大雨の中傘も刺さずにあんなところ にいる なんてそのまま立ち去ればいいもののなん となく胸がざわざわして川岸へと近づき ずぶ濡れの女性に声をかけ たどうかしたんですかこんな雨の中に1人 で風を引きますよ すると女性が驚いて振り返っ た性で整った顔立ちの美人だった大なの だろうかびしょびしょに濡れているスーツ を気にもせずこちらを向いた彼女と視線が 合いドキッと鼓動が 跳ねる相手に目を奪われたのもあるが彼女 が泣いていたからだった うるんだ瞳は赤く 晴れ上がり長時間雨に濡れたせいか顔色は 真っ青だっ たすみません放っておいて ください私は1人で痛いん ですでもこんなところにいたら危ないです よ雨で川岸はぬかるんでいるし万が一足で も滑らせて川に落ちてしまったら大事だ 少し強引かもしれないと思ったが俺は彼女
の手首を握った話してそっちが川から離れ てくれるなら俺も手を話しますよどうして あなたには関係ない でしょう俺に手を掴まれた女性は瞳から 大粒の涙をこぼした 放っておけと言われても目の前で今にも川 に落ちそうな女性を放ってはおけないです よ俺がしつこく食い下がると女性は手を 振りこうと抵抗したうわ きゃ身をねじった女性は足を滑らせる 危ない体勢を崩し彼女は川に落下しそうに なった 俺は慌てて両手を伸ばして彼女の腕を 捕まえると引き上げようと踏ん張っ た彼女は目を見開いて 驚きこちらをまっすぐに 見つめるなんでそこまでするんです か自分自身でもなぜここまで必死になるの かよくわからなかっ ただが川にでも落ちて溺れるなんてことが あったら大変 だそんな状況で無視することはでき ない女性は俺を信用してくれたのか自分 から手に捕まってくれ たその後助けていただいたお礼に私の アパートでお茶をしていきません かそう誘われるまま彼女のアパートに 立ち寄る流れになっ た独身平社員のさえない俺は女性の部屋に 入るのは初めて だどぎまぎしつつ玄関で靴を脱ぐと彼女は タンスからバスタオルを出しこちらへ 差し出してくれ たありがとうございますいいえお気に なさらないで くださいしまり帰ったアパートの部 濡れた体を吹く男女が2人 きり落ち着きなくそわそわしていると先に 体を拭った彼女が台所に立ってお湯を 沸かし始めた室内をちらっと眺めてみると タンスの上に写真立てが飾ってあっ たここからだと顔はよく見えないが男女の ツショットだと分かった 恋人がいたの かこれだけの美人なら当然 だろうほんの少しがっかりしながら ダイニングテーブルの椅子に座り彼女が トレーを運んでくるの待っ たどうぞああすみませ ん女性は俺の正面に座っ た入れたてのお茶を一口すするとこちら から彼女に切り出し たどうして雨の中で川を眺めていたんです か担当直入に尋ねると彼女は小さく首を 振っ
た昔から悲しいことがあると水辺に行くの が好きなん です不思議と心が落ち着くの で気持ちは分かります がなことはしないでくださいね万が一が 起きたらどうするんです かいいんです私はどうなって もあの子をなくしてから生活に張り合いが なくなってしまいましたから え女性は悲しそうに微笑むと写真立てを手 に取って見せてくれ た私のの弟なん です俺が恋人だと思ったのは彼女の弟だっ た らしい間近で写真を眺めてみると外見と 雰囲気が彼女にうり2つだっ た弟さんはどうして4年前交通事故で 亡くなりまし た念願の就職先も決まってこれからだて っていう時 に彼女の話を聞いてみると弟さんは俺と 同い年だっ たそれは気の毒 に私たち兄弟は早くに両親をなくしてお 互いしか身よりがありませんでし た色々の職場を点々としましたがあの子の ためならどんな仕事でも頑張れたん です過去を語る彼女からは後悔は感じられ なかっ た湯呑みを握りしめる小さな手をよく観察 してみると大きな豆やタコが指のあちこち にできており [音楽] 赤切符し た水仕事や細かい作業が多くてすぐに手が 荒れちゃうんです恥ずかしいので見ないで ください彼女は生活を支えるためオルとし て勤めながら内食と日雇いのバイトを かけ持ちしていた らしい弟さんを亡くしてからアルバイトは やめたらしいが彼女自身はそんな自分に 対し秘めを感じている様子 だこんな傷だらけの手を見ても気分が良く ない でしょうそんなことありませんそれは あなたが一生懸命家族のために仕事をした 証ですよ立派だし素敵だと思い ますありがとうござい ます遜する彼女に対してらしくもない熱弁 を振ってしまい照れ臭くなって頭をかい た正面の彼女は頬を緩めるとくすっと 微笑みを浮かべ た綺麗な笑顔にドギマギしていると今度は 彼女の方から質問をしてき た失礼ですがあなたはどうして河川敷に
いらしたんですか そういえば話していませんでした ね私は田村浩と言います金山商事の サラリーマンでここには営業できまし たそうでしたかあ私の名前まだお伝えして なかったです ねこちらから自己紹介をすると彼女も名前 を教えてくれ たさんと言うらしく年齢は俺の2つ上だっ たそうでしたかお仕事中にすみません営業 のお仕事で大変な時 に気にしないでください仕事が大変なのは まあそうです ね実際今日は1日中この町の住宅街を 歩き回ったが見も契約を取ることはでき なかっ た出張は残り2日間あるが正直不安で仕方 が ないすると江莉香さんは俺の目をじっと 見つめていっ たでも田村さんならきっとどんなお仕事だ としてもかっこよくこなしてしまうん でしょうね えエリカさんからくっのない褒め言葉を 送られたが首を振って否定するそれは 買いかぶりすぎですよ俺なんて全然契約も 取れないし同期がどんどん出世していくの に未だに平社員です から女性にこんな情けない話を愚痴る つもりはなかったのに穏やかな雰囲気の 江莉香さんについ気を許してしまっのか 余計なことまで口走ってしまっ た元々営業は自分には向いてなかったん です度胸もないし同期みたいに花も ない仕事だってこのままの成績じゃいつ首 になるか分かりませ ん田村さんえ本音をとした俺に対して 江莉香さんは声を強め 俺の手に自分の手のひらを重ねぐっと力を 込めながら行っ た私を川から救い上げてくれたあの勇敢な 田村さんは一体どこに行ってしまったん です かそれ は自分だって危険かもしれないのに私を 助けてくれましたよ ねあの時田村さんの一生懸命な姿を見た から 安心して身を任せられたん ですあれは必死だったからですよ江莉香 さん放っておけなかっただけ でお仕事だって同じでしょ田村さんの優し さや真剣さが伝わればきっとうまくいき ます よ江莉香さんの手のひらは
