大空 880275
何してるんだ ルイその言葉にルイの顔は途端に青白く なって いく私には大好きな妻がいる結婚2年目妻 の前は優しい笑顔が似合うおっとりとした 女性だ大学時代に知り合い2年の交際期間 を経て 幸せな新婚生活を送っていた私たちだが ある日突然その生活は変化を遂げた恋人と 同棲していたはずの舞の妹ルイが家に 押しかけてきたの だどうやら付き合っていた彼氏に裏切られ そのまま家を飛び出してきてしまった らしい小心して泣きじゃくる妹を放って おくことができず舞衣は私に頼み込ん だもちろん妻の妹だし家族でもあるため私 も心よく聞き入れた何よりマとルイは姿形 がそっくりな 双子ルの涙を見ていると舞が泣いている ようで胸が痛んだ 一時的に累を家に置いてあげることになり 私たち3人のびな同居生活が幕を開け た1週間が過ぎても未だに現状には慣れて いない朝起きればリビングには妻と同じ顔 の女性がもう1人いるのだ 正直あまり類と関わったことがなかっので こうして並ばれると見分け方が分からない そんな私のことを面白がっているのか彼女 たちは時々お互いの洋服を交換したりして 私が気づくか試して遊んでいるよう だ双子とはいえ自分の愛する妻を見抜け ないのはなんとなく自分が許せなかっ た私は2人の特徴や見分に使いそうな ところを一生懸命探す 日々けれど2人は完璧にそっくりその ままいつしか私は諦めを感じ始めてい た見た目はもちろんうり2つなのだが彼女 たちの内面はそれぞれ違っていた妻の舞は 常にのんびりとしていて大人しい 植物や動物と触り合うことが大好きで家の 至るところに彼女が一生懸命世話をして いる植物が並んでい た一方で類は前よりも活発な性格言いたい ことははっきりと口にするし楽しいことが 大好きおしゃれには毎以上に気を使って いる学生時代はちょっとしたゲルとして 地元では有名だったよう だ物静かな舞と活発な類どちらも魅力的な 女性であることに変わりはないけれど彼女 たちは二子である以前にそれぞれ別の人間 だそれを分かっているからこそ私は2人の ことをそれぞれ尊重したいと思ってい たそんなある日 仕事で残業になり夜遅くに帰宅すると リビングで1人泣いている舞がい
た何か泣かせるようなことしてしまったか な心当たりがないまま頭を悩ませていると 不に舞が涙を吹こうとテーブルの上の ティッシュに手を伸ばした 瞬間私は彼女がであることを見破っ た彼氏となんかあっ たその問いかけにそれまで黙って鼻を すすっていたルがはっと顔をあげた私が 一瞬で見分けられたことがとても意外だっ たらしいどうして分かったの私は苦笑いを 浮かべて頭を書いたほとんど当てずっ砲だ けど前はいつもティッシュを取る時5本指 でティッシュを引き抜くんだよそれを今は 3本指で引き抜いてただからマじゃない なって彼女たちの見た目で見分けがつか ないのならちょっとした癖で見分けられる と踏んだ私は以前よりも彼女たちの行動を じっくり観察していたのださすがに細か すぎる理由だったのが面白かったのかルは 涙を浮かべたまま声をあげて笑い出し た今日ちゃんと彼と終わりにしたの 逃げ回って答えを先延ばしにしてたから やっと解放されて楽になった気持ちと ずっと引きずっていた情が入り混ざって ちょっと泣けてきちゃっ た恥ずかしそうに笑ってみせるルイ自分の 心を精一杯隠すように強がっているの だろうルイがその彼氏と 長く付き合っていたことは知っていた喧嘩 したり嫌になったりすることもあった だろうけれどそれ以上に楽しかった時の 記憶も多いはずだ失恋した彼女の心の傷を 周りが分かるはずもない時間が過ぎるのを 待つことしかその傷を癒す手立てはないの だ から彼私たちが双子だってこと知ってたん だけど喧嘩したりするとすぐに舞衣と 付き合えばよかったっていうのマは悪く ないのにそれを言われるたび劣等感で勝手 にライバルししてただからあなたと すんなり結婚した前が羨ましかったのるは 膝を抱えながらうまり自分の心境を話し 始めた双子とはいえ2人とも中身は全く 違う 自分勝手に彼女たちを物のように 扱うその男の発言が許せなかったそれでも 今までそばにいたのはその男のことを愛し ていたから だろう彼と付き合うようになってマトは なんとなく距離ができちゃった私が一方的 に避けていただけなんだけど昔は誰よりも 仲のいい大親友だったのに 寂しそうにつぶやくるの言葉からは後悔が 滲んでいたこの家にるがやってきたのは 単純に住むところがないからというより
