大腸がんで亡くならないために~臨床腫瘍学の重要性~

みなさま、こんにちは 本日は、浜松医科大学公開講座 2017年 からだも心も若々しく~伸ばそう健康寿命~ 第一回にお越しくださいまして 誠にありがとうございます 本日の進行を務めさせていただきます 上田朋子と申します どうぞよろしくお願い申し上げます 第一部は、浜松医科大学 臨床腫瘍学講座 教授の 山田康秀先生です 山田先生は、1989年弘前大学医学部をご卒業 国立がん研究センター中央病院消化管内科医長 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 戦略推進部研究企画課調査役などを歴任されまして 2016年浜松医科大学 臨床腫瘍学講座教授、同様に 浜松医科大学医学部附属病院 腫瘍センター長 および化学療法部長に就任されました 本日は「大腸がんで亡くならないために ~臨床腫瘍学の重要性~」と題して お話していただきます 山田先生の講演です どうぞ拍手でお迎えください みなさん、こんにちは 山田と申します 今日はこのタイトルで お話をさせていただきたいと思います 臨床腫瘍学というと、なかなか最初 わからない学生も多いのですが みなさんも聞いておられる方もいらっしゃれば まだわからない方もいらっしゃると思うのですが 臨床腫瘍学というのは ここにありますように 手術から薬物治療、放射線治療 以下このように、予防、検診、緩和ケア等を含めて がん全てを対象にして 行っていく学問であります その中で私が主催している臨床腫瘍学講座というのは 手術は外科 放射線治療は放射線科というふうに みなさんご存知のことと思いますけれど、それ以外の 全てを担当している講座ということになります 私の主な専門性を生かすところはですね 薬物治療ということになります その中でも、抗がん剤治療 〇〇治療薬、そういうものの開発 特に大腸がん、胃がんというものが専門であります 今日はその大腸がんで亡くならないために というテーマでお話させていただきますけれども がん対策加速化プランというのが 一昨年の12月に 厚生労働省から出されております 厚生労働省から出されたのは

安倍晋三内閣総理大臣の指示を受けて 厚労省が中心となって出したものです その背景としましては このがん対策基本法に基づいて策定した がん対策推進基本計画に沿って進められたんのですが ここ10年目標ですね 残念ながら予測される年齢調整死亡率に達しない そのがんによる死亡率を下げる 目標をしていたわけですけど それがこの10年の間で どうも達成できそうにない、ということで 特に遅れていると思われるところを 加速していきましょう、ということで このプランが出されました その加速化プランの 内容ですけれども、大きく分けて 「予防」「治療・研究」「がんとの共生」 この三つに分かれます 今日の話のテーマは、特に、この「予防」のなかの がん検診というところにございます この「治療・研究」に関してはですね 我々、病院のほうで、あるいは大学のほうで 今までもやってきた研究成果を医療に持ってくる がんのゲノム医療だとか 標準的治療の開発普及である というようなところですし ここもひとつ、大きなテーマとなっている 「がんとの共生」ということですが がんになっても、その後、就労すること 仕事を継続することができる ということなんですけど、その点が まだ十分に伝わっていない点もあるんですね みなさんに そこで、早く退職してしまう がんの患者さんも多いということで ここに取り組んでいって がんになっても 今までどおりの生活を送っていけるということを もうすこし、きちんと 説明して それを理解していただいたうえで 患者さん自身もそうですけれども 事業者にもよく理解していただいて うまく生活していけるようにしてきたい こういうような点が、特に遅れている というところで、加速化をしていこう ということになったわけであります このがんの予防のところで、赤枠で囲んだところが がん検診 についての現状 を示しているわけですけれども この左の棒グラフのところをごらんいただいて ここ日本、カナダ 、フランス、イギリス、アメリカと 並んでいるんですが