温かく久しく忘れていた人のぬくもりを 思い出させてるかのようだっ た真剣さや熱意や一生懸命さなんて入社し てから意識したことはなかっ た就活がうまくいかずに妥協で金山商事に 入社した俺はやりたくない仕事に対して 不真面目だったことは否め ない確かに同期たちは入した頃からやる気 と人柄を評価され 部長からは可愛がられひきされて いる俺がと歳営業マをどこかでかこ悪いと ハに構えている中率先して外回りに出かけ ては契約を取るまで帰らないほど仕事への 熱意は人一倍ある連中だっ たでも一生懸命やっていればすぐ成果が 出るほど営業は簡単じゃないんですよ エリカさんは言い訳をする俺を決して 責めることはなくなめるような優しい声で 言っ た田村さんは金山正司にお務めだと おっしゃいましたよねはいそうです があなたに見てもらいたいものが弟の部屋 にあるん です俺にです かはいついてきて ください江莉香さんの後に続いて案内され た部屋に入室 する弟の部屋は亡くなった当時のままにし てあるん です整頓されたデスクの上に見れた パンフレットと商品の乗ったチラシが積ま れているのを 見つけ俺は目を丸くして驚いて これうちの会社のパンフレット だ はい弟が今も生きていたら田村さんと同じ 会社の社員として肩を並べていたと思い ますそうだったの か他にも弟さんのデスクには金山商事に ついて詳細にまとめたオリジナルの レポートや営業における心構えを記した 自己啓発本が並んでい たきっと江莉香さんの弟さんは本気で仕事 に望もうと熱意を燃やしていたに違い ないそれに比べて俺はどう だ契約が取れないのは周囲の環境や客が 悪いせいだと初めから努力自体を捨ててい た 弟はこれで僕も社会人だからお姉ちゃんを 支えられると喜んでいまし た私が言える立場じゃないですが田村さん には弟の分までお仕事で頑張ってほしいん です応援してい ます江莉香 さん頭から冷水を浴びせられた気分だった
その後ビジネスホテルのチェックイン時間 を過ぎていたことも あり彼女に挨拶と例を述べてからアパート を出ることにし たホテルに宿泊した 翌日早朝から身自宅を整え鞄にウォーター サーバーの資料とパンフレットを 詰め込み再びこの町を隅から隅まで 歩き回った 少しお話いいですか今ちょっと忙しいので 資料だけでもお渡ししたいんですよろしく お願いします はあ1日目同様に手応えはよくないが必死 に頭を下げて話を聞いてもらったり パンフレットを手渡ししたり資料をポスト に入れて回ったりと自分なりに達成感を 感じる営業ができたと 思うだが3日間の出張を終えても契約に 結びつけることはできなかっ た出張から数日後俺は部長に呼び出され たノルマ未達成の出席 だろ息承知しながら部長の元へ向かっ たお呼びでしょう か先日のの出張の件についてだ がはい一件も契約を取れず申し訳ござい ませんでしたふぶかと頭を下げると部長は 席を 立ち上がり俺の肩をポンと叩い た昨日林間から2件電話が入った ぞ検討した結果契約したいとの話だお客様 に伺ったところ君の熱心の説明に心動かさ れたそうだ えやればできるじゃないか田村君これから もその調子で頑張りたまえ期待しているよ ありがとうござい ます久々に営業でノルマを達成したこの 瞬間の喜びはいかけていた仕事への情熱に 再び火を灯してくれ たその後改めて契約が決まったお客様の家 に挨拶に行くことになったが一組目は心 よく話を聞いてくれた老夫婦でもう1組目 はなんと田村さんお久しぶり ですこんにちはえ さんあの雨の日に偶然知り合った美人 オーエルの江莉香さんだったの だこれも弟が引き寄せてくれたご縁だと 思って契約を決めましたこれからも よろしくお願いし ますこちら こそ以来江莉香さんとはお互いの仕事の話 をしたりプライベートな話も時々するよう ないい関係を気づいて いる仕事の方はと言うと順調なことばかり ではなく時々同期たちと契約数を比べて へこんだりもするけれどそんな時はエリカ
さんの弟の分も頑張ろうと自分を古いたた せて いる周りは代わり派手た俺に驚いていたが これが俺の本当の姿だなんて思いながらも これからも仕事に励もうと思って いる俺は花 通る専門学校でグラフィックデザインの 知識と技術を学び現在は大手事業会社に グラフィックデザイナーとして勤務する 33歳 だ少しいいかい花石に はいレーザーポインターを操作しながら ロゴデザインの説明をしていると上司の 高田部長に声をかけられ たもう少し既存のモチーフに寄せた方が 無難じゃないかね君のデザインは個性的と 言えば聞こえはいいが独走的すぎるんだよ なあお言葉ですが部長今回の音楽フェスは 革命がテーマですこれまでと同じでは意味 がないと思うのです がしかしねこの形は気に入らない肝心の タイトルが伝わってこないだろう森田君も そう思わないかあははい部長がおっしゃる 通り です部長が後輩の森田に耳打ちすると俺と 部長の顔を高々に見比べ結局は部長の案に 同意してしまっ たその後は多数月で俺の提案が却下され 部長の考案したロゴが採用になっ た はあ既存のデザインじゃ進歩がないんだよ な1からデザインを練り直したのに うちの会社はベンチャー企業で社長と高田 部長のツトップが幅を聞かせて いる入社面接で社長に気に入られ入社した ものの上司の高田部長とは馬が合わなかっ た最近は社員の発案が一切通らないことも 多く息苦しさを感じてい た元々アートが好きでグラフィックから ウェブデザインCGデザインまで一通り 技術を学ん だ自信はあるのだが評価されずくすぶり 続けるだけの日々が続いてい た会議が終了しアパートに帰宅すると疲労 からすぐにソファーへ横たわっ た若の至りで実家を飛びし慣れない都会で 1人暮らしをしているがこれなら田舎に 残って実家の民宿の手伝いをしていた方が 気楽だったかもしれ ない はあため息をついてソファーから身を 起こした時だっ たスマホに着信が入った実家の民宿の番号 だはい もしもしもしもしドルああよかった電話に
出てくれ てどうした の電話はお袋からだっ た珍しく切歯詰まっている様子だっ たドル落ち着いて聞いてね今さっき お父さんが病院に緊急搬送された の え親父 がおふからの急な連絡に頭が真っ白に なる詳しい話を尋ねると親父は数時間前 自宅で料理の仕込みの最中に突然倒れた らしい実家は小さな民宿を経営しているが 両親と手伝いのスタッフが数人だけで運営 して いる親父が倒れたのなら人でも足りない だろう病院に緊急搬送と聞いて落ち着いて いられなかっ た職場に連絡を入れて有給休暇を取得し 里帰りすることにし た夜行バスと始発電車で規制し親父が搬送 された病院にたどり着いたのは翌日の午後 2時過ぎだっ [音楽] た308号室の花のお見舞いで来まし た どうぞ看護師さんの案内で病室に到着する とそこには先にお見舞いに来ていたお袋の 姿もあっ たベッドの上では親父が眠ってい たドル来てくれたのね 親父の病状 は急に苦しみ出して緊急搬送されたけど もうちょらしく てなんだよかった突然倒れたなんて言う からどんな大病かと思った よ盲腸ならば手術後1週間もあれば退院 できると聞い た俺がアドしていると信の父が咳払いし 父親が入院したのに良かったはないだろう 連絡1つもよさないし親不幸な息子だなあ 目が覚めたんだね急いで来たんだから そんなこと言わないでくれ よ嫌みを言える元気があるなら親父は 大丈夫 だろうは念のため3日取得してあるから その間は実家の民宿に寝泊まりすることに し た部長からは休暇中もリモート会議や重要 な連絡には大次郎と指示されて いる昨の休まる日はなさそう だ ただいまお帰り なさいお見舞いを終えたお袋と一緒に民宿 に帰宅するとスタッフさんが2人玄関に 出迎えてくれ