過去のわだかまりを生産したくて理由を つけて前のそばにいかったからかもしれ ない素直になれない類を不器用で 可愛らしいと思いながら私は純粋な少女を 見るような目で彼女を守いたでも馬鹿だよ ね彼氏を信じた結果浮気されてそれなら 最初からもっとまと仲良しなままでい たかっ た彼女の涙は別れた男への未練よりも舞衣 との溝を作ってしまったことへの後悔の 気持ちだっ た舞衣は今でもずっとあなたのことを大切 に思っているよそうじゃなきゃ突然 押しかけて妹と一緒に住むなんてことし ない でしょルイが他に帰る場所はあったマと ルイの実家はそれなりに裕福な家庭で両親 も顕在決して泣いしているわけでもないし 家に帰った方が広々過ごせるそれでも あえて私たちのマンションにやってきたの は前もるの気持ちに気づいていたのだと 思う その上で彼女はルを受け入れたの だやっぱり舞が 羨ましい大事にしてくれる旦那さんがいて 再び涙を拭いながらルイは言っ た私は反対にこの2人の互いを思う気持ち が何よりも強い絆で結ばれていて 羨ましかっ た何があっても切れることはない2人の間 にある傷はきっと生まれる前から芽ばえて いた神秘的なものなのだろうルとの話を 終えて寝室に向かうとそこには先に眠りに ついた舞がいた寝顔を覗き込むと穏やかに 寝息を立てて いるやっぱり不思議な感覚だきっと2人を 寝かせて見分をつけろと言われたら私には 無理だろう穏やかに眠る妻の頬にそっと キスをして私は静かに隣に潜り込ん だそれから数日後最近前の様子に少し違和 感がある日中の彼女は特に何も変化を感じ ない問題は夜に見せる私への顔だった彼女 は普段自分から夫婦生活をねることは ほとんどない行為自体を嫌っているわけで はないが自分から誘うことに抵抗があった のだろう結婚する前からそういう時は必ず 私から声をかけたり雰囲気を作るように 心がけてい たしかし最近は前から積極的に求められる のだもちろん嬉しくないわけではない 愛する妻に求められて身も心もつがること ができるのだからけれど不可解なのはその 後の反応なのだ彼女から私をその気にさせ てその後はいつものように恥ずかしがって いると思いきやまた別の夜には嬉しそうに
主動権を 握るまるで別人のような代わり用に私は 翻弄されてい た一体何があったのだろう私はずっと前の 変化を気にして た彼女の中で私との夫婦としてのあり方に 何か思うことがあったのだろうかそれとも 時間が経って慣れてきたことで本当の自分 を解放しているのだろうか考えがまとまら ないまま数週間が過ぎたある日私は突然 はっとひめい たもしかしてルと入れ替わっているのか そう考えた瞬間全身に鳥肌が立った考えて みれば思い当たる節はいくつかある今まで にされたことのないようなテクニックを身 につけていたり以前したことを忘れて しまっていたりその時は少し不自然に思っ たけれどあまり気に止めていなかったもし 入れ替わっているのだとしたら全ての違和 感に説明が 私は頭を抱えながら確信を掴むために今日 も知らないふりをして寝室で横になっ たしばらくすると寝る支度を整えた前が 部屋にやってくる今日はどっちなの だろう緊張気味に彼女の行動を待っていた するとおに私の隣に横になると彼女は私の 背中に抱きついた今隣にいるのがまかるか を確認するため私は 振り返り彼女の顔を覗き込ん だまじまじと見つめられて顔をわからめる 反応だけではまだどっちか見分けがつか ないなんとか見破ることはできないかと私 は静かに彼女の服を脱がせ た突然が始まったと誤解した彼女は私に身 を 委ねる上半身が荒になった瞬間私は彼女の 荷の腕を掴んでいっ た何してるんだ ルイその言葉にルイの顔は途端に青白く なっていく私は荷の腕にある並んだ2つの ほで彼女が妻でないことを見破った 真剣な出しを向けると彼女は急いで上着を 羽織りリビングへと逃げて行った後を追っ てみると気まずそうに類を慰める前の姿が あっ たごめん なさい目を伏せて肩を落とす姿に私は未だ に理解が追いつかないまさかと思っていた ことが本当に起きていたなんて私は彼女 たちにを求めた自分の意思に反して義と 関係を持ってしまったのだからちゃんと 納得の行く理由が欲しかっ た私たちは小さい頃から何でも分け合って 同じものを共有して育ってきたのルイが 昇進していたところをあなたが慰めた話を
