【精神科】自責の念に駆られる精神疾患4つ【精神科医が12分で説明】うつ病|双極性障害|アルコール依存症|境界性パーソナリティ障害
0:00 (1)はじめに
0:21 (2)自責の2つの意味とその対策
4:15 (3)自責の念に駆られる精神疾患4つ
4:23 ①うつ病
5:41 ②双極性障害
7:33 ③アルコール依存症
9:12 ④境界性パーソナリティ障害
11:10 (4)まとめ
自分で責任を負っていく自発的な「自責」は道徳的に望まれる一方、「させられる」形で自分で自分を攻撃してしまう「自責」は精神不調につながり注意が必要です。そして、うつ病や双極性障害など、精神疾患の症状として、自分を攻撃する「過度の自責の念に駆られる」場合があります。
「自責の念に駆られる精神疾患4つ」について、精神科医が12分でまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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(1)はじめに
自分で責任を負う気概は大切ですが、それが行き過ぎると精神的な苦痛を伴うことがあります。特に、精神疾患を抱えている場合、強い自責の念に駆られることが少なくありません。本稿では、自責の念と密接に関連する4つの精神疾患について解説していきます。
(2)自責の2つの意味とその対策
自責とは、自分や周囲の出来事に対して自分に責任があると考えることです。道徳的な意味や他者への影響の観点では望ましい面もありますが、行き過ぎたり無意識的に行われたりすると、むしろ悪影響が目立つようになります。
自責には、以下の2つの異なる意味があります:
1. 自分で責任を負う
– 失敗を含めて、出来事を自分で受け止め、今後に活かしていく姿勢
– 自分の意思で決めているという点が重要
– 精神医学的には概ね問題なく、むしろ望ましい態度
2. 自分で自分を攻撃する
– 本来関係のないことまで自分の責任だと考え、自分を責める
– 無意識や義務感から行われる
– うつ病などで発生しやすく、自分にストレスをかけて悪循環を生む
自分を攻撃する自責への対策
1. 原因となる精神疾患の治療
– 過度の自責は多くの場合、うつ病などの精神疾患から生じる
– まずは原因となる疾患の治療を優先する
2. 状況と責任の所在を客観的に把握
– 第三者の視点で状況の全体像を見る
– 客観的な責任の所在を確認
– 状況の見方に偏りがある場合は、別の視点を探る
3. 自分で行動を選択する
– 客観的な状況を踏まえた上で、出来事への対応を自分の意思で決める
– 原則として「反省としての自責」か「どちらも責めない」という選択を
(3)自責の念に駆られる精神疾患4つ
①うつ病
うつ病は、落ち込みなどの症状が続く脳の不調で、主にセロトニンの不足が背景にあるとされています。うつ症状により思考パターンが変化し、過度に自分を責めてしまう傾向が現れます。
特徴
– 罪悪感とともに過度の自責が目立つ
– 本来関係のないことまで自分と関連付けて責める
– うつ病発症前から過度の自責傾向がある場合も
対策
– 抗うつ薬などによるうつ病治療が基本
– 自責のサイクルに気づいたら別の活動に切り替える
– うつ病改善後も自責が続く場合は、別の視点を探る習慣をつける
②双極性障害
双極性障害(躁うつ病)は、うつと躁を周期的に繰り返す精神疾患です。強い躁状態が目立つⅠ型と、うつ病と見分けにくいⅡ型があります。
特徴
1. うつ症状に伴う自責
– うつ病と同様の過度の自責が発生
– 躁状態になると自責も消失
– 双極Ⅱ型では長期間続くことも
2. 躁状態への後悔による自責
– 躁状態から回復後、その時の言動を後悔
– 躁状態を繰り返すほど後悔と自責が深まる
– 慢性的な自己否定につながる可能性
対策
– 双極性障害の治療を優先
– 躁状態は対策しても起こりうる症状と認識
– 可能な対策は確実に実施し、よりどころとする
③アルコール依存症
アルコール依存症は、脳レベルでも変化が起きる精神疾患で、身体・精神面の双方に依存が生じます。生活面が崩れ、身体にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
特徴
– 断酒の必要性を理解しつつも、強い渇望で多量飲酒
– 酔いが醒めた後の後悔と強い自責
– うつ病を合併し、慢性的な過度の自責に至ることも
– 依存を否認している場合は自責が生じにくい
対策
– 専門医療機関での治療が現実的
– 自責を断酒への動機づけとして活用
– うつ病合併時は並行して治療
④境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害は、感情の制御が困難なタイプのパーソナリティ障害です。素因に様々な経験が重なって発症するとされます。
特徴
– 強い感情の爆発後の後悔と自責
– 感情制御できなかった自分への自己否定
– うつ病合併による慢性的な過度の自責も
– 感情の爆発を否認する場合は自責が生じにくい
対策
– 感情コントロールの技術獲得を目指す
– 自責を向き合えているサインとして活用
– うつ病合併時は並行して治療
(4)まとめ
自責は性格的要素の他、精神疾患の症状として強く現れることがあります。主な関連疾患として、うつ病、双極性障害、アルコール依存症、境界性パーソナリティ障害の4つが挙げられます。
自発的な生き方としての自責は有効な場合もありますが、無意識に追い込まれる自責は悪影響が強くなります。そのため、関連する精神疾患の治療と考え方の調整を並行して行い、適切な対策を講じることが重要です。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
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【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。
3件のコメント
若い頃に自暴自棄から色々とやらかし親に迷惑をかけました そのことから母親が早死にしたのは自分のせいだという思いをずっと心に持っていて、そのことを誰かが気づいてしまうことがとても怖かった
動画の中でイラストの挿入が多すぎると感じます。イラストのせいでなかなか内容が頭に入ってきません。以前の落ち着いた編集のほうが私はよかったです。
関係ない事まで自分が悪いと思うのは、「対岸の火事、他山の石と思うな」って価値観も絡んでると思う。
教訓として捉えるのならともかく、「もしかしたら自分が…」と飛躍してしまうのもあり得ない事じゃない。
要するにいくら正しい事でもほどほどに考えるのがが一番。