この棒グラフをご覧いただいてもわかりますように 他の先進国に比べて だいたい他の先進国では 70~80% がんの検診を受診しているわけですけれども 残念ながら日本では30~40%台 というところに留まっています ここで早くがんを見つけて 手術でまず直していく こういう方向をとっていければですね このがんによって命を失うということが もう少し減らせるだろうと考えられます 現在、市町村に 任せられている がんの検診の受診勧奨の方法なんですが 個別郵送であるとか、世帯主に郵送であるとか ホームページで周知であるとか 各市町村に任されていて ここも、まちまちであります きちんとがん検診を受けていただくという情報が みなさんのところに届くような方法で 行っていかなければならない と、いうようなところも含めてですね 今後、浜松市、静岡県内 来年度からまた、がんの対策5ヵ年計画というのを つくることになっていますので、特に 今年が、どのように来年度以降の計画を作っていくか という非常に重要な年になりますので 県、市ともども、大学も含めてお話をしていって より良いものにしていきたいと考えております 職域におけるがん検診へのアプローチということ 職域でも便潜血の検査というのはですね 特に仕事をされている方に関しては 含まれていることがあるのですが その実情というものも まだわかっていなかったところもあったので 厚生労働省を中心に職域検診の実態というものを 調査して、その精度管理、実際に 便潜血が陽性となった時に、どれくらいの方が ちゃんと精密検査を受けているのか というようなところを含めて、精密検査を きちんと受けていただくような進め方 こういうものも確認して より良いものにしていかなければならない と思われます がんの予防のなかにはですね たばこ対策というのも含まれていますし 肝炎対策に関しては かなり良い薬もできてきていますが 小学校、中学校を対象とした学校における 学生のうちからのがん教育ということにも 研究されています これはつい最近のたばこ対策ということで ひとつ今日のテーマとは少し外れますけど ちょうど大腸がんの原因に喫煙含まれておりますので

つい最近の記事ですから、みなさん お読みになった方もいらっしゃると思いますけれども 要は、日本は受動喫煙対策が 先ほど、がん検診でも先進国に比べると 遅れをとっているということを お話したところですけれど 受動喫煙対策の評価では 、世界最下位のグループ 厚労省の改善案でも下から2番目のグループになるだけ ということでですね、実は日本のがんの予防対策 このタバコのようにがんの原因となるものを除去する というのは一次予防です 検診のように、早く見つけて早く治したい こういうものは二次予防と呼んでいるのですが けれども、この大きく2つの予防対策ですが かなり後進国である、といえると思いますので ぜひ、みなさんでよく、この がんの実情を理解して 早くがんを見つけて直す、というマインドに リセットしていただきたいと思っております がん検診の受診率は、全国と ここに静岡県を並べさせていただきました このとおりですね 全国のがん検診の受診率、 男性、女性 静岡県は、ほぼ全国の平均といえると思います この横軸が少し薄く小さくなっておりますけれども 40%程度、こちらのほうが35%程度がこのあたり となっておりまして 若干、女性の受診率が低い傾向がみられるのは 全国でも静岡県でも、同じような結果であります 働き盛り、就労年齢、あるいはそれより前の 就学年齢に近いところも含めてなんですけれども 女性のがんというのですね 男性のがんに比べて多くて ここのあたりは50歳代の前半ということでありますが そこまでは、実は 大きく言うと男性のほうが女性の ざっくりといって1.5倍くらい多いんですが この年齢までは 50歳から54歳の年齢までは、女性の方が多いんですね この原因というのは、乳がん、子宮頸がん 子宮体がんというのが含まれています この中にも女性に多いがんの一つとして 大腸がんも含まれきています 昨年、そのがん対策加速化プランを受けまして 厚生労働省のほうも 平成28年10月1日~10月31日まで がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン というものを行っています なかなかこういうふうに啓発活動を行っても 著しい受診率の向上というものまでには至らない ということであります ここの自分自身や 次のところが非常に大事だと思うのですが

あなたを必要とする人のためにも がん検診を受診しに行きませんか?と いうところですね やはり仕事が忙しくて検診を受けられないという方が 理由としてはかなり多いようなのですが 1年のうちに半日ぐらいですね 時間をとって、愛する人であるとか 必要とする人のため その人にとって必要な自分の命を守る というような考えを、ぜひ忘れないでいただきたい と思います これは昨年の記事でございますけれども やはりこの、がんで就労を続けられない 治療を受けることによって仕事を継続できない というところからすると 職場に迷惑がかかるんじゃないか、とか 自信がない、という理由に 早期に離職してしまう方が半数近い というところでありまして 実は今、手術で在院日数、平均的なところですね しかも、この就労年齢のところであれば 約2週間で現場に復帰できる ところまではいえないかもしれませんが 退院はできるんです そのあと、2週間ないし3週間 おそらく時短勤務であれば可能なレベルまで達する というような状況だと思います ですから今回の新しい対策を また厚労省が考えているのは 時短勤務 時が短いという時短ですね 一日、数時間勤務 そういうようなところを強く事業者側にも求めていく ということになるだろうと思います これは一昨日に出ていたもので がん患者さんの就労支援というところで 先ほど申し上げた時短勤務の整備とですね がん対策加速化プランの延長線上として この計画がつくられていくことになりますけれども 第3期がん対策推進基本計画の中で「がん予防」 「がん医療の充実」「がんとの共生」 また先ほどと同じような項目が並んでいます 具体的に離職の防止や復職支援の充実が必要だとして 主治医などの医療職が積極的に関与していくための マニュアルの作成を決めた というところで、こちらも主にですね 浜松医科大学の相談支援センターのなかで メディカルソーシャルワーカーを含めてですね きちっと対応できるような態勢を早く、人数的にも つくっていかなければならないだろうなと 今も、もう、もちろんあるんですけれども まだまだマンパワーとしては このニーズに対してですね 十分に対応するためには、少ない というように考えておりますので