た2人とも俺が学生の頃からこの民宿で 働いて いる両親も高齢だし身近に人がいてくれる のは正直ありがたかっ たおふが今に通してくれたので早速こつに 入って足を温め その 時 うん柱の影から視線を感じ振り向いてみる と見知らぬ子供が1人こちらを見つめて いることに気がつい たあのさ おふ なに台所でお茶を入れるお袋に訪ねてみ たあの子はしたの親父が入院中は民宿は 休業中 だろ臨時休業中ならお客さんの連れでは ないはずだが近所の子供が勝手に入って くるとは考え にくい ああそういえばトルには話してなかったわ ね え実はあの子身よりのない子でね しばらくうで預かることになってるの よ は驚いて大声を出すとその子は怯えた顔で 柱の鍵に隠れてしまっ た子供用の浴衣を着ており前髪を眉の辺り で揃えたおかっぱの少女だっ た何考えてるんだよそんな簡単に人様の うちの子を預かるなんてさ 自慢じゃないがうちの民宿は田舎村の僻地 でひっそり営んでいるため経営は赤字続き だ以前に一度ローカル番組の取材はあった が年々宿泊客は減少して いる率直にいって子供1人を養える余裕の ある状況じゃ [音楽] ないわかけどあの子知り合いの田村さん家 の長女でね田村さんの家は ほら確か両親が失踪したんだったか ええ帰省してすぐ耳にしたのはこの村で 失踪事件が起きたということだっ た失踪した田村さんはこの民宿の所に住ん でおり昔からおふとも面識があっ た田村さんは借金を抱えていたらしく数 ヶ月前長女だけを自宅に置き去りにして 夫婦で失踪した らしいかわいそうだとは思うけどさだ からってうちが引き取る必要あるの かあの子には祖父母もいないし親戚もい ない 知り合いがいないんだよ放っておけない でしょうまるで昔のトルを見ているみたい で
ねちょっと おふああごめんね締めっぽい話をしちゃっ てあの子のことはお父さんとも話し合って 決めるつもりだからトールは心配しないで ねおふはお盆に乗せた湯呑みをテーブルに 置くと穏やかに微笑ん だその後は広い大浴場の温泉に肩まで使っ て久方ぶりの過去を振り返ってい た俺は両親の実の息子じゃ ない本当の両親は物心つく前に事故で 亡くなって いるがなく園の親戚感を点々とした末に花 に引き取られ た親戚中から厄介者扱いされた俺を両親 だけは温かく迎え入れてくれたの だ血の繋がりがなくても親父とふは大切な 家族だっ た2人のおかげで今の俺がここに [音楽] いる同じく身よりのないあの幼い少女に 同情はしているが今回親父が病院に緊急 搬送されたように両親ももう年を取って いる民宿経営しながら子供を育てるなんて 不安要素しかなかっ た はあ大丈夫なのかなこれからどうなるん だそう言いながらお湯を救って顔を洗うと 湯舟から上がっ [音楽] たおふとスタッフの2人が用意してくれた 夕飯を食べた後は当てがわれた部屋で テレビを見てい た田舎のローカル番組には平和な雰囲気が あるいい意味で緊張感がなくのどかな光景 を眺めているだけで苛立った気分がやい だ都会には山も川も ない他人に傾ける情もない人も中には いる日々仕事に明け暮れて成績のためだけ に身を尽くしてきたのになかなか努力は 報われ ずついには人生そのものにやりがいを なくしてい たはあ 寝る か明日には部長から仕事の連絡がある だろう有休中にまで働けとは血も涙もない 話 だ布団に潜ろうとした時襖が中途半端に 空いているのに気づき閉めようと近づい たすると あ 君 は少女が廊下に立って俺の部屋を覗いてい た子供はもう寝る時間だ よ声をかけると少女はビクッと目を丸くし
てパタパタと廊下を走り去っていっ [音楽] たそういえば食事中もあの子が視界の橋を うろついていた やれやれ子供の考えることは分からない な気にしても仕方が ないあとはお袋がいるしなんとかする だろう布団をかぶって消灯すると数分も 経たないうちに熟睡してしまっ た 翌朝朝食を食べた後は散歩がてら 村を歩いてみることにし た規制は実に3年ぶりだし仕事で煮詰まっ た時は無理をしてもいい案が浮かば ないしかし朝っぱらから資料作れって全く 何なんだよな俺のデザインには文句 ばっかり言うくせに さブツブツ独り言を言いながら民宿を出る と 入り口の庭でうずくまっている丸い背中を 見つけ たあれそんなとこで何してるのかな あそういえば名前聞いてなかったね俺は 通る君 は まゆ子おかっぱの少女はぼそっとつぶやく と再び俯いてしまった 地面には木の棒で描いた落書きが ある幼い子供がこんなところに1人 きり遊びあいても話し合いてもい ないおふの昔のトルを思い出したという セリフがのりによぎっ た気がつくとしゃがんでまゆ子に声をかけ ていた おじさんと散歩する か うんまゆ子はこくりと頷きつぶらな瞳で こちらを見上げ た小さな手を握って土手を 下り商店街付近までブラブラと歩いて いくんどうし た駄菓子屋の前にしかるとまゆ子がぎゅっ と俺の上着の袖口を掴ん だ欲しいものがあるの かまゆ子は無言で 頷く駄菓子屋なら数百WR程度 だろう子供の頃の俺は両親に遠慮して物を ねだるのが苦手だっ たまゆ子もきっと大人にわがままを言え ないん だろう買ってやるよえ 本当ああ何でも好きなもの言って よありがとうおじっ さんとるさん な
うんとる さんまゆ子の口調はたたしかっ た口数が少ないしおしりは苦手のよう だ いらっしゃい こんにちはおふの話だと駄菓子屋のじい さんは5年前に多し今は息子が道楽として 店をやっている らしいまゆ子が嬉しそうに上風船やら シャボン玉やらを見て回っていると天主は 嫌そうな顔で子を睨んで たその子田村さんとこの子だろう えはいそうです けど全く村中で意味嫌われてる子をよく 引き取ろうとしたもんだ早く施設にでも 預けちまった方が いいなんてことを言うんです か本当のことさその子が生まれてから田村 さんの親は大病になって事業は倒産するし 借金もどんどん膨らんでったそれはこの子 のせいじゃない でしょ村はいい迷惑さ借金鳥が毎晩大声で 取り立てに来て緊張迷惑たらありゃし ないたまたま不幸が重なっただけでまゆ子 には何の責任も ないだが天主は子供の前で堂々と悪意を口 に出し たまゆ子は怯えながら真っ青な顔をして俺 の背に隠れてしまっ た子供の前でそんな話はやめて ください子供なんだからさどうせ大人の話 はわかりゃしない よいいえわかりますよ言葉の内容が悪意か 善意かくらいはね はなんだ偉そうにそれで買うのかい買わ ないのか い王兵な店主は悪びれもしなかっ たまゆ子が欲しがっていた上風船と シャボン玉駄菓子を数点買って店を出る ことにし たごめんなあの店嫌な雰囲気だった だ うんまゆ子は首を振り俺の手をぎゅっと 握っ た河川敷まで歩くと爽やかな風が 吹き少し焦んだ額を冷やしてくれ たまゆ子がシャボン玉を吹いている隣に腰 を下ろしてスマホの通知を 見る 今度の案件は子供向けブランドのショップ ロゴだすでに2パターン考えてあるから 通達を一読の上返答を記入するよう になんだよまた部長のアイデアかどっちの デザインも普通すぎるよ ななんて言うか目を引かないんだよ
