岩手県北上市で40年以上にわたりユニークな自転車を作り続けている男性がいる。
男性が今回作ったのは、ペダルをこがなくても進む自転車。一体、どんな自転車なのか取材した。
木製の自転車や、車輪が楕円になっている自転車もある。
車輪が楕円でも水平に進む何とも不思議な自転車だ。
このユニークな自転車を作った北上市に住む小原隆規さん(66)は、高校生の時から自転車の製作を始め、これまで作ってきた自転車は28台に及ぶ。
小原隆規さん
「自分で作る楽しさと、作ったものを見てもらって喜んでもらったり、不思議に思ってもらったり、人の反応を聞くのが楽しみで作っている」
そんな小原さんの新作自転車は、一見、何の変哲もない自転車だが、ペダルを見てみると本来は左右別の方向に付けるべきペダルが、同じ方向についている。
この自転車はペダルをこがずに進む自転車。
後輪を回すと上下する仕組みで、乗る人が体を上下させ生まれた反動を使い前に進んでいく。
この自転車に細田啓信アナウンサーが試乗。走り出しは小原さんに押してもらう。
細田啓信アナウンサー
「自転車を押してもらうのは、補助輪取るとき以来です。では、お願いします」
小原隆規さん
「膝を曲げて、曲げて、曲げて。うまい、うまい」
細田啓信アナウンサー
「おもしろい。なんとか3メートルほどを補助なしで進むことができました」
北上市の大工の家に生まれた小原さんが、ものづくりに目覚めたのは小学4年生の頃で、廃材の木を使い自らおもちゃを製作した。
商業高校を卒業後、地元の金融機関に就職した小原さんは、専門知識は学んでおらず、製作過程はすべて自己流だ。
小原隆規さん
「買えば手軽に手に入る自転車だが、小さい時からものを作ったり直したりするのが好きだったので、続けている。作り始めて43年になるが、あと7年で50年。50台作るのを目標にしたい」
小原さんの創作意欲は自転車だけに留まらない。
蛇口の先端についた装置は、水を流すとカウンターが動き、出た水の量を測ることができる。
さらにテープカッターは、刃がついた金具を押し込んでテープがたわんだところをつかむと指先をベタベタさせずに切ることができる。
これらの作品のアイデアが評価され、小原さんは発明品の出来を競う県発明くふう展で最高賞を4回受賞した。
Q.アイデアはどこから湧いてくる?
小原隆規さん
「ふっと湧いてくる。新しい構造や動きをいつか形にしようとメモに書き留めている」
そんな小原さんのものづくりを家族も応援している。
息子の結城さんは小さいころから小原さんの自転車で遊んできた一人だ。
小原さんの息子 結城さん
「自分もものづくりを見るのが好き。作り続けている限り応援したい」
小原さんは家族の支えのもと、発明品を毎年出展し、いつかは特許を取得したいと意気込む。
小原隆規さん
「(夢は)終わらないですね。私の寿命の方が早いかも(笑)」
小原さんのものづくりのアイデアと情熱は今後も尽きることはない。