整備を急いでいきたいと思っております さて 日本におけるがんの疫学の話をさせていただきたい というふうに思います がんは我が国における死因の第1位になっていて 2人に1人が罹患して 3人に1人ががんで亡くなるんですけれども 1番は肺がん、2番は胃がん 3番大腸、つづいて肝臓、膵臓 という順位になっております こちらは がんにかかる人 がんで死亡する人 がんにかかる人は胃がん、大腸がん、肺がん ということで、肺がんは3番目なんですけども なかなか難しい腫瘍 胃がん、大腸がんももちろん難しいんですけれども 肺がんは死亡の原因の1位になっていて 胃がん・大腸がんはむしろ こういうふうに、かかってしまっても 早い段階できちっと治療すると治るがんであるから 死亡数が2位、3位と落ちている そういうようにいえると思います 先ほども申し上げた、生涯でがんに罹患する がんにかかる、がんになる確率が、2人に1人ですが その中で大腸がんはというと7~8%ということで 細かく言うと12人に1人、15人に1人 約12人強に1人は 大腸がんにかかる、という結果であります 大腸はご存知の方も多いと思いますが よく右の下腹部のところで盲腸とかということで 虫垂炎のことを盲腸って言ったりしていますが その右の下腹部のところがここです 向こう側を向いているような感じになりますが そこから肝臓の下に向かって上行結腸があって ここを横断するような形で 左側のサイドまで横行結腸があって それが下向きに下行結腸になってですね 左側の下腹部にS字結腸があって 直腸が最後のところにある、ということであります この結腸の部分と、直腸をあわせて 大腸といいます よく大腸と直腸というふうに言ったりする方も いらっしゃいますけれども 結腸と直腸をあわせて、大腸といいます ですので統計のデータも 結腸がん、直腸がんと分けているものに関しては それをあわせて 大腸がん、ということになります なぜ大腸がんがここで増えてきているかというと 食生活の欧米化というのがよく言われていたんですね しかも多量の飲酒であるとか、喫煙 運動不足、肥満、というようなことも言われています 大腸がんは極めて珍しいがんで 運動することによって

予防できることが証明されているがんです ですから、運動不足は大腸がんに直結する ということであります もちろん、高齢化というものも 年齢を重ねるごとにですね がんになる患者さんは増えてきますので 高齢化そのものが 全てのがんの増加傾向を示しているものがあれば 原因の一つになりますけれど ちょっと別の意味で高齢化というものが 一番下のところに書いてあります こちらは大腸がんの年齢階級別死亡率ということで 罹患率、死亡率ともにがんになる人を がんで亡くなる人も50歳代から増加し始めて 高齢になると急速に高くなってきます 70代、80代になるにしたがって 指数、関数、倍々、というような形でですね どんどん増えていく、ということになるものですから 高齢化というものが、がんの患者さん自身が 増加することの原因のひとつなんですけれども 食生活、生活習慣、そういうようなもの あるいは運動の状況というものを そういうものが、さらに加齢要素に加わってですね 大腸がんを増やす要因になっている というようにお考えいただければいいかと思います これは2012年の集計結果で がんの罹患数は86.5万人ということで がん登録が法制化されて、ようやく 東京も初参加、全都道府県のデータが初収集された という記事が出たのは、昨年の6月のことであります この後に、今年発表されるものとしては 2013年版が出てくると思うのですが この時に86万なんですね、まだ、 やはり統計が不十分だった可能性があるんですけれど 今年の発表は、100万人が がんに罹患する、がんにかかる というような発表が出るのではないか というように想定されています ちょうど赤ちゃんが生まれる出生数が100万人ですので がんにかかる人の数も100万人 だいたいそこで同じぐらいの数字かなというように 記憶していただければいいかなと思います 年齢調整のがんになる人の率というのは 歯止めはかかったんですけれども まだまだ大腸がんの死因となる 大腸がんが死因となる患者さんというものは 劇的に減少しているわけではございませんので これから述べる対策をしていかないといけない ということであります ここで男性、女性別の罹患数の数字、 臓器別の順位を 胃がん、大腸がん、肺がん、前立線がん、肝臓がんが男性 女性が、乳がん、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮がん こういう順番でありました 大腸がんが増加すること