なグループ全員コメントに困ってるじゃ ない か良くも悪くも無難でパっとしない デザインにため息しか出なかっ たとはいえ俺も自分のアイデアがほとんど 却下されるせいでスランプになって いる頭を抱え込むとまゆ子がじっと横顔を 覗き込んでき たトルさん一緒に 遊ぼうああ わかっ た上風船を膨らませてまゆ子に遊び方を 教える行くぞ それ ああ膨らんだ神風船がふわりと中に浮き まゆ子がびっくりして声をあげ たこうやって手のひで叩いて ごらんうん 最初はぎこちなかった手つきが徐々に ほぐれ次第にポンポンと軽く陽気になって いくへえ上手じゃない [音楽] かまゆ子はエクボを頬に浮かべて笑っ たしばらく相手をしていると空腹を感じた ので時間を確認するとすに生を回ってい た今頃はおふが昼飯を用意して待っている [音楽] だろうそろそろ帰る か うんなんだどうし た上風船が草村に落ちまゆ子はぴたりと その場に硬直し た声をかけてみると黒めがちな人から ポロポロと涙を こぼすえ まゆ子みんなが言ってたのまゆ子は厄介者 だってまゆ子のせいでお父さんとお母さん がいなくなっ たってまゆ子のせいじゃない よおふと親父は真子を引き取ろうとしてい た 心ない言葉は絶対に言わない だろう先ほどの駄菓子屋店主のように良く ない噂を流す村人の話を鵜呑みにしたのか もしれ ない施設って怖いところな のまゆ子もそこに行かなきゃいけない のとろさんと花江さんと 離れなきゃいけない の まゆ子泣きじゃくる真子の頭を撫でると頭 の片隅に自分の影がよぎって心臓が痛く なっ たまゆ子は俺に似て いる身よりがない子という境遇もそうだが
言いたいことを我慢して大人に遠慮し てで泣いているところも だ俺には優しい両親がいてくれたがまゆ子 にはい ないもしこのまま施設に引き取られ たら嫌がっている彼女を見ていると苦しく なっ た大丈夫だなんとかなるよ施設には行か なくて いい本当ああ 俺はいつの間にか真子を抱きしめてい た胸の中にすっぽり小さな体が埋まった 瞬間乾いた砂漠に水が染み渡るように心が 温かいもので満たされていっ たそれから3日間の有給休暇が終わり親父 の経過も順調なので会社に戻ることにし た規制前と変わらず世話しない生活だが1 つだけ劇的な進展があっ た花井 君社長お疲れ様 です君の考案したロゴ大好評だよ高田に 任せなくて正解だった なありがとうございます 実際に子供の意を取り入れて考えたそうだ ねリアリティがあった よあれからうちの民宿で身よりのない真子 を正式に引き取ると決定し た両親の希望もあるが俺からも頼むと2人 に頭を下げて頼んだことだっ たまゆ子とは頻繁にテレビ通話をしたり スマホで連絡を取り合って いるデザインで煮詰まった時にまゆ子に 相談すると不思議といいひらきが湧いて くるの だ部長の案が却下され俺のデザインロゴが 採用されたのも真子の発想を取り入れた 新案を社長にプレゼンしたのがきっかけ だっ た今回の件で俺は長への昇進が決定し たこれからも期待してる よ はい社長から一目置かれるようになり高田 部長もこちらに反論できなくなったよう だ仕事が順調に進むと心にもゆりが [音楽] できる実家の民宿のために広告を制作し たり 新しい看板をデザインして集客アップを 目指した今も努力を続けて いるありがとうとるあなたは私たちの自慢 の息子 ねやめろよ大げさだな宣伝を手伝った くらい でドールのおかげでお客様も増えてきてる のよお父さんも忙しいってぼやいてる
はそうかそれはよかっ たタオルおじ ちゃんまゆ子元気 か うんおふと電話していると時々まゆ子が 元気に割り込んで くるまたお仕事のお手伝いさせて ねあ 頼む ぞまゆ子が明るく笑う声が耳に心地よかっ たあの日あの子と民宿で会えてよかっ た今後デザイナーとして1人前になれた なら真子を引き取り家族として暮らして いこうそれが今俺の目標 だ小が吹きすさぶ 中商店街の隅にある広場の炊き出しの列に 並んでい た寒さに肩をすめジャンパーの襟に口元を うめると吸えた汗の匂いが するもう1週間も風呂に入ってい ない夏の間は水道の水で体を洗うことも できたが冬場はとても無理だっ た戦闘に行く金があるなら食べ物を買って いる俺の名前は水戸京也45歳 だ家はなく日雇い労働者が多く暮らす町の 約2畳の簡易宿泊施設で寝泊まりをして いる仕事は工事現場などの日雇いの仕事を しているが同じような日雇い労働者は多く 仕事にありつけない日も ある仕事がない日が続くと金もなくなって くるので宿には止まれず公園で野宿する ことも ある住所で携帯電話も持っていないと長期 の仕事では雇ってもらえないので日雇いの 仕事をするしか ないだからこんな生活をもう半年も続けて いるこんな暮らしになる前は持家もあった し妻もい た俺と妻のさつは大学生の時に 知り合い彼女は頭がく とてもしっかり者で魅力的な女性だっ たすぐに恋に落ち彼女に交際を申し込み俺 たちは恋人同士になっ たそれから4年後の25歳の時に結婚し た当時は中小企業で企画開発の仕事をして いたのだが俺の夢は自分で会社を起業して 経営者になることだっ た夢を叶えるために妻も協力してくれ て2人で企業資金をコツコツと貯めていっ たサツキはとても節約化で悪く言えばケチ だったが彼女のおかげで貯金ができたと 言っても過言ではない だろう俺たちはワンルームのボロアパート に住み どんなに暑い夏もこえるような冬も極力