聞いて私もルイも嬉しかったルイがあなた のことを気に入って頼んできたの私もルイ なら あなたに抱かれても許せた から拙い言葉で一生懸命理由を話すまい 彼女の優しさは妹を思うあまり歪んだ形で 示されていた類の小心が言えるまで自分の 代わりに夫に抱かれることを容認していた ことになるけれど嫉妬がないわけではない だからこそ苦手な誘を自分からして妹と 同じだけ自分も抱かれるようにしていたの だろう常識では理解できない2人の行動に 私は言葉を失っていた全部私が悪いの前を 叱らないでごめん なさい必死に姉を庇いながら頭を下げた類 に私は静に言った確かに2人はよく似て いる気づかずに抱いでしまったのは私の度 でもあるだから攻めたりはしないでも 分かって欲しいんだどんなに見た目が似て いても私の妻はマなんだ私が本当に愛して いるのはマだけなん だその言葉に嘘偽りはない私はずっと前の ことだけを愛している類には登場したり するところもあるけれど道場だけで彼女を 抱くことなんて私にはできない私の心から の言葉に2人は涙を浮かべながら頷きもう 一度私に頭を下げたずっと一緒に成長して きた2人にしか分からないことはたくさん あるだろうけれどいつかは互いに別の道を 歩かなければならない彼女たちは双子で あっても別々の人間なのだ から翌朝 休日なのに珍しく早く起きた私はそのまま リビングに向かうと玄関の前で靴を履いて いるルと待ち合わせした彼女のそばには 大きなボストンバッグとスーツケースが 置かれているルイは私に気づいて照れく そうに頭をかいたあ気づかれちゃったか 黙って出ていくつもりだったんだけどルイ は私に向き直るとふぶかと頭を下げた色々 迷惑かけてごめんなさいあなたの言葉で目 が覚めたわいつまでも子供みたいにマの ことばかり羨ましがっていたらだめだよ ねルイは私たちに言わずこの家を出て 行こうとしていたらしいしんみりした別れ を好まないところが彼女らしいなと思った 前には言わなくていい の私の問いかけにルイは静かに首を振った マは優しいからルが出ていくと言えばこれ までの自分のことを責めてしまうだろう 分かっているからこそルは前に黙ってここ を出ることを決めたのだもう合わないとか じゃないし大丈夫しばらく実家でゆっくり してから新しい生活を考えようと思って私 はるいがこの家にやってきた時のことを
思い出していたボロボロになって大声で 泣きながら前にしがみついていたあの姿 からは想像ができないほど今では吹っ切れ たように清々しい表情を浮かべて いる舞衣のことよろしくねあなたになら ちゃんと任せ られる玄関のドアに手をかけた彼女の背中 に私は小さく声をかけた幸せに なれよ彼女は少し驚いていたが背中を見せ たまま親指を立てて私たちの家を後にした 光に包まれた外の世界は彼女のこれからの 人生を明るく照らしているようだっ た社会人になって1人暮らしを始め た初めは小さなワKのアパート暮らしだっ たけれど10年の月日が経ち2DKの広め な部屋に住み替え た付き合っている彼が時々気まぐれで 泊まりに来る だけ広い部屋の空間が最近妙に寂しく感じ て いるおはようござい ます朝いつものように仕事に向かおうと家 を出ると廊下で隣の家に住む秀さんとゆこ ちゃんに会っ た2人は笑顔で挨拶を返して くれるほがらかな朝 だお姉ちゃんこれ あげるゆきこちゃんは私に走りよると手に 握ったものをそっと差し出し た両手をさのようにして受け取るとピンク の桜貝が手のひに 落ちるうわあ綺麗だ ねゆこちゃんは嬉しそうに微笑み頷いてせ 昨日パパと海に行って拾った