【VERYに掲載された家(前編)】人気ブランド「yori」のデザイナー・外村久美子さんのご自宅公開!▶間口のない土地には思い切った発想を《ルームツアー | 新築一戸建てvol.15》注文住宅

私の本業ど真ん中である住宅設計「新築一戸建てvol.15(前編)」のお話しです。

【物件データ】

所在地:大阪府大阪市

敷地面積:28.95坪(95.71㎡)
延床面積:60.36坪(199.57㎡)※インナーガレージ込
建ぺい率:80%
容積率:400%

今回の動画は、VERYの人気連載『「遊びにおいでよ」が似合う家』2022年11月号に掲載された、人気ブランド「yori」のデザイナー・外村久美子さんのお家です。

私と外村さんとは、家族ぐるみで以前から交流がありましたので、ご長男が小学校に入るタイミングで家造りの話が出た外村家から建築の依頼を受けました。

親御さんが所有されていた大阪市の土地に、4、5年前に建築がスタート。

ビルやマンションが立ち並ぶ防火エリアで、コンクリート造の住宅が一般的ですね。
しかし私は、人が暮らす住宅には木造が良いという考えなので、その思いを伝えると「じゃ、木造で」となりました。
いわゆる60分耐火が求められる大阪市のエリアで、木造(2×4工法)で建築をした最初の事例かと思われます。

通常の2×4とは違い、石膏ボードを内外2枚張り、ダウンライトも一つ一つBOX状の構造体に入った形状にする等々を施し、建物全体を耐火構造物に仕上げていきました。
いや〜大変な設計、建築でした。
なかなか下りてこない建築確認にやきもきしましたが、なんとか着工がスタートした思い出深いお家となりましたね。

外村さんご家族が2階建てのように暮らせる、工夫と仕掛けに溢れた3階建て住宅を設計。

これは以前、大阪市内でニューヨークのアパートメントを彷彿する分譲住宅をデザインした「リュクス・ジ・アパートメント」が原案となっています。

仕掛けは、18〜20坪程の土地に「2階に玄関」を設計したこと。

1階部分にインナーガレージ1台。

2階までアイアンの外階段で上がり、玄関を開けると広々としたKDLが現れます。

家族の中心に位置するKDLから、地下室へ行く感覚で階段を下りた1階には子供部屋が2室+洗面台。

逆にKDLから2階に上がる感覚で3階へ上がると、主寝室と洗面室、お風呂といった間取りです。
ご帰宅されて最初に外階段で2階へ上がって玄関なので、入ってしまえばKDLを1階のように感じて暮らすことが出来、そこから上下に居室を振り分けることで、家族全員が2階建てに住んでいるように感じて暮らすことができるということです。
ぶっちゃけ、「もう2度と建てたくない」と思ったほど、設計・建築繊細な配慮が必要な、まさに命を削る思いのプランニングでした。

外村邸には、車2台の駐車スペースが必要でしたので、縦2台のオーバースライダー付きインナーガレージを。
そのガレージスペースから階段をとり(階段下に自転車スペース)、リュクスと同じように2階に玄関を設けました。

地下室のような1階には5、6帖の子供部屋2室。
ここもリュクスと同じくお子様用の洗面も設置。

左右色違いのカーテンを双方のお部屋にコーディネートしました。

壁面の1面にはマグネットペンキで仕上げました。

玄関には、いつものミラー付き玄関収納1.6mを、2.8mに変更。
デカい!笑
中にはダイソンも格納されています。

床はシチスのドームズ 221 フラックスを白目地で可愛く。

ブランド:SICIS | シチス
商品番号:MKKP-2527GMD221F-16
商品名:ネオグラス ドームズ 221 フラックス
https://store.toyokitchen.co.jp/item/469.html

スライドドアを開けると照明が灯り、ホールクロークを設置。
床には30cm x 60cmの美しいグレー色タイル(平田タイル:BRM3060D)。

こだわったのは、各階で異なる床の素材。
家にいる時はほぼ素足とのことでしたので、子どもたちが飽きないことと感性を刺激することをイメージしました。
「1階はフローリング、2階はタイル、3階はカーペット」と、フロアごとに床材をチェンジ。
足裏を通して感じる感触がフロアによって変化があり、家にいてもワクワクするような感覚を大事にしました。

2階のトイレには平田タイルのアクアピア、トーヨーキッチンの水栓「フォーセット002」。

コーニス照明、楕円ミラー、グレアレスダウンライトは1灯のみ。
これでBARのような格好いい空間となりました。
ブランド:TOYO KITCHEN STYLE | トーヨーキッチンスタイル
商品番号:SNFA-CROMO3403
商品名:フォーセット002
https://store.toyokitchen.co.jp/item/3866.html

リビングへ通じるアルミドアを開けると、このお家最大の見せ場2〜3階への吹き抜け。
間口が大きくなく、幹線道路沿いということもあり、正面に窓をとりありませんでした。