エアコンは使わずに過ごし たさつきは毎日仕事帰りにあちこちの スーパーをはしごして特売品や見切り品 ばかりを買ってき た食事はしそなものばかりで牛肉やうなぎ や刺身などが出ることはなく晩酌さえし なかっ た昼食には手作り弁当を持たされて外食は 愚か同僚からのみに誘われても小遣いが なくていけなかっ た着古して穴の開いた下着や靴下はくわれ てまた 着る新しいものは買わずにそれ以外の衣類 はリサイクルショップか激安量販店でしか 買うことはなかっ た電気のけっぱなしや水道の出しっぱなし は怒られたしシャワーも極力使わずに髪や 体を洗うのには浴そうに貯めたお湯を使い 余った風呂の水は洗濯に使ってい た休日も6に遊びに行けずせいぜい近所の 公園に散歩か図書館に行くぐらいであは家 でテレビを見て過ごすしかない 旅行なんてもっての他 だ同僚や大学時代の友人が海外旅行に行っ た話を聞くと羨ましくてたまら ないだが夢を叶えるためだと思い我慢し た妻のあまりの険悪ぶりに耐きれなくなり 喧嘩をしたことも何度もあったが結局は 仲直りをして元の生活に戻っ た後になって考えてみればそんな極端な 契約家の妻がいたからこそ貯金ができたの だと 思う元々俺はどちらかと言えば金遣いが 荒い方だったから だそして結婚してから10年 後35歳の時にようやく資金がたまり 俺は大学時代の友人他所と共同で事業を 立ち上げ たその会社はスマホのアプリを開発し運営 する会社 だアプリの開発自体にはそんなに費用は かからないが広告宣伝や営業に金をかけ ないと多くのユーザーに使ってもらうこと はできないので初期投資はかなりかかった だがそのおかげでアプリは爆発的な人気を 得 た多額の広告収入が入り会社は急成長を 遂げ た当然俺の社長としての収入も莫大になり もう節約生活をしなくても良くなったのだ がそれでも妻の節約癖はなかなか治ら なかった 相変わらずスーパーで特売品や見切り品 ばかり買ってきてしそな食事を 作る俺たちはそれまで住んでいたボロ
アパートから新築の1個建てに引っ越した のだが彼女は傷や汚れがつくのが嫌だから と家中のドアのや戸棚のとっ手にカバーを つけ たしかもそのカバーは俺の着古した服を 切って作った手性のもの でクッションカバーや椅子のカバーも 同じく着古した服で作っていて色も模様も バラバラでこういう言い方はなんだが とても貧乏臭かっ た家政府を雇おうと言ってもお金が もったいないと言ってモハされ た俺は妻が作る素な食事を食るのが嫌で 部下や友人と外食をすることが多くなり 休日も友人たちと出かけ夜はホテルに 泊まることも多くだんだん家に寄りつか なくなってしまっ た念願だった海外旅行にも友人と行っ た妻と一緒に行くとケチなことばかり言わ れて気分よく過ごせないから だサツキは元々貧しい家庭で育ったので 経済的に余裕ができた今でもその感覚が どうしても抜けないみたいだっ ただけどせっかくお金があるのに切り詰め た生活をするのは耐えられ ないそれでは一体何のために今まで苦労し て経営者になったのかわから ない1度しかない人生なんだから節約 なんてしないで美味しいものをたくさん 食べて好きなことをして過ごし たい本当ならそれを愛する妻と一緒にでき たら良かったんだけれど俺とさつきとでは 金銭感覚が違いすぎるの [音楽] だ今まで何度も話し合い喧嘩もしたけれど さつきは変わらなかっ [音楽] た結局家には着替えを取りに帰るぐらいに なってしまっ たサツキとは顔も合わせず言葉もかわさ ないような日々が続き俺たちは離婚し た離婚を切り出したのはさつきの方から だっ た私たちこんなんじゃ夫婦とは言えない からもう終わりにし ましょうそう言って離婚届を突き出してき 来たの だすれ違ってしまった心そして深くなった 溝はもう元には戻せなかっ たそうして俺は離婚を承諾し た離婚届けに班を押した時はどこか すっきりしたような気分だった がそれから数日経つと心にぽっかりと穴が 開いたような寂しさを感じるようになっ た俺は失って初めて妻の大切さを実感し
た金銭感覚は合わなくてもやはり彼女を 愛していたの だ家庭を帰り見ず外で遊び回ってばかりで 妻に寂しい思いをさせてしまったことを 激しく後悔し たそんな時 とんでもない窮地に陥ることに なる共同経営者の他所が突然会社の金を 横領し海外へ逃亡したの だ彼は多額の金を海外の銀行に送金し渡航 先で引き出したようなのだがその後の 足取りがつめず警察が捜索を続けて いるそのせいで会社は借金が支払えなく なり従業員にも給料が払えずついには倒産 に追い込まれてしまっ た大学時代からの付き合いで一緒に夢を 追いかけてきた他所に裏切られたショック は大きかっ たそれに加えてさらに会社の 倒産けれど落ち込んでいる余裕などなかっ た 借金を返すために自分の貯金を使いさらに 自宅を売り払うなければならなかっ た家を出てから数日間はカプセルホテルで 寝泊まりし友人や知人に片っ端から連絡を して仕事を紹介してくれるよう頼んでみ ただが友人たちは無職で一問なしになった と知った途端手のを返したようにころりと 態度を変えて冷たくなっ たみんな俺の気前の良さだけが目当てで 付き合っていたの [音楽] だ仕事を世話してくれる人も金を貸して くれる人もいなくてわずかな持ち金はあっ という間になくなっ た携帯電話も料金が払えなくなり解約し たそして仕方なく日雇い労働を始め たしかし同じような境遇の日雇い労働者は 多くて仕事が回ってこない日も多々あっ た日仕事を希望するものは決められた時刻 に集合場所に集まるのだが採用は集まった 人の中から担当者が無作意に選ぶの だロっとした貧弱そうな体格のものや不潔 っぽい格好をしているものは落とされて しまうようだっ たそれを早い段階で見抜いたのでできる だけ毎日戦闘に行き髪を洗い髭も剃り汚れ た服はコインランドリーで洗濯するように してい たそれでも雨の日などの天候の悪い日は 仕事自体がなくなってしまう 梅雨時に入ると仕事にありつけない日も 増え たそうしてだんだん手持ちの金も減って いき戦闘に行く回数も減らさざるを負え
なくなっ た毎日毎日持ち金がそこを尽きたらどう しようという不安に押しつぶされそうに なりながら生きてい た病気になっても金もないから病院へ行け ないのだと思うと不安でたまら ないただ生きていくことがこんなに大変だ なんて知らなかっ た梅雨が過ぎ夏の間は宿台を節約するため に公園で寝泊まりすることも増え [音楽] た真夏の強烈な日差しを避けるために リサイクルショップで簡易型のテントを 買った 家がないので自炊はできないから食べ物は スーパーの惣菜や弁当が半額になる タイミングを狙って買いに行っ た秋が過ぎ冬になると寒さが厳しくなり 寝袋を買ったがそれでもそびえがひどくて 公園で寝泊まりするのが難しくなって いくそこで雪の降りそう寒い夜には なるべく簡易宿泊施設に 泊まり温かい食事にありつくために 炊き出しに並ん だ炊き出しはカレーや豚汁などを無料で 食べられるのでとても助かって いる冬は特に温かい汁物は冷え切った体に 染み渡るよう だプラスチックのカップに入ったをすすっ ているとカップを渡してくれたスタッフが 突然俺に声をかけてき たあれもしかして水戸さんですよね僕の こと覚えてます かその人は60代ぐらいの白髪まじりの 男性だっ たその顔をまじまじと見つめ た あなたはもしかしてあの時 の彼と俺が出会ったのは15年ほど前の こと だ当時はまだ会社を設立する前でごく普通 の会社員だっ たその日は歯車に行くために残業なしで 定時に会社を出 たそして線路の踏切りを渡したちょうど 警報がなり始めて遮断機が降り た特急電車が線路を走り近づいて くるその 時なんと俺の前に立っていた中年の男が 突然遮断機の下をくぐり踏切りの中へ入っ ていったの だ 危ない俺はとっさにそう叫んで遮断機を くぐりその男性を後ろからはじめにして 引き寄せ