の5歳の女の子が私のために拾ってきて くれた気持ちを思うと心の中がじんわりと あったまって いくありがとう大切にする ね桜貝をハカで包むと壊れないように そっとポケットに入れ た秀さんとゆこちゃんが隣に越してきたの は まだ4歳になったばかりのゆこちゃんの 可いさに癒され た秀さんも優しくて礼儀正しいいい お父さんだっ たシングルファザーとして毎日頑張ってる 姿を 見かけるそれに仕事も大手の会社で課長を していると聞いたことが ある年齢は私とそんなに変わらないはずな のに子供のために仕事と児をさせていて 尊敬するお父さんだゆきこちゃんのくっく のない笑顔がそれを物語ってい た彼らが私の家の隣に引っ越してきてから
毎日が 楽しいゆきこちゃんに懐かれている私は 時々誘われて一緒に食事をしたりどこかに 出かけたりするほどの中 だまるでゆき子ちゃんが自分の娘のように 錯覚してしまう時も ある本当にそうだったら幸せなのに な彼氏とうまくいっていない現実から目を そらすように私はぼんやりとそんな事を 思い描いてい た1ヶ月後土曜日の夜だというのに私は 憂鬱な気分のままぼーっと窓の外を眺めて いたどのくらいの時間そうしていたの だろうか気づけば日が落ちて電気をつけて いな部屋はいつしか暗闇に包まれてい た3年付き合った恋人に振られ私は昇進し てい た最近は部屋に来ることも減ったし連絡も あまり繋がらなかっ た他に好きな子ができて遊んでも自分の ところにきっと戻ってくるそう信じて耐え てきた日々彼に執着していたわけじゃ ない絶対に自分の元に戻ってくると信じて いないと心が潰れてしまいそうだっ た女としてのプライドを守るために気づか ないふりをしていたけれど結局彼が私のと へ戻ることはなかっ た悔しさと寂しさが混ざり合い虚しく私の 心を 蝕むガラ堂になった私とこの部屋彼が吸っ ていたタバコの香りだけがわずかに残って いる何度も泣いて頭が 痛いきっと大変な顔になっているだろう 幸いにも明日は休みこのまま泥のように 眠り たい明日になればこれは夢で彼が家に帰っ てくるんじゃないかそんな淡い期待を抱き ながら私は机にうしたままうつらうつらと 意識の中を彷徨ってい た眠りに落ちかけたタイミングで玄関の チャイムが鳴った気だるい体を起こして なんとかドアを開けに向かうと立っていた のは明秀さんだっ たどうかしたんです かいつものように週末だからと食事に誘い に来てくれた 彼腹下まぶと低いテンションに気づいたの か優しい口調で私を心配して くれる彼氏と別れて失恋してしまいまし たかこ悪い姿を見せたことに少し恥ずかし さを感じながらはぐらかすように苦笑いを 浮かべ たなんでドアを開けたんだろうそのまま イスを使うことだってできた はず無意識に誰かに話を聞いて欲しかった
のかもしれない慰めて欲しかったのかも しれ ないでも明秀さんからしたら隣人の血喧嘩 を聞かされるなんて迷惑な話 だろう彼に気を使わせないように私は作り 笑顔を見せたまま今日の祝事会を丁寧に 断っ たこんな顔でゆき子ちゃんといつものよう に笑い合える気がし ない小さな子にまで気を使わせるのは さすがに気が 引けるだから今日 はそう言いかけた私を明秀さんは突然自分 の腕の中に引き寄せ たとっさのことで驚きを隠せないバランス を崩してりと抱きとめられた私は彼の胸に 頬を押し付ける体勢になってい た弱っている時にこんな風にけ込むなんて 軽蔑しますよ ね驚きで固まったままの 私背中に回された腕にはぎゅっと力が こもって いくいつもの優しい穏やかな彼とは違う つなげな口調に私は動揺して言葉を失って い た でも好きな人が泣いているのに見てみぬ ふりをするような男にはなりたく ない彼の言葉に胸が高なる 密かに思いを寄せられていたことを知り 失恋したばかりだというのに胸は大きな音 を立てて鼓動を 鳴らすすぐに答えが欲しいなんて言いませ んでも今は私のことを利用するぐらい ずるくなっても許され 真剣な差しが私を捉えて話さない確かに 小心中の今はぬくもりが何よりも 恋しい理性と本能が葛藤する中秀さんから キスが降り注い だゆきこちゃんが待ってるん じゃキスの途端なんとかった理でさんを止 し た彼は余裕のなそう情を浮どんどんと私に 迫る雪子はいません今日は私の実家に 泊まっています親睦を深めるために2人で 飲みたかったのです がそう言って彼は再び私の唇を奪った熱く 重なるキスを続け完全に骨抜きになった私 を彼はお姫様抱っこでベッドへ 運ぶ今はこの瞬間にれてくれれば いい静かな部屋にキスの音だけが 響くそれが余計に嫌らしくて私の鼓膜から 気持ちを煽らせ た悲しい 悔しい
