この蝶が「黒・斑・蘇鉄・蜆/小灰」、という名をもっていることは、もう9年前になる、東村高江、で知った。どうして、そのとき、そんなところにいたのか?、については、言わない(笑)。

この蝶がとまっているのは、葉だけから判断すると、セイロンベンケイ(ベンケイソウ科)、のように見える。うちの屋上にも、キンチョウという同科の仲間が、繁茂しているが、この科の植物には、特徴的な光合成様式があって、では、その「蘊蓄」を語っておこう(笑)。
CAM型光合成(Crassulacean Acid Metabolism):ベンケイソウ科Crassulaceaeの植物に見られる様式であることから名づけられたらしい、乾燥地に対する適応。通常の植物は、昼間、気孔を開けて、二酸化炭素CO2を取り込み、これを、光合成の原料とするが、これによって、水分もまた蒸散してしまう、これを避けるべく、二酸化炭素の取り込みをもっぱら夜間に行うことにした訳だが、しかし、こうなると、光合成のサイクルを稼働させるべきエネルギー源たる、紫外線を受けることができなくなってしまう。光合成は、炭素数1(C1化合物)の、二酸化炭素CO2、という単純な構造の化合物を組み立て、炭素数6(C6化合物)の、グルコースC6H12O6、なる複雑な有機化合物を合成するという、「エントロピー減少」過程であるが、そのような過程を駆動するためには、「外部」からの多大なエネルギー供給が必要であることが、「熱力学第二法則」より導かれる、だから、この「CAM型光合成」にあっては、「C6」までの合成を、いわば、諦め、エネルギー供給のない夜間には、「C4化合物」たるオキサロ酢酸Oxaloacetic acid、HO-CO-CO-CH2-CO-OH、を経て、リンゴ酸malic acid、HO-CO-CH2-C(OH)-CO-OH、までの合成にとどめるようにしたらしい、興味深いのは、翌日の昼間、太陽光が当たるようになった時、貯蔵されていたリンゴ酸から、直接「C6化合物」へと持って行くのではなく、ふたたび、「C1化合物」たる二酸化炭素にまで、分解されてしまうらしいこと、・・・、生き物はことごとく、進化の過程で、レヴィ=ストロースが「器用仕事/ブリコラージュBricolage」と呼んだもので、やり過ごしてきたに違いないから、すでに出来上がっている光合成の過程、「カルビン回路/Calvin cycle」に適合するような変更しか加えることができなかったのだ、と想像できる訳だ。

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