たその瞬間目の前をもうスピードで電車が 通りすぎていっ た何やってるんですか危ないじゃないです か俺は彼にそう怒なっ たすると彼はか細い声でつぶやくように 言った なんで邪魔するんだよほっといてくれれば よかったの になんでこんなことしたんですかよければ 話を聞きます から彼をすぐ近くの喫茶店へ連れて行っ た放っておけばまた同じことをするのでは ないかと思うとこのまま立ち去るきには なれなかったの だ店に入る前に彼は申し訳なさそうに言っ たお金持ってないんだ けどいいですよ奢りますから好きなものを 頼んで ください食べ物でもいいですかもう2日も 何も食べてなく て構いませんよ遠慮しないで ください彼はスパゲッティを注文し 俺はコーヒーを頼ん だそれから彼の身の上話を聞い た彼の名前はすわさんと言っ たすわさんはギャンブルにのめり込んで 消費者金融で借入れを重ねるうちに借金が 300万円に 膨れ上がり毎月の返済が追いつかなくなっ てしまったそう だそんな状態になってもまだギャンブルが やめられずそんな自分が嫌になり生活も 苦しくなってもう生きることを諦めたのだ そう だギャンブルに依存するのは心の病気なの で治療すれば治るって聞いたことがあり ます よ俺がそう言うとすさん はえそうなんです かとから鱗が落ちたような顔をしてい たそうですよそれに消費者金融で借りた 借金もどうしても返済ができない状況で あれば自己破産がありますそうすれば返済 しなくて済みますよ弁護士事務所で アシスタントをしている友人がいるので 紹介しますね手数料も分割で払えるみたい ですから安心して ください俺は大学時代の友人で弁護士事務 所で働いている田中に連絡を取り諏訪さん に紹介し たそれ以来諏訪さんには会っていなかった が田中から自己破産が確定して手数料も 分割で滞りなく支払ってもらっていると 聞いてい たあの時は本当にどうもありがとうござい
ました当時は無知で何も知らなかっもです から色々教えていただき弁護士事務所まで 紹介していただいて本当に助かりまし たおよそ15年ぶりにあった諏訪さんは そう言って俺に頭を下げ たそれから彼 はあそうだあの時ご馳走していただいた スパゲッティの代金をお返しします と言って財布の中から000円札を 抜き取り差し出し たすわさんは数年前からホームレスの自立 支援をする団体でボランティアをしている そう だこの日はちょうど炊き出しの手伝いで来 ていた らしいそれにしても水戸さんはどうして 炊き出し に そう問われて俺は自分の身の上を話し たつわさんは真味になって俺の話を聞いて くれ たそうでしたかそんなことがあったとは 大変でした ね今の生活から抜け出すにはまずは家を 借りることが第一です ね住所不定だと生活保護が受けられません し 定食にもつきにくいですから ね諏訪さんはそう言っ たでも家を借りられるようなまとまった金 はないん ですそれなら心配りませんよ僕たちがやっ ている自立支援事業の中に住居確保のため の援助があって就職活動をすることを条件 に最大3ヶ月まで家賃相当学を給付して もらえます からえそんなのがあるんです かその日早速諏訪さんは支援センターに 連れて行ってくれて給付金の申請手続きを してくれ たそれから不動産屋を何元もはしごして なるべく安いアパートを探し たこうして 諏訪さんのおかげでホームレス生活から 脱却し居住地を持つことができたの だアパートに住み始めてからは国の支援を 受けて正社員の仕事を探し たそんなある日のことだっ たとあるIT関係の会社に面接に行き面接 会場の会議室で担当者を待っていた 失礼し ますノックの後にドアが開いて聞き覚えの ある女性の声がし たドアの方を見るとそこにいたのはなんと 別れた妻さつきだっ
た さつききやすどうし て俺は会社が倒産したことを彼女に話し た彼女は離婚してからすぐに転職して今は この会社で企画の仕事をしているそう だ話しながら彼女の手元を見ると彼女の 左手の薬指に指輪はなかっ たさつき久しぶりに会ったんだし今夜飲み にでも行かない かい誘ってみ たすると彼女はいいわよと言ってくれ たその夜仕事を終えた彼女と待ち合わせを して安さが売りのチェー店の居酒屋に入っ [音楽] たすまないなこんな店で今手持ちがあまり なくて贅沢はできないん だいいのよ私このお店大きだ から彼女はニコっと微笑んだそういえば 彼女は安いものが大好きだったなと 思い出し た今でも変わっていないんだ なさつき再婚はしていないの かテーブルを挟んで向い合って座り290 のレモンサワーを飲みなさきに尋ね た ええあなたと別れてからずっと1人よ あなた [音楽] は俺もずっと1人 [音楽] だそう言うと彼女は少し考え込んでから口 を開い た今夜さん私ねずっと後悔していたの あなたと一緒だった時ケチなことばかりし ていて申し訳なかったと思ってる わあなたがせっかく夢を叶えて社長になっ たのに贅沢な暮らしをさせてあげられなく て本当にごめん なさいいや俺の方こそお前を1人にして外 で遊んでばかりで済まなかったと思っ てる彼女の目をまっすぐに見つめていっ たあのさもう一度やり直せないか なすると彼女はゆっくりと頷い た私も同じことを言おうと思ってた わその日から俺たちの付き合いが始まっ たその後彼女の会社に採用され 企画部に入り彼女の下で働くことになり それから半年後俺とさつきは再び席を入れ 一緒に住むようになっ た彼女はもう極端にケチなことばかり言っ たりやったりはしなくなってい た2人分の稼ぎで生活には余裕がある し俺の意見をちゃんと聞いてくれている それに自分もホームレス生活を経験した おかげで節約精神が身についたので前より