寂しい 愛しい消化不良になっていた私の思いを彼 は黙って溶かして いく私に触れる指先から繊細な優しさが 伝わってくる 気づけば部屋のタバコの香りは秋日さんの 香水で塗り替えられてい た翌朝彼の香りが残るベッドで私は目を 覚まし た昨晩のことを思い出しても未だに現実味 が ないけれどこの香りが彼との一夜を何度で も思い出さ せる彼はどんな気持ちで私を抱いたの だろう利用してもいいなんてそんな適当な 気持ちで彼の行為を扱うことなんてでき ないで も彼に好きだと言われて嫌な気持ちはし なかった泣かれている時の安心感も勝手に 感じてい たいつか明秀さんとゆき子ちゃんが本当に 自分の家族だったらと思っていた気持ちは 嘘じゃないのかもしれ ないこのまま曖昧になんてでき ないくをえると私は隣の部屋のドアを叩い た彼に私の思いをちゃんと伝えなければ いけない気がしたしかし少し待っても隣 から返事はないゆきこちゃんを迎えに行っ ているの だろう流行る気持ちを抑えながら私は部屋 でそわそわと彼の帰宅を待ってい た あお姉ちゃん だ彼らが帰宅した音に気づき思わず勢い よく部屋のドアを開け た何も知らないゆき子ちゃんはいつもと 変わらない笑顔で駆け寄って くれる私がいつもより取り乱していること に彼は気づいていたのだろうかふふっと 笑いながら私のことを見つめてい た本人を目の前にすると話そうと思ってい た内容が 吹き飛ぶ緊張と照れで顔は赤くなり頭の中 は真っ白になってい ねえお姉ちゃんはいつになったらゆき子の ママになってくれる のゆきこちゃんの純粋な問いかけに動揺を 隠せなかったどうやら以前から私を気に 入ってくれているゆきこちゃんが度々家で 話していた らしい明秀さんと関係を持ったタイミング でこの言葉を聞かされた私は思わず言葉を つまらせて しまういつかそうなれるようにパパとお 付き合いしてもいいか
な彼女のくっくのない笑顔に背中を押され 私は彼に視線を向けながら呟い たゆき子ちゃんも明秀さんも嬉しそうに私 に微笑 みかける私が求めていたさやかな幸せは こんなにそばにあった彼とゆき子ちゃんが くれる温かい時間この日々を大切にし ながら私は彼らとの家族になっていくこと だろう夕やけに伸びる3人の影が新しい絆 を物語ってい [音楽] た花と出会ったあの 日今までに経験したことがないほど胸が 高くたことを覚えて いる優しく微笑む彼女の姿はまるで天使の ようだっ たそんな彼女に惹かれ私は一生を守って いくことを誓っ たしかし時として神は無慈悲な試練を人間 に 与える結婚して2 年彼女の体を病がむしばんでい たなすすべもないまま無常に時間だけが 過ぎて いくそして半年後彼女は眠るようにこの世 を去った 穏やかな最後の表情は今も私の脳裏を離れ ない心から愛してい ただからもう彼女を少しも忘れたくは ない私が忘れてしまったら彼女がいなく なったことを本当に認めてしまう気がして 心が耐えられないの だ花はたった1人の私の妻なだ からそろそろ自分の幸せ考えてもいいん じゃない の妻が亡くなってから8年命日には必ず 墓参りに行って いる今年は花の妹である京花さんも一緒に 墓参りをした後私たちは喫茶店で一息つい てい た急にどうしたんだよ 向い合った席に座り京家さんは私の顔を 覗き込む明日ということもあって1年で 1番妻のことを 思い出すそんな日に突拍子もないことを 言い出す教科さんに私は少し驚いてい たお姉ちゃんが亡くなって今年で8年もう いい でしょう私の焦った反応とは対的に冷静に 話す教科 さん姉妹ということもあり不に花に似た 表情を覗か せるその度に懐かしさと彼女がいない寂し さが交差して いく生きていれば今こうして向き合ってい
