400年以上続く伝統行事「おろごめ」 鹿児島・垂水市 (24/06/07 18:55)
鹿児島県垂水市の柊原地区で、400年以上続く「おろごめ」という伝統行事を取り上げます。
なんと、この行事、子どもたちが自分たちの手で掘った砂浜の穴に入り、穴から追い出し合うという行事で、見ている私もハラハラした気持ちになりました。
辺りはまだ真っ暗な午前3時半。
垂水市の柊原地区公民館に子どもたちが続々と集まってきました。
この日は柊原地区に伝わる年に1度の伝統行事、「おろごめ」が行われます。
「おろごめ」は江戸時代、武士が野生の馬を「おろ」と呼ばれる囲いの中に追い込む姿が勇敢だったことから、子どもたちにもそのように育って欲しいとの願いから続いている伝統行事で、400年以上の歴史を誇ります。
参加する児童31人は無事に行事を終えられるように、たいまつやのぼりを持って裏山に登り、神社の方角に向かって安全を祈願します。
裏山から海岸に降りてきた子どもたち。
砂浜には子どもたちが自分たちの手で掘ったという直径約3メートル、深さ1.5メートルほどの大きな穴がありました。
吉留李奈リポーター
「砂浜に作られたこちらの大きな穴。なんとこの中に子どもたちが入って、激しい戦いが繰り広げられるということです」
子どもたちが親役と子役に分かれ、お互いに穴から追い出し合うという「おろごめ」。
私も初めて見る「おろごめ」がどんな様子なのか、開始前の子どもたちに聞いてみました。
吉留リポーター
「戦いは激しい?」
女の子
「うん、激しい。足を引っ張られるから。めっちゃ痛くて。持ち上げられるから。こわい、泣きそう」
男の子はまわしを巻いて準備を進めます。
5年生
「緊張はするけど、頑張って子頭(子役)を放り出したい」
初めておろごめを経験する1年生の男の子は、ある作戦を練ってきたようです。
どんな作戦かこっそり教えてくれました。
1年生
「こういって、こういって、その繰り返し!頑張ります!」
午前5時半ごろ、いよいよ「おろごめ」が始まりました。
穴の中で激しく追い出し合う子どもたち。
見守る大人や子どもたちからも歓声がやみません。
砂まみれになりながら、仲間どうし助け合って取り組む姿に、私も自然と応援の言葉が出ます。
さきほど、こっそり作戦を教えてくれた男の子は・・・
残念、なすすべもなく、穴の外へ追い出されてしまいました。
それでも「おろごめ」は2024年も大きなけがもなく無事に終了しました。
地域に根付いた伝統を受け継ぎ、「おろごめ」を終えた子どもたちの表情は、男の子も女の子も関係なく、一段とたくましくなったように感じました。
6年生の女の子
「おろ(穴)を掘るのも楽しかったし、みんなとできてよかった」
6年生の男の子
Q.女の子たちはどうだった?
「強かったです」
「(最後だったが)自分ができることはできたのでよかった。」
Q.まだしてみたい?
「はい」
柊原子ども育成会・黒川皓司会長
「私も小さい頃、経験しました。子供たちも生き生きして戦っていたので、
私も思い出した。頑張ってくれたと思う」
「400年続く伝統行事、これからも継続していきたい」
この「おろごめ」は数十年前は集落ごとに穴が掘って行っていたり、以前は女の子は参加していなかったということですが、時代とともに柔軟に形を変えながら今に続いているそうです。