も彼女と価値観が合うようになってい たお互いが相手に歩み寄った結果俺たちは うまくいくようになったの だあの辛いホームレス生活も勉強になった のだと思う これからもお互いに相手の気持ちを尊重し ながら仲良く暮らしていこうとそう思って いるごめんね読者のことを考えて話を作っ てるのは分かるんだけど自分の絵はすごい んだぞっていうアピールしか伝わってこ ないん だ漫画を込んだ出版者で担当編集者に そんなことを言われ た寝る暇を惜しんで頑張って書いた作品を どうしてそんな風に言われないといけない のだろう か持ち込む出版社の雑誌にだってちゃんと 目は通して読者の傾向も捉えて いるデさんの勉強もずっとやってき た誰にも書けない漫画が自分には書ける はずなのに俺の漫画の魅力は絵だけって ことです か編集者はその言葉に困ったような顔を する俺の絵を認めろて君の心の声が漫画 から聞こえてくるそれは別にあってもいい 自分の漫画に自信を持つことは大切だ からでも伝えたいものが見えてこないんだ よ簡単に言っちゃうとテーマが分かり づらいテーマが分かりづらいっ て小回りはすっきりしてるし作画もすごく うまいと思う よでもストーリーが ね伝えたいことがはっきりしてなくて きついことを言って申し訳ないんだけど まだまだ勉強が必要だと思う よ編集者の言葉を聞いてショックを覚えた その言葉はお世話になっている漫画家の 先生からも言われている言葉なの だだからこそ人1倍努力してるのに何が いけないの だろう暗い気持ちで編集部を後にし とぼとぼとキロについた [音楽] はあおい早くペン入れしてくれ よ俺の名前は秋田 たる漫画家のアシスタントとして先生の元 で働きながらプロデビューを目指している ああだめだ一体どうやったらいい ストーリーが書けるようになるん だたる君また煮詰まっちゃってる ねペン入れを最速していた先生が苦笑い する先生が俺の作品を認めてくれないから ですよ どうやったら面白いストーリーって書ける んでしょうか毎日考えてるのに一向に
浮かんできませ ん うーんそうだ なあそもそもたる君は漫画で何を伝えたい のまずはそこをはっきりさせなくちゃ読者 の人に良さが伝わらない よそんなこと言われて も自分ではそれなりにいいストーリーを 作っていると思っているのだが何が悪いん だろう か自分の漫画で悩むのはいいけど俺の仕事 に集中し てすみません ああ仕方ないなあそこに行って息抜きでも しよう か あそこたる君はまだ行ったことないよねお すめの漫画喫茶があるんだ漫画で悩んでる ならあそこがうってつけだよ絶対にいい アイデアを教えて くれる先生とやってきたのは漫画喫茶には 見えないレトロな喫茶店といった不全の店 だっ たここ本当に漫画喫茶なんです かほら奥の部屋の壁を見てみ なさいうわ すごい その光景に驚い た壁には大きな棚があり膨大な量の漫画が 収められているの だおい帰った ぞもうお父さん帰ってくる時は事前に連絡 してって言ったわよ ね店の奥から若い女性が姿を 表す彼女を見て思わずあっと声が出 だ先生の娘さんだとすぐに分かったから だ先生は奥さんを病気で早くになくされ娘 さんを1人で育ててき たそのため2人はとても仲がいい らしく先生は職場でよく話を聞かせてくれ た職場に使っているアパートの部屋にもツ ショットの写真が飾られている その写真で顔を知っていたの だあのここって先生が経営されてる漫画 喫茶なんですかそんなこと一言も聞いて なかったから驚きました よ経営者は私なんです初めまして磯の望み と言いますきっとあなたがよく話に聞く たる君ですよ ね彼女はニと笑 刃が特徴的だあはい秋田たると言います話 って先生から何か聞いてるんです か父がアシスタントの子がいつも煮詰まっ てるってよく話しているのでああそれでな 望みに頼みがあるんだたる君の原稿を見て
やってくれない か私が 俺だってお前のおかげでデビューできた じゃないかお前の分際は素晴らしいと思う んだえどういうことです か実は俺を漫画化デビューさせてくれたの は望みなんだよえそうなんです かあれはお父さんが面白い漫画を描いてた から応募してみたらって冗談で言っただけ よそしたら本当に最優秀書を取ったから びっっくりしちゃっ たのぞみさんが嬉しそうに笑っ ただからたる君ものぞみに漫画を見て もらってアドバイスをもらったら何か 気づくことがあると思ったんだよお願い できないか うーんそう ねあの俺の漫画も見てくれませんか よろしくお願いします そう言って現行の入っている封筒を 差し出し たわかりました私は厳しいわよ なんて彼女は原稿を受け取り中を覗いて いるはい大丈夫 です奥で読んでくるから好きな漫画でも見 ててください20分ぐらいで戻ってくるの で彼女は再びの奥へと戻って いく大丈夫ですかね大丈夫さあいつは鬼の ように厳しいがちゃんと読者目線で意見を 言ってくれる よ肩をバシバシと叩き先生が豪快に 笑うあの絵はいいんだけどこの漫画って何 を伝えたいの かしらいまいちそれが分かりづらいという か やっぱりそうなんですかね先生にも同じ ことを言われまし たなんだろうぼやっとしてるのよねだから 何を伝えたいのかよくわからないわ絵は 本当に綺麗だし迫力もあるんだ けどうーんイラストレーターの方が向い てるんじゃないのかななんて冗談だけど な いやですよイラストレーターじゃ意味ない ん ですいや視点を変えるってのも1つの方法 だ別に漫画家にこだわらなくてもイラスト にだってストーリーは込められる だろうそれはそうです けど先生の問いかけに言葉が出てこない そういえばそもそも自分が漫画家になり たい理由ってんだった だろう基礎からストーリーの作り方を 学び直した方がいいんじゃないかな人って 物事になれると自分のやり方でやっちゃう
癖があるしそういうのって気がつかなかっ たりする しまずは気象凍結についていい構成が できるように1から考え直した方がいいか もしれない ねなんだか随分詳しいです ね私これでも小説家をずっとやってたから まあ名前ばかりで廃業しちゃった けどのぞみさんはくりと 笑う今は小説を書いてないんです か書いてないのよここの仕事が忙しいし ね彼女の顔はどこか寂しそうに見えたあの 突然こんなこと言うのもあれなんですけど 今日からここで原稿を書いてもいい でしょうか えいいけどリモートワークのお客様も結構 来るから話し声も聞こえるけど大丈夫か なそれに私も仕事中は正しいから アドバイスできないけどそれでも いいはいいつもはファミレスで書いてるん ですが店員さんの目が気になるんですよ ねそれにここで作業させてもらった方が 集中できると思うん ですえっとお家は実はたる君は家がなくて ね今は職場に寝泊まりしてるから問題ない んだけど職場にはいつも俺がいるから自分 の原稿が書きづらいんだよ な元ホームレスみたいなもんでしてえ何が あった の東京に出てきててしばらく働いてい たら急に派遣切りにあってしまいまし てそれで家賃が払えなくなって インターネットカフェを渡り歩いてたん ですお約束のコースです よ彼女はその言葉を聞いてこんなことを 提案してきたそれだったらおさんの部屋で 作業したらいいんじゃ ない前は漫画を描く時に使ってたんだけど 最近はお父さんも滅多に戻ってこないから ああそうだなたる君だったら俺の部屋使っ てもいい よ先生も笑って部屋を使うことを了承して くれこうして先生の家で漫画の執筆をする ことになったの だそれからのぞみさんが経営する漫画喫茶 や先生の部屋で漫画を書き続けた ストーリーも読書をする中でどんどん知識 をつけて いき読者への伝わりやすさや何を伝えたい かを意識して作品を作り上げ た前よりかは良くなってるんだけどまだ 読者に伝わりにくいかな うだいぶいいと思う よのぞみさん曰く漫画は上達している らしい