プラス、肝臓がんが少し減少しているということで 男性で順位が変動しています これは後ほどまた、お示しします がんにかかる人の数に、都道府県別で特徴があるか というと、あるんですね これは従来から大体そうだろうな と思われていたのですが 全国集計ができるようになって やはり、明らかになってきました 胃がんは、日本海側の県に多いです 秋田県、石川県、山形県 こちらは秋田、新潟、山形県ということで やはり、胃がんというのは ピロリ菌というが有名でありますけど もう一つ同時に 塩の摂取が多いことが原因の一つとして 疫学上、出てきておりますので そのような要素があるんじゃないかというように 説明されています 大腸がんに関しては 北東北地方ですね 秋田、青森と大都会というようなところになります 大腸がんが少ないところはどこかといいますと 瀬戸内海地域、山陽、山陰もでてくる あと四国地方ですね 九州ということになっています 静岡県は平均よりも大腸がんが少ない県のほうに 入っています 肺がんに関しては 今一歩その地域性というものはわかりませんが 乳がんに関していうと 東京は圧倒的に多いということで 閉経前の乳がんが多いのは日本の 諸外国にに比べると特徴なんですけれども やはり 結婚していないという、子供を産んでいない そういうような女性に乳がん、子宮体がんといものは 多い傾向にありますので 、そういう方が 都会に多い可能性があるのかもしれません これは、がんの部位別の年齢調整死亡率の 推移を示した グラフです 胃がんは 、男性、女性ともに 著しく減ってきているところですけれども この直腸がん、結腸がんというところは 少し横ばい傾向にはなってきておりますけれども 未だに減少が顕著だというステージには まだはいっていない、というところです 乳がんに関しては、やはり、まだまだ増えていて 先進国に比べると、減少傾向が遅れているというか まだ減少傾向が顕著なところまでは至ってきていない というところですので、ぜひ、こちらの 乳がんの検診を受けて頂く必要があると思います

乳がんの検診自体は、今日はあまり触れませんけれど まだまだお話ししないといけないことがございます これは、がん標準化死亡比という 人口10万人以上の市や区を集めて 集計したものなんですが すばらしいことにですね 静岡県の、特に西部の市が いいほうの上位にランクインしています 掛川市の男性、要するにがんになる人が少ない がんによって死亡する人が少ない という結果です ここに藤枝、磐田、浜松 こちら女性方でも掛川、磐田、浜松と 浜松市自体も、男性も女性も ベスト10にランキングされるぐらい がんで死亡される方は少ないという市です この数字は10万人あたりの年齢を調整したうえでの がんで死亡される人の数字 と思っていただければいいのですが 下位のグループに残念ながら入ってしまう 北東北地方であるとか大阪エリアというのは この数字が120とかになりますので それと比べても かなりこの上位の静岡県西部のグループっていうのは 原因は明確なことまでは言えないんですけども かなりがんで死亡される方が少ないエリアである ということがいえると思います 考察としては、いろいろ言われますが 運動という面からすると 、車社会ですし そんなに動いているのかなという感じもありますし 食生活自体もそんなに違うかと言われると なかなか、わからない しかし北東北の方では喫煙率が高く アルコールの摂取量も多いというようなことが いえるかもしれませんし、日照時間というのは 本当に関わってきているのかもしれない というところもありますし いろいろな好楽というのが 生活との区別もつかないんですけど 緑茶がいいのかもしれない、と 言ってる人もいますけど 明確にはお答えできるような状況ではない と思っています そこでですね この検診を受けていただく必要があるのは 症状のない人です 何もないんで元気なので何もする必要がない ではなくて、そういう人こそ受けていただきたい 何か症状があって、もちろん 便に血が混じっているという方は 検診を受けてる場合じゃなくて 病院に行っていただきたいです 何にも症状もない人に受けていただきたいです このがんの検診は、何をするかというと

