練馬区内を走行する「泉3me8」バス。利用者は少なくないのに、この3月で完全廃止となる理由とは?(筆者撮影)

練馬区内を走行する「泉3me8」バス。利用者は少なくないのに、この3月で完全廃止となる理由とは?(筆者撮影)

23区内ながら「最寄り駅は2km先」、駅方面のバスは乗客でぎっしり。そんなバス路線「38系統」が、2025年3月をもって完全廃止となる。 理由は、運転手不足と「代替車両がない」こと。狭い宅地で小回りが利くバス車両「日野・リエッセ」が生産終了から十数年経ち、他の車種では運行が難しいことから、廃止に至ったという。 こういった事例は他地域でもある。現在の小型バスの主流「ポンチョ」には、なぜ性能が引き継がれなかったのか?  また、西武バスと同様に「リエッセ不足」に悩むバス会社の事情を探ってみよう。

■結構混雑しているのに! 練馬区「泉38」バス廃止の事情  練馬区三原台・大泉町・大泉学園町は高度成長期に一気に宅地化が進み、いまも2万人程度の人々が沿線に住む。西武バス「泉38」系統はそんな住宅街を走り抜け、埼玉県朝霞市との都県境が近い長久保地区から西武池袋線・大泉学園駅までを、20分少々で結ぶ。  沿線の道幅は高度成長期とさして変わらず、クネクネとして見通しも悪い。かつ、クルマの通行量もそれなりにあり、自転車・徒歩での移動もはばかられる。そんな地域の人々の生活移動の足として、泉38は何かと重宝されてきた。

 そんな泉38は、西武バスに伺ったところ「小型バス『リエッセ』5台で運行している」という。しかしリエッセは2011年に生産中止となっており、中古で購入できたとしても、それは「少なくとも14年モノ」。  そこまでして路線を存続させるはなく、西武バスも「老朽化した車両の代替問題」を、路線廃止の一因として挙げている。  いま小型バス車両といえば、2006年の大幅モデルチェンジから一挙に定着した「ポンチョ」が主流だ。

 なぜ、泉38はポンチョではなく、リエッセでないと運行できないのか?  代替できない要因は「狭い路地での小回り性能」「乗客の収容能力」だ。 ■小型バスでも意外と違う! 「リエッセ」と「ポンチョ」の差とは  狭い住宅街でのバス運行に欠かせない「小回り性能」に関わる数値を、リエッセ・ポンチョの2車種で比較してみよう。 @リエッセ ホイールベース(車軸間の距離) 3550mm 最小回転半径 5.8m @ポンチョ ホイールベース 4825mm 最小回転半径 7.7m

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