でもまだストーリーに訴えかけるものが 弱くそこが気になると いう小説でもよくあるんだ けどなんて言うかうまいんだけど記憶に 残らない物語っていうのか ななんだかそういう感じと同じ印象を受け てしまうという かなるほど パンチが弱いってことです ねそうだね印象的な始まりとか読者の想像 を超える終わり方とか冒険してもいいと 思うん だそうしないとせっかくの綺麗な絵が もったいないと 思う冒険 か基礎はできてるから自分の伝えたいもの がどうやったらストレートに伝わるのか まずは考えてみ てそれが終わったらその書きたいものと 読者の要望をどうやって合わせていくかだ よね うーんなかなか難しいです ねそうね大変だけど自分の書きたいものと 読者の要望が大きくずれてるといい作品 だって評価されても売れないから ねのぞみさんの顔がすっと哀愁を 帯びるそんな彼女に問いかけていた もしかしてそれがのぞみさんの小説を書か なくなった理由ですかうんそうもっと書き 続けるべきだったとは思ってるんだ けどだったらまた書きましょうよのぞみ さんの作品すごく読んでみたい ですたる君同じクリエイターとしてあなた の作品に興味があるんです よ ありがとうそうくれるとすごく嬉しいよ私 も頑張ってみようかななんだか勇気が出て き たのぞみさんの笑顔にこちらも嬉しい 気持ちに なるそれから彼女も小説の執筆を再開する ことになり自分たちの作品をその度に 読み合いお互いに意見をかわし合うように なっ た確かにこれは最近の若者に受けるかって 言うと微妙なテーマですね流行りの作品を 読み込んだ方がいいか も最近の流行りってどうも苦手でね得意 じゃないのよ ねそれだったら自分に会うジャンルを探し てみるのはどうですかそれなら自分と価値 観の合う読者が作品を読んでる可能性も あります しなるほど視野を広げてみるのもいいかも しれないわ
ねのぞみさんは納得した様子で頷い た彼女の小説は 面白いでも学的な要素が強く一般文芸に 向いている作品なのではと思ったの だ初心を思い出して私も公募に再挑戦して みようか なそれいいですね俺も持ち込みで頑張ら ないとな のぞみさんと顔を見合わせて微笑ん だちょっとちょっと2人だけ盛り上がって 俺のことは無視か いその時不満そうに先生が話しかけてき た先生はもうゴール地点を過ぎてプロに なったんですからいいじゃないです かお父さんは今の状態を維持するのが仕事 私たちはお父さんのいる地に行くは仕事 この違いが分かるかしら うんわからないなあ物語を作ってるのは 一緒じゃないかそこにプロもアマチュアも ないよ大切なのは何を伝えたいかそれが 伝えたい人にちゃんと伝わるか だ伝えたい人にちゃんと伝わる か先生の言葉にはっした昔も先生に同じ ようなことを言われたの だ俺の仕事はな伝えたいメッセージを伝え たい人に届けるためにあるん だ先生はそんなことを言ってい たその言葉を聞いた時ピンと来たの だ自分の中にある世界や考えを人々に伝え たい と俺いい作品をかける気がしきました次の 作品のテーマが見つかったか い思い出したんです漫画を書きたい理由 を先生に笑いかけ先生の部屋がある2階へ と駆け上がっていたあたる 君のぞみさんが呼び止めてくるが足は 止まらなかっ たかけるぞ今度こそ納得の行くもがかける 迷わずプロットを書き数時間でネームを 仕上げ た絶対にこの作品をたくさんの人に届け たいよしこれで次の賞を狙う ぞ 書き上げてもらうべくウキウキとした 気持ちで1階へと降りていっ たそれから数ヶ月 後おめでとうございます 自分ではなくのぞみさんが賞を取ってい たちなみに俺の作品は落選した残念なこと に受賞には至らなかったがでも今回の経験 でかことした手応えを感じて いる次は絶対に入所目指さないと ねもちろんです絶対にプロになって見せ ます よにっこり笑う彼女に俺も微笑みを向けた
それからも負けずに作品を書き続け編集部 に持ち込ん だその中の1つの作品が評価され対象を 取ることができついに自分は漫画家 デビューを果たしたのだそのことを先生と のぞみさんにすぐに報告すると2人とも とても喜んでくれて 祝賀会をあげることになっ たおめでとう ありがとうござい ます3人でお酒の入った女気を持って盛大 に乾杯 するついにたる君も漫画化デビューだな こされないように俺も頑張らないと なそんな先生には遠く及ばないですよこれ からもずっと自分の目標ですからそう言っ てくれると漫画家明理に尽きる よ先生は嬉しそうな表情でグラスを口に 運ん だ自分たちの会話をのぞみさんはニコニコ とした表情で聞いてい たのぞみも小説家として頑張っているしな 本屋でお前の小説を見た時は泣きそうに なったよ俺もくなったもん だ お父さん ありがとうしみじみという先生にのぞみ さんは泣きそうな表情を する彼女が賞を取った小説はその後書籍化 されテレビ番組でも取り上げられるなど 話題になって いるのぞみさんはお昼のニュースで インタビューもされてそのニュースを先生 の職場で一緒に見てい たこれから2人が1人前になったらコラボ なんかもできるんじゃない かそれいいですねと言っても俺はまだまだ なんです けどでもたける君の漫画とても面白かった わよ持ち込む前に見せてもらった時これは 絶対にシを取れるって思った ものありがとうございますお2人のおかげ ですよ自分だけだったらここまでできてい ませ ん確かに私たちのアドバイスを参考にして 良くなった部分もあったとは思うのだけど でも1番はたる君が努力した結果だと思う わそうだな俺たちのアドバイスを作品に どう生かすかはたる君次第 だ特に俺は1番近くでたる君の努力を見て いる君の頑張りが身を結んだんだ よ2人の言葉に胸が熱くなり思わず泣き そうになってしまっ たそれからも先生とのぞみさんのご行為で 安定した収入が入るまでは先生のところに
居ろをさせてもらい日々漫画の制作にいし ん だを撮った漫画は読み切りで雑誌に掲載さ れ新しく書いた他の作品ととに単行本化さ れ たそして話題の新人と書店でも売上が好調 でついに短期連載も決まったの だそんな矢先勝を入れるためにお世話に なった先生の部屋を出て1人暮らしをする ことに決めた 先生今までありがとうございまし た色々お世話になって本当に感謝してい ます連載おめでとうこれからも 頑張れよ1人で寂しくなったらいつでも来 ていいから漫画喫茶にはいつも望みもいる からたまに顔を見せてやってくれあいつも 喜ぶと 思う はい先生は笑顔で肩を叩いて送ってくれ た自分の夢はまだ始まったばかりだけれど この第1歩をしっかりと踏みしめてこれ からも突き進んでいこうと [音楽] 思う
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感動デイズの女性のナレーション 聞きやすいし心地よい