本当に便の表面をササッと爪楊みたいなもので こすっていただいて、それを カチャッと入れ物に入れて それをただ送ってもらうだけでいいのです 大分昔に検便みたいなもので便の一部をとって 容器に入れるとか、もうそういうことではないです 非常に簡便です コストも300円とかですね 非常に安い、というところで 受けるのは本当に手軽でございます 早期のがんは、ほとんど症状が出ませんので 早期のがんこそ治るがんですから、それを見つけて 早く職場あるいは生活に元通り復帰するということが この大腸がんを克服するための 一番重要なこと、他のがんにも言えることです 静岡県におけるがんの発見経緯を 静岡がんセンターがまとめておりますので その結果をここでお示しますと 全国推計と比較して、大腸がんをがん検診または 健康診断、人間ドックをきっかけに がん発見された割合が高い、ということですが まだ静岡県もがんの検診の受診率が 高いとは言えませんので あまり悪いところと比較しても仕方ありませんから より大腸がんで亡くなる方を減らす という目的からすると やはり一番シンプルに死亡率を減らすこととして 科学的にも証明されている 便潜血検査による大腸がん検診を受けていただく ということが極めて重要です 大腸がんで約3~4人に1人は がん検診と人間ドックなんかも含めてですね 何も症状がない段階も含めて そういう方をきっかけに がんが発見されている、ということで この3~4に1人が、2人に1人になるだけでも 相当がんで失う患者さんの数は減ることになるますし 3人に2人ということになれば それはそれで非常によいことだと思います 便鮮血反応に関しては レントゲンの被ばくという要素もないので あまり異論の余地なく 大腸がんの検診は受けていただいて いいと思います これは実際の平均の、男性27.5% 女性22.7%、5人に1人くらい こちら4人に1人ぐらい 受けていただいているのですが 早期であれば、ほぼ100%近く完治するがんです 一般的には自覚症状はない 先ほど申し上げたとおり 無症状の時期に発見することが 極めて重要であります この大腸がんの検診の代表的なものは 地域職域で普及してきた大便の免疫学的潜血反応

免疫学的潜血反応は 30年ぐらい前から行ってはいるんですけど 一部、動物の血にも反応してしまうから お肉を食べた後は便鮮血が陽性になりやすい と言っていた時代のそういう検査法も 30年前、以前にはあったんですけれども いまはもう、そういうことはありませんので 免疫学的に人の血液だったら反応するということで 自分の腸からどこか出血していれば、それに反応する ということで、変な肉との関係 食肉というか、食用肉ですね、豚肉とか牛肉とか そういうのを食べたから、それで反応してしまう ということは、もう無いですから 食事制限なく簡単に受けられるということで これも簡便に受けられる一つの理由だと思います 偽陽性、偽陰性、それぞれあるんですけれども 大腸がんであるということでは、もちろんないです たまたま肛門のところから出血していて 引っかかったということもあるだろう といえると思いますし、逆に 陰性だから絶対に大腸がんではない ともいえませんので 毎年1回の検診は必ずを受けていただきたいですし もしも一回引っかかった場合には すぐに精密検査を受けていただいて ポリープがあれば、とってしまえばいい話ですし もしもがんがあったら、早期であれば 手術によって今は腹腔鏡で傷も小さく治りますし 多くの場合は 内視鏡で早期がんはとることができますので 開腹といったお腹の皮膚に傷をつける必要なく 治せる確率も高いので、ぜひ 怖がる必要のないがんですから がん検診で早く見つけて、早くそこを直してしまう とお考えください 10人強に1人は大腸がんになります 健康な集団の中から、非常にコストを安く 精密検査が必要な人を選びだす 有効な検査法ですね 今度は見つかった後の話を少しします 大腸ポリープが見つかった後に 内視鏡でそれをとることで、大腸がん、将来に 大腸がんで死亡するリスクを減らすことができます それはアメリカのポリープ研究で証明されました 約2,600人の患者さんのうち 1,200人が何らかの理由で死んでいたわけですけれども そのうち12例が大腸がんで亡くなっていました 一般集団では大腸がんで大体25人ぐらいが 亡くなるだろうと この人数からすると そこで、ポリープ切除群における標準化死亡比は ポリープを切除することによって亡くなる方が 約半分に減ったということであります どうやってその後、検査をしていくかというと 一度、この線種、ポリープをとった後には

この研究では 1年後あるいは3年後に2回内視鏡をするのと 3年後のみ1回内視鏡するのと その両班に患者さんたちが分かれて その中で、1年後を加えることに意味があるかどうか といいところでいうとですね 小さなポリープも、数ミリのポリープも含めると 4割、こちらが3割 1センチ以上に限るとですね 3%ずつということで 早期がんがあったとしても 3年後に1回内視鏡していただければ 致命的になるような大腸がんはできない ということで その間にもう1度便潜血して頂けても 構わないんですけれども、ないとしてもですね 3年後にポリープがなければ、またその後 3年後にもう一回みて、みたいな形で十分であろう ということであります またポリープが全然ない人に関しては 便潜血でみていくという手もあるかもしれませんし ポリープの個数にもよるかもしれませんけれども できやすい人かどうかということも 便潜血から精密検査に回ると、そこでわかる ということであります ここで、がんの早期発見の現状について もう一度まとめてお話しさせていただきます ちょっと繰り返しになる所もあると思いますが がん検診は市長村が別々に行っておりますので その市町村の中で、少しデコボコがある 先ほどの受診勧奨の方法からも違いますし 精密検査にまわす度合いも 少し変わってくるかもしれませんし また無料クーポンを配るとか、そういうことでも インセンティブ、何かやれば少し安くしますよとか そういうようなものを出すということも 違ってくると思います 市町村の裁量に任されておりますので、ちょっと いらない 検診が入っている市もあったりします そのあたりについては 是非ご注意いただきたいと思います 国が平成23年度までにがん検診受診率を 50%以上にすること目標に掲げていたのですが 残念ながら、先ほどの20数%、30% 全体を含めても40% 50%には及ばないというのが現状です 精度管理にというものに関しては 二次検診にどれぐらいの方が行ったかということも これからきちっと各市町村で追いかけていく いうことになりますので、全体のみなさんが ちゃんとした検診を受けていただいているかどうか ということをある程度把握していく というような形になるだろうと思います がん検診の受診率に関しては

