長崎の経済展望2025 伊藤支店長「人手不足対策と観光が鍵」
2025年長崎の経済展望は?日本銀行長崎支店の伊藤真支店長(50)は、観光や半導体産業などの可能性を挙げつつ、人手不足や人口流出といった課題をどう克服するかが鍵だと語ります。長崎が打つべき次の一手とは?NBC論説委員との新春対談です。【住吉アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン今週も平家達史NBC論説委員(以下:平)とお伝えします。今回のテーマは「新春対談~日銀長崎支店長に聞く経済展望~」です。2024年6月に、日銀長崎支店長に就任した伊藤真さん(50歳)にお話をお聞きしました。長崎の観光資源日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「色んな食べ物が美味しい。いつでも旬のお魚があるというところが一番素晴らしいなという風に思っています。」
平家達史NBC論説委員:
「例えばどんなお魚が好きですか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「夏はアジをいただきました。それからヒラスも美味しいですし、秋はアラをいただいたり牡蠣をいただいたり、これからヒラメといったものが続いていくという時期だと思っています」伊藤支店長の趣味は「サイクリング」。6年前から始め、週末には長崎市の稲佐山などでトレーニングを重ねています。去年10月に開かれた伊王島・野母半島を自転車で巡る「ツール・ド・ちゃんぽん」にも参加しました。平家達史NBC論説委員:
「自転車で走られて感じられたことってございますか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「長崎はやっぱり海岸線が非常に長い。すごく綺麗な景色を(眺めながら)山がちなところを上ったり下ったり、非常に楽しいなという風に思う。上ったら必ず下りがあります。下る時には海がすごく見えるので、これは新しい観光資源なんじゃないかなという風に私は思っています」「緩やかに回復」【平】本業の一つである景気分析ですが、日銀長崎支店が先月公表した県内の金融経済概況によりますと、「長崎県の景気は緩やかに回復している」と18か月連続で判断を据え置きました。また、先月の短観=企業短期経済観測調査をみると、県内の全産業の景況感は「高水準で横ばい」という状況を続けています。回答があった県内131社のうち、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数は18となり、3か月前の前回調査からは低下しているものの、高水準を維持しているとの評価です。長崎の経済構造からは、どんな特徴が見られるのか、また長崎スタジアムシティが開業したことなどによる県内経済への影響を聞きました。日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「水産業については一次産業の中でも全国対比、かなり力が入っている分野という風に思っています。それから製造業については、足元は造船業非常に好調という状況ではありますけれども、今まで培われてきた技術産業資産を他の産業に転換していくという動きもしっかりなされているっていう風に思っていますし、それからもう1つ九州が力を入れてきた半導体産業というところについても県内行政を含めて企業誘致をされていらっしゃるということでここの構造転換が進んでいる分野だという風に認識をしています」にぎわい増す観光地日銀長崎支店が2024年12月公表した県内の金融経済概況では、観光は「増加している」と判断されています。伊藤支店長は、長崎スタジアムシティの開業や、長崎と韓国ソウルを結ぶ定期航空便の運行再開、長崎を舞台としたドラマや映画が影響しているとみています。日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「イベントであるとか、新しい施設の開業ということも起爆剤となって足元では観光が伸びているということに繋がっているんじゃないかなと。国内向けのお客さんと海外向けのお客さんと、何を求めているのか、どこまで価格を出していただけるのかというところをしっかり見極めながら差別化を図って収益に繋げていただけるということが必要かなという風に思っています」平家達史NBC論説委員:
「テレビとかそれから映画とかで(長崎が)取り上げられたりもしましたし、スタジアムシティもできましたし、そういったものの観光への効果っていうのは、どういう風にご覧になっていますか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「長崎県・長崎市は非常に魅力のある資源が多いということです。新しいイベントを継続的に打っていく形で観光を引き続き盛り上げていただくということが必要なんじゃないかなという風に思っています」都会とは違う豊かさを【住】ハード面は整ったので、ソフト面をどう継続的に整えて、受け入れ体制を整備し、観光業の盛り上がりを維持していくかは、今後の課題ですね。一方で、人手不足が深刻ですが、人手不足の面については、どのように受け止めているのでしょうか?【平】人手不足感の強まりは否めないものの、企業は賃金の引き上げを行うなど経営者が非常に努力をされているので、非常にいい環境だと受け止めているようです。加えて、最低賃金を含め、都市部との賃金格差について、どのように考えておられるのか聞きました。日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「企業の規模・立地の問題にも関係しますけれども、どういうマーケットを後ろで抱えているのかというところに依存するという風に思いますので、必ずしも(賃金の)水準感だけで競うとか、評価をするっていうことではないんだろうという風に思っています」2024年10月、県内の最低賃金は、これまでより55円引き上げられ、953円となりました。しかし、全国平均よりも102円少なく、東京とは210円もの差があります。日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「都市圏で働くということと、地方で働くということではやはり生活の質というか、生活環境も大きく違うということですので、価格賃金の金額で表せない部分も含めて働きやすいのか、生活しやすいのかということで評価をする必要があるという風に思っていますので、あまり賃金格差みたいなところを大きく取り上げない方が実は良いのではないかなという風に見ています。【平】いずれにしても、伊藤支店長は長崎の人口流出のスピードの速さを危惧されていて、「今働いている人をしっかりつなぎ留めていくことが大切」とおっしゃっていました。その一方で、「企業は、人がいなくても仕事を回せる体制を考えていく必要がある」ともおっしゃっていました。金利上昇時代【住】金利については如何でしょうか。去年7月に日本銀行が金利を引き上げたことによって、県内経済への影響は少しずつ出てきているんでしょうか?
【平】借入金利の改定については、県内の企業でも進んでいますが、
足元の資金繰りは楽であるという企業が多い印象だということです。これは企業の業況が良いということで、企業は金利の負担感について、それほど大きくは感じていないという状況なんだそうです。最後に、ことしの県内の経済の見通しや長崎が目指すべき姿について聞きました。平家達史NBC論説委員:
「今年2025年、長崎の経済の見通しはどのようにご覧になっていますでしょうか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「先行きについては、当面、足元の緩やかな回復を続けるということになろうかという風に思っています。企業部門については、業況、それから企業収益が上がっていますので、賃上げで収益を圧迫されているところはあるかもしれませんけど、その中でも設備投資あるいは人材を確保するという動きはこのあとも継続していくということだと思います」未来への戦略平家達史NBC論説委員:
「今後長崎が目指すべき姿っていうのはどういう風にお考えでしょうか?」
日本銀行 伊藤真長崎支店長:
「やはり次の手を打っていくっていうことが必要だという風に思っています。色々な課題は、経済局面社会情勢が変わる都度都度発生するものだという風に思いますけれども、今持っている自分たちのノウハウであるとか資産をどう活用していくのかっていうところをよく戦略を練って、次の展望を描いていっていただくということが必要なんじゃないかという風に思っています」【平】伊藤支店長は、国が人手不足対策に本腰を入れている『「保健医療・介護」についても、人手確保はもちろんのこと、生産性を上げて、収益や賃金をどう増やしていくのかが、長崎が考えるべき今年の最大のテーマなのではないか』と話しておられました。課題は山積していますが、ことしも県内経済が活性化していくことを願いたいと思います。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/nbc/1658029