たのは妻だったのかもしれ ない生きている人の気持ちは変わっていく もういない人に気を使う必要はないと も教科さんなりに私のことを気にかけて くれているの だろう死別してからというもの私は誰とも 付き合ってい ない悲しみが完全に癒えたわけではないで もどこかで気持ちに折り合いをつけなけれ ばいけないことも分かって いる時間が経つにつれ妻との思い出も だんだんと薄れて いく思い出せることが少なくなっていくの が怖くて私は日記をつけ始め た文字にして残しておくことでいつでも あの日の妻に会える気がする からお姉ちゃんだったらこのままを望ま ないと 思うお兄さんの人生はこれからも続くんだ よアイスティーのグラスの中で氷が音を 立てる下り落ちる水滴はまるで涙を流して いるようだっ た頭では分かっているんだよもう花はいな いっ て少しの沈黙の後高ぶりそうな感情を抑え ながら私は口を開い た記憶が薄れていく不安や心境が変わる ことへの 戸惑い全てを言葉にするのは少し難しい気 がし たでもどんなに言い聞かせたって納得でき ない部分があるのも事実なんだだって私は 何よりも花を愛していた から私の言葉に京家さんは言葉をつまらせ た彼女だって最愛の姉をなくしたのだ辛く ないはずが ないけれどこんなに私のことを気にして くれるのは姉に変わって私の背中を押して くれようとしているいの だろう優しさは十分伝わってい たでもこればかりはどうすることもでき ないそのまま互いに言葉を交すことがない ままいつの間にか窓の外はすっかり日が 暮れてい たそれから数 ヶ月私は変わらずに日々の生活を続けてい たしかし少しだけ変化したことが ある高校時代のに連れられて久々に同窓会 に顔を出した 私そこでかつての友人あに再開し た根はサッカー部のマネージャーで男子の 中では人気者だっ たけれど誰かと付き合っていた噂はなく それでいて誰にもなびかない軟膏フラと 呼ばれている女子だっ
た歳月が流れた今でも美しさは 顕在多くの男性人が彼女の周りを取り囲ん でい た私本当はずっとあなたのことが好きだっ たんだけど ね取り巻く男性たちからうまく逃げてきた のか少し離れたところで静かに飲んでいた 私の隣にいつの間にか座っていた 綾彼女が不に打ち明けた言葉に動揺し私は 飲みかけのハイボールでむせ た今更そんな昔の話を持ってくるなんて 安則 だろう驚けて見せる私に綾は笑いながら 頷い た彼女にとってもその感情は随分前のこと だろうけれど久しぶりに女性に行為を向け られた私は思わず動揺して しまうそうなんだけどなんだか久々に会っ たら懐かしくて今恋人とかいるの 彼女の問いかけに思わず胸が高かった恋人 がいるか確認されただけなのになぜこんな に嬉しくなるの だろう一瞬でも浮ついた自分の心に驚き ながら私は首を横に振っ ただったらまた会ってよ今度は2人きり でそう言って綾は連絡先を交換するとくと 店を後にした 私は彼女の後ろ姿を見送りながら複雑な 心境にため息をついてい たもう2度とこんな気持ちにはならないと 思っていたの に自分の心変わりが悔しくて握りしめた 拳ため息をついた後私は残りのハイボール を飲み干し喉に感じる刺激に顔を歪ませて い たその後根とは連絡を取り合い時々会う中 になってい た彼女からの行為は感じていたし私自身も 彼女といることが楽しかっ た誰かと笑い合うなんて何年ぶり だろう出かける場所によっては時々いい 雰囲気にはなるものの私たちは関係を明言 していない旗から見れば大人の恋人同士に 見えること だろうけれど私は気持ちがぶれば高ぶる ほど脳裏に妻の顔が 浮かぶもどかしい感情を抱えながら私は 未だに綾との一戦を超えることはでき なかっ たそんな付き合いが半年ほど続いたある日 綾は不意に私に問いかけ た私たちて 友達彼女の問いかけに言い淀む私 綾は言葉にはしないが行動で私に恋心が あることを伝えてくれて
いる腕を組んだり手をついだり私も嫌では なかったので流れに身を任せていた部分は ある雰囲気を壊したくないという思いも あったから だけれどはっきりと恋人同士だと言わない 私に彼女はしびれを切らしたの だろうきっとのことが好きなんだと 思う会うことを楽しみにしていたり別れた 後に寂しいとも 感じる連絡が来るのを心待ちにしている ことからもそれは否定できないで もその気持ちを認めてしまったらあの日花 に誓った思いが嘘に なる私が他の誰かを好きになることで花の 存在が色あせるのが 怖いこんな話をしたらあは何と言う だろう重すぎる内容に私と付き合うことを 諦めるかもしれ ない真剣に私を見つめる あねその視線から逃れることはでき ない彼女だってもういい大人 だいつまでも中途半端な恋愛をするつもり はないのだろうそれは私も同じだだから こそ誠意を持って彼女に伝えばいけ ない駐車場に止めた車の中で私は根に自分 の思いの全てを打ち明け た綾は黙ったまま節目がちに言葉を選んで いるようだっ た突然明かされた重すぎる事実感情が 追いつかなくなるのは仕方がないこと だろう私と付き合うのは根にとって辛く なるかもしれない 自分でその言葉を彼女に伝えるのも辛い けれどそれ以上に彼女の人生に関わるかも しれないことを話さずにはいられなかっ た今までずっと1人で抱えてきた感情を誰 かに打ち明けたいと思っていた部分もあっ たのかもしれ ない気づけば私の瞳は涙で濡れてい た綾に惹かれている気持ちと花の思いは 比べることなんてできない自分の中で答え のない感情がぐるぐると渦まく どうしてどちらかを否定しなければいけ ない の少しの沈黙の後綾はそっと口を開い た奥さんを忘れたくないほど愛している 気持ちと私のことを思ってくれる気持ち どっちも本当の気持ちでしょ 彼女の言葉に私ははっとしてあねを見つめ た固くに花の思いを貫くために私はいつの 間にか自分に芽いた根の感情を否定する ようになっていたの だしらしらにしていた自分の感情への 抑制彼女は目に涙を浮かべていっ た寂しさや孤独は私が癒す
から何かを許されたような気がし た綾の言葉に胸が 震えるいつしか私は今まで貯め続けていた 感情の全てを涙として溢れさせてい た静かに泣く私を優しく抱きしめる あねそのぬくもりにさらに思いは強く なるもう好きな人を失いたくは ないつがるように綾の体に腕を回すと私は しばらくの間泣き続けてい たそれから2年後私と綾は夫婦となっ た花の気持ちに折り合いをつけた私は教化 さんや花の両親に祝福されながら新しい 人生を歩む決意をし た花のことはこれからもずっと大切に思っ ている けれどこれからは花へ注いでいた愛情と 同じくらい綾を愛したいと 思う花は前を向いて歩き出した私の姿を見 て喜んでくれるだろうかそばに寄り添い 微笑む綾を見つめつられて笑顔になる 私春の温かい日だまりはこれから続く幸せ を教えてくれているようだっ た私はただ夜の町をフラフラと歩いていた まだ居酒屋が込み始める時間ではない季節 は12月町はイルミネーションの時期に なっていた周りが暗くなってくると ちらほら手をつなぐカップルが目につき 始める何か気の紛れることないか な幸せそうカップルばかり見ていると気 めいって しまうなぜなら今日今さっき 私は振られたばかりだったから だ付き合って5年の彼とは結婚を考えてい たの に女にとって5年は長 すぎるもう次の恋をする気力もなかった しかも彼とは円満な別れでははなかった彼 は2年間も浮気していたのだ彼女とは 別れるつもりはない らしい彼の浮気を知った時私は現実を 受け止められなかっ たそして次第にそれは怒りに変わり彼と 大喧嘩をして今に 至るそういう男に限って私の悪いところ ばかりつついて自分は悪くないと言って くるなんであんなやに5年も費やしたん だろう誰かと話したいような1人になり たいような複雑な気分だっ た愛せ 居酒屋目に飛び込んできたその文字に 引き寄せられるように私は店内へ入って 行っ た愛した人に今日の愚痴を聞いてもらおう どうせ1度切りしか合わない人だここで 思いっきり発散してやろうそう思ったの