子宮頸がん、乳がんでは少し上昇したといえども 先進国に比べて 非常に低い、40%台ということであります この理由としては がん検診へのアクセスが悪いという なかなか自分たちの都合の良い時間にやっていない あるいは仕事が忙しいということが あったものですから クリニックを土曜日に開いてもらったり 夜やってもらったりしているのですけれど 実はそうしても、あまり受診される方は増えない ということなので、仕事が忙しい、というのは 仕事以外の時間に開いても なかなか来て頂けないっていうのは やはり意識の問題かなと思います そういうところが大きいのではないかと まずそういうところから変えていただいて ぜひ1年のうちの半日を検診に費やしていただきたい と思います 大腸がんだけをもしチョイスする場合は 半日も必要なくて 専用の入れ物で便をこすって送るだけで 終わってしまいますので、他の検診のついでに 容器をもらって、となると半日必要かな というところです 取り組むべきこととしては やはり、検診受診の手続きの簡便化 ここのところも電話するとか、連絡するとか 少し面倒くさいところがあるかも知れませんので 本人に、特にそのキットが届くように 少し考える必要があるかもしれません 職域のがん検診との連携ということは 職域でどういうところまでちゃんとやっていれば もう市町村の検診をやる必要はないので 職域でやってますよというところを どうやって情報収集していくか、ということで 職域検診を含めるとですね、おそらくもう 60%くらい、あるいは50%を超えるような数字に なるのだろうと、よく想像しているんですけれど まだまだ、どうしても 健康に興味のない方は3割ぐらいはいるんじゃないか というように想定されているデータもありますので もちろん100%にはならないのですが 70%ぐらいまでいけばいいかな、と思っています がん検診の受診率については 5年以内に50%を達成すること目標とする としていたのは平成24年で 残念ながら、できないまま現在に至っている ということであります ここで、静岡県の市町村別の大腸がん検診受診率 というものを出します 全国的にも都市が大きくなると 企業が大きく職域検診が多くなっているという いい見方もあるかも知れませんけど 人口が多い、政令指定都市みたいなところは

やはり、このように低く出てくるんですね 静岡市22%、浜松市34%、島田は42% 磐田44.7%、掛川は何でなくなる方が 全国で最も少ない市なんですが そこは検診の受診率は決して高いとは言えない というところで、直接ダイレクトになかなかこういう 公衆衛生学的な数字っていうのは リンクしないところもあるのですけれども 藤枝55%、湖西30%ということで、決して 50%をはるかに超えて、70%になるようなところ というようなところは、なかなか少ないのが現状です ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、大腸がんの病期別生存率を 全国がんセンター協議会の生存率共同調査 2012年11月集計データですが ステージⅠというと5年生存率98.8% ステージⅡで87.4%と90%近いです ステージⅢになっても77.3%と 80%近い数字が出ていますので ステージ3までに見つかれば かなりの確率で治る ステージⅡまでならほぼ治る、というところなんです Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳはどのようなものかというと 大体簡単に覚えていただきたいのは 大腸がん、大腸の壁というのは表面に粘膜があって その後、ぜん動といって腸が動いて こうグーグー動く、そこに筋肉が必要になって 筋肉の層があって 一番外側に漿膜(しょうまく)という膜を被っている その後に〇〇〇と リンパ節のところに転移していきます 大腸の壁の外側のまわりに リンパ節はあるんですけれども まず覚えていただきたいのはⅠ期というのは 粘膜の中に留まっているところ、要するに 表層のことろにだけ留まっているのがステージⅠ これは内視鏡でとれば、ほぼ治ります 95%以上のOKです 筋層に行くと進行がんということになります まだリンパ節に転移してなければ ステージⅡというところです リンパ節に転移すると Ⅲになります それでⅣっていうのは、遠いリンパ節もあるのですか 普通に考えていただくと、肝臓とか肺とか そういう他の臓器に転移していた時に ステージⅣとなります ただ大腸がんの場合は 5年生存率がステージ4でも14%でてるというのは 決して悪い数字ではないんですね というのは大腸がんが他のがんと大きく違うところは 肝臓とか肺に転移していっても 転移した場所を手術で取ることで 治る可能性がある場合があるがん、といえます それ以外のものは、ほぼ 他の臓器に転移していったときには