そこで吹き抜け上部に天窓をプランニング。
もちろん電動スクリーン付きです。
ここで防火エリアがゆえの、重厚な耐火構造体がのメリットが感じられます。
外の喧騒が全く聞こえてこない‥
トップライトからは柔らかな光が降り注ぐ‥
まさに、ヒーリングスポット。
「都会のオアシス」と呼ぶに相応しい世界観です。

このように、間口が広くはない土地には思い切った発想を用いることが大切です。
見せ方や、各階の使い勝手を考え抜くことは大事。

そうすれば2階建てのように暮らせる、広々とした3階建ても夢ではありませんよ。
私はもうやりたくないですが!笑

【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】

私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。

街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。

日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。

だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。

私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。

マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。

図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。

照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。

図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。

戸建てリノベーションを手掛けない理由として。

いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。

何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。

私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。

しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。

そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。

私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。

照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。

様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。

照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。

暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。

コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。

美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。

【チャプター】
00:00 イントロ
00:21 オープニング
01:12 今回の物件について
04:51 対火構造物ならではの施工
08:14 地盤改良から基礎工事まで
09:44 住宅へのご希望は
11:54 間取りとその構想について
14:49 ガレージのご紹介
16:51 ガレージのご紹介
18:18 1階子供部屋のご紹介
22:31 玄関のご紹介
26:21 拘りの床のご紹介
30:13 リビングのご紹介
34:30 エンディング

@tomoyaoshimura1993

11件のコメント

  1. いつも動画楽しんでます😊
    押村さんが言われることをかなり参考にして、打ち合わせした家がやっと着工します!
    全て真似することは叶いませんでしたが、今から完成が楽しみです!
    これからもたくさん勉強させてもらいます😄

  2. 素敵ですね。ワクワク拝見しました。今のマンションに住み続けるのもいいと思っていましたが、住み替えもしてみたいなあとか、次の住み替えは、老人マンションかな?とか、最近、なんとなく考えていましたが、戸建てに住みたい憧れがよみがえってきました。年齢を考えると、3階建ては無謀かなあ・・・でも、住んでみたいです。次回も楽しみにしています。

  3. 3階建・細長い間口、待ってました!
    毎回毎回うっとりするような作品のご紹介で、勉強をさせて頂いておりますが
    あきらめも半分でした。
    次回も楽しみにしております。
    押村さんの本、マーカー引きながら読みました!

  4. 我が家も40坪ですが、間口が狭いので大変興味深い回でした。
    ニューヨークの素敵な外観のお家で、リフォームの時に参考にさせていただきたいです。
    次回も楽しみにしています。

  5. 1階子供部屋に各階で床材を変えるなんて思いつきもしないアイディアなのに、快適さが追求されてて感嘆しました。
    リビングの吹き抜けではシェードランプや壁を照らす照明が凝らされていてコンセプトを貫いていてもオシャレで快適な素敵な部屋です。

  6. いつもありがとうございます。
    ニューヨークのアパート風のお家も素敵です。憧れます。
    どんな土地の条件や形でも押村さんの手にかかればオシャレな素敵なお家になりますね。
    次回も楽しみにしています。

  7. 押村さん、こんばんは!
    押村さんのYouTubeを見て以来シュークローゼットは絶対に永大産業さんの全面ミラーと決めております!!
    ところが永大産業さんに行きお話を聞いたところ、プッシュオープン扉は必ず故障がつきものですとの事で😭
    普通に手で引っ掛けて開くタイプの方が断然故障はないのでお勧めといわれ非常に悩み出してしまいました、、、😭
    押村さんのお客様方で、そのような事例お聞きしませんか?

  8. 動画見ていていつも思うのですが、便器を少し手前に10cmほど出して給水管やコンセントを便器の裏に隠すと、もっと美しくなるのではないでしょうか?うちではその隙間に清掃用のブラシも置けてスッキリするし、隙間に掃除機のノズルも入れやすく清掃もラクで一石三鳥です♪

  9. こんにちは♡
    白いシンプルな注文住宅を検討していましたが、押村さんの美しいお家を知ってから迷い始めました。
    ガゲナウと乾太くんは買えるとして、トーヨーキッチンの押村さんオリジナルモデルやカップボードは、他社で建てる際も購入することは可能ですか??

  10. いつ見ても うっとりしてしまいます。
    今回のビルトインガレージの家 とてもいいですね
    大変な施工だったのが伺えます 今はやってないとおっしゃっていましたが 再度施工してもらいたいと願う方がたくさん居られるのではないでしょうか? 私もその一人ですね
    車の劣化や日焼け ホコリが気にならない上に防犯機能も増していると思います

    女性単身で住まわれる方には絶対に良いです
    押村さんとても嫌がっておられる感じですが リクエストすれば作ってもらえるのでしょうか?

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