だしばらく飲んでいると1人の男性が声を かけてき た こんばんは見上げると同い年くらいの男性 が立っていた どうぞ私がそう言うと男性は衣食して座り ビールを注文した 彼はとにかく色々と話をしてきた出身地や 仕事の話趣味のことまで休む間もなく話し 続けて いるよく喋る人だ な私の愚痴を話すどころではなくなって しまったが彼の話は案外面白かっ たはきと名乗ったその男性は普段営業マを しているらしい通りで話がうまいわけ だそう思いながらしばらく彼の話を聞いて いたのだが急にはきは私に話を振ってきた いつもこちらに来られているんですか いいえ今日初めて ですはきは私の返事を聞くと冗談っぽく そうなんですねお1人で飲んでいるなんて もしかして振られたと かと聞いてきたの だこんなところに来るのは独り身の人が ほとんどなのだろう振られたとは認めたく ないがそれ以外に言いよもないそうなん です淡々とそう答えたのだがはきは焦って いたえ本当なんですかごめん なさい別に謝らなくてもいいだがなんとも 言え気持ちにはなるいえ気にしないで ください私はとりあえずそう言ってはきに 次のお酒を進めたはきは黙って下を向いて いるもしかして私の返事が怒っているよう に聞こえたのかなそう思って明るく声を かけようとしたその時はは口を開い た実は俺もなんです はきはあんなに楽しそうにペラペラ話して いたのに今日彼女に振られたばかりだと いう明るく振る舞っていただけだったん だ同じ振られたみとしてその心境はなんと なく分かるついつい強がりたくなるものだ お話聞きましょうかいいんです かそう言うとはきは話しだした聞くととに よるとはきの彼女には好きな人ができた らしい彼女まだ相手には気持ちを伝えてい ないって言っていました けどはきと付き合ったまま一の人に告白 するのは失礼だと思って彼女は別れを 切り出してきたそうだ謙虚な彼女さんだと 思うけどなそう思いながら話を聞いていた のだがは相を彼女に未練があるように感じ た俺に黙って相手に告白すればよかったの に俺はどうせ鈍感だし気づかないよはきは 寂しそうに笑っていたもし振られたら俺の とろに戻ることもできる
だろうはきはどうしても彼女のことが忘れ られないようだっ た2番目に好きな人になってでも彼女とれ なかったのだろうそして彼女もしっかり 彼氏と別れてから気持ちを伝えようとして いるあたりいい子なんだろうなというのは 分かるそれに比べて私の元彼よ恋人以外の 人を好きになることは悪いことではないだ が二股をかけているということが問題なの だあいつもちゃんと序で欲しかった わ考えれば考えるほど元彼のくずっぷりに は呆れて しまうその彼女さんは謙虚な人だと思い ますよ私の元彼なんて浮気していたんです よそれも2年間 も私は気づいたら愚痴をこぼしていた2 年間浮気っ てはきは険しい表情になったその様子を 見るにはきは浮気などしたことがなさそう だ振られた者同士話は大いに盛り上がった 私たちは別れたことを笑い話として片付け たかったのだがお互い元恋人への未練は 間違いなくあっ た 俺好きだったんだ な会話の中でふ彼が発したその一言に私は 共感してしまった好きだったからこそ 憎しみも 深いはきのお酒はかなり進んでい た今日もう1件付き合ってくれません かそういうはきに私は頷い たそして2件目に入ったのは落ち着いた 個室のバーだったさっきよりも必然的に 互いの距離は近くなる私はこの後の展開を なんとなく予想してい たはきの手が私に 触れる今日だけはいいよ ね私ははきの手を握り返し た私は男性と一夜限りの関係を思ったこと はないはきとは今その関係になろうとして いるでもそれでお互いの傷が言えるのなら これは正しい行動のようにも思えてきて しまっ た夢の中にいるようなふわふわとした 気持ちそして私たちはそのままホテルへ 入っ た本気じゃないのは 初めて私はシャワーを浴びながら少しだけ 複雑な気持ちになっ たはきは私を抱いたが 収支心ここにあらずと言った感じだった それは酔いのせいではない彼女のことを いかに愛していたか痛いほど伝わってきた の だそして私も
そう私あいつのこと大好きだったん だ私はぎゅっと目を閉じそしてを抱き寄せ たはきは一瞬体勢を崩したが私の気持ちを 受け止めすぐに抱きしめてくれ たはきの心癒せているのか な私は不安だったがはきはそんな私の 気持ちを悟ったのか耳元で囁い た