そこだけにあるわけじゃなくて 見えてなくても他にも転移があることが多いので 転移していった先まで追っかけていって 手術をして取るということはしないんですけど 大腸がんはそこが特殊ながんです 転移というのは非常に嫌なものですが なぜ大腸がんを手術して取ったのに再発したのですか と患者さんからよく聞かれる言葉です それは見えていなかっただけなんです CT検査などでも まだCTの画像で1ミリもなければ、映ってこないので そういう時点で転移があるから、ここも切除しましょう という話はもちろんできないですし 診断の限界ということになりますので 大腸がんの大元の大腸を切除したときには なにも他の臓器にはないから手術しましょう ということに なるんですが それが何カ月か経って、1年経って2年経ってから CTの検査で映るレベルになってきた時に 「転移がみつかりました」という話になって そこからどうしましょうか、という話になっていきます この広がり方としてはですね この大腸の壁にがんがあります そこからリンパ節、リンパ管に入って リンパ節をたどって転移していくタイプと 血液に乗っていって 血管を通して 肝臓に行ったり肺に行ったりするタイプ もう一つ 大腸がんではそれほど多いわけではありませんが 10%弱の方は腹膜という大腸の壁の粘膜のところに がんができてくるんですけれども それがどんどんどんどん、深いところにいって このオレンジのところが筋肉の層ですね 筋肉の層から、漿膜というところを突き破って こっち側は腹膜というところになりますので 大腸がんを突き破って お腹の空間の方へ行ってしまった というのが腹膜転移ということになります このようなリンパ行性転移、血行性転移、腹膜播種 3つの転移形式が多くみられます こちらも患者さんからよく聞かれることを ご説明させていただきます 大腸がんから肝転移 そして肺転移 ということも、もちろんあるんですけど 直腸がんとか特に静脈系が発達していて 肺のほうに直接いくということもあります 肝臓がんと肝転移という言葉は 我々、使い分けているんですね というのは、肝臓がんといった場合には 普通、肝臓から出たががんを肝臓がんといいます 大腸がんが肝臓に行って、そこに住みついて育ったのは 肝臓がん、と我々は言わないです

それは肝転移である、ということで なぜかというと、全然性格が違うんです 肝臓から出てきたものは、もともと肝臓の細胞が がんになったものですから そういうものと、大腸の細胞の性格をもって それががんになって たまたま血液とかに乗って行って 肝臓に住みついたものは、全然違うんです ですから、肝臓転移であった場合は 大腸がんに効く薬を使いますし 肝臓がんの場合には、 肝臓から出た細胞が がん化したものに効く薬を使います ということで 肝臓に転移しようが、肺に転移しようが もともとの性格のがんに効く薬を使って治療していく というところが、この薬物療法で ちょっと最初にわかっていていただきたいところです というのは、さあ、では 大腸がんの肝転移で治療しましょうといった時 肝臓がんの話ばかり読んで この治療どうなっているんですか? どうなっているんですか?って言っても、それは 肝臓から出た細胞のがんに対しての治療であって こちらの大腸がんの肝転移の治療ではない ということですので そこはお間違えのないように もしもそういうところに遭遇した場合は 先ほど申し上げた肺転移、肝転移 血行性転移で大腸がんの細胞が移って行ったときには 切除可能であれば切除する、転移巣を切除する これは、乳がんなど他のがん、みんな 胃がんであろうと、肺がんであろうと こういうことは一切なくて ふつうは転移したら抗がん剤治療ということですけど そうでないものが、かなりあります ここが、手術できるか、できないかというのは そこの外科の腕や質である ということになりますので こういうところは、是非 浜松医科大学は非常に強いところですから 信頼して我々のところを受診していただきたい ところであります こういうテクニック的なところは、どうしても 外科の技量に依存しますから うちではできません、うちではできます そういう世界になります 転移に対する治療ですが これは繰り返しになりますけれども 薬は点滴であっても飲み薬であっても、吸収されて あるいは血液に乗って、どこにでもいきますので これは肺に対して効くものであるとか 肝臓に対して効くものであるではなくて 大腸がんに効くものを使って どこの転移に対しても治療していきます

そういう考えです ひとつ、ちょっとだけあまり聞き慣れない話を 2枚だけさせていただきます イリノテカンという抗がん剤があって こういうのはちょっと難しいのですが 例えば、これはイリノテカンで こういういろんな酵素で活性体になって このSN-38Gというのが、本当にがんやっつけてくれる 活性体本体なんですけれども UGT1A1という酵素がありますけれども ここに個人差があって、ここの働きが弱い人は 難しいことは言わないんですけれども 副作用が強く出ることがあるんですね 白血球がやられやすかったり 少し腸の粘膜が荒しやすかったり そういうようなことが保険の適用範囲内でですね できるようになってきたんです UGT1A1の遺伝子の多型を調べることで 要するに個人差をみていくことで 副作用が強い人を予測することができる そういう副作用が強い人に対しては 薬の量を少し減らし気味に投与することで 思い副作用が急に出なくてすむ、ということです なかなかそういう薬はないんですけれども そういうこともできるようになっている、というのが ゲノム遺伝子の研究が実際の臨床に 使われるようになってくる、そういう流れです これはですね 難しいことは言わないですが 10人に1人くらい、日本人と韓国人には 副作用が出やすい人がいるんです、この薬は ただ、白人の方々にはほとんどいないんです 1%ぐらいでしょう ですので、白人は調べなくても投与していっても あまり重篤な副作用は急に出ないのですが 日本人、韓国人はここが非常に重要なので 日本で治療する場合には遺伝子検査をしてから 投与をしていく、という方式をとっています 抗がん剤の副作用といいますと 皮膚とか粘膜とかが荒れたり 白血球とか赤血球とか、そういうものが減ったりとか 毛が抜けたりとか、ものによっては そういうのもあるんですけど 大腸がんではイリノテカンという薬だけが 脱毛があるのですが それ以外の薬は脱毛はないです 口の中の粘膜とか、皮膚とか 新陳代謝の早いところ、そういうところが少し 副作用がでやすいところなんですが その人の状況に応じて 投与量を変えていったりすること あるいは1サイクル目の投与量を加減して 少し少な目に投与して何もなければ増やしたりとか 体格どおりに投与して 具合悪いときには減らしたりということで

嘔気、吐き気とかが出ることが 非常に少なくなっていますね それは吐き気止め自体も発達していますし このへんがマスコミから入るみなさんに対する情報と 著しいギャップだと思いますので まず大腸がんで治療をスタートするときは ほぼ就労できるような状態で 副作用はコントロールできていきます 見た目もですね 苦しい、著しく変わってしまうですとか 脱毛で急に顔が変わっちゃうですとか そういうことがないようにもできる治療なんです だからそのあたりに関しても、是非、細かく 医師と話をしながら治療を選択肢してもらえれば いままでどおりの生活を送りながら 治療ができるという部分だろうと思います 分子標的治療薬というものに関して 最近、副作用がなにもなくて安全だ という話もあるんですけれども、これはですね 吐き気とかそういう粘膜の障害じゃなくて 血管を潰していったり がんが増殖するシグナルを押さえたりするという まったく別の副作用が出てくるんです 高血圧とか蛋白尿とか あるいは爪の周りの炎症であるとか ニキビのようなしっしんであるとか だから決してが何もないというわけではないです そこで、やはり一番、今日お話ししたいのは がんの予防ということなんですが 二次予防というのは検診で見つけて早く治そう、と 一次予防というのは、たばこを吸わないとか お酒を節度をもって飲むとか 野菜をいっぱい摂るとか 日常生活の運動を増していくとか そういうようなことは 直接的な証明は、なかなか難しいんですけど 疫学的な研究からは少しずつでてきたものですので そういうものを できる限り自分の生活に取り入れていくということが 重要であろうと思います こちら熊本市のパンフレットですけども こういうものを作りながら いろいろな市町村が、検診をうけてくださいね というお話を進めているところです ぜひ大事な人のために 検診を受けていただきたいと思います 最後、浜松医科大学の少し紹介なんですが 教育リソース部門の 今年の3月にでた世界大学ランキングの日本版ですが みなさん、あまりご存じないかも知れません 私も全然知りませんでしたが たまたまこれを目にしたので、今日ご紹介しますが 次のチャンピオンの吉田沙織選手みたいに チャンピオンでもないのに出すという みなさん、ランカーに我々が入っているとも

思ってないんじゃないかなと思いまして、 一応 トップランカーのところに名前を連ねておりますので 是非、信用して受診してくださいますよう よろしくお願いいたします ご清聴ありがとうございました

浜松医科大学公開講座2017
からだも心も若々しく~伸ばそう健康寿命~
【第一回】2017年4月15日(土)
「大腸がんで亡くならないために~臨床腫瘍学の重要性~」
浜松医科大学臨床腫瘍学講座 山田康秀教授
※Youtubeの字幕表示機能については、制度に限界があり、必ずしも発言内容と一致するものではございません。

Share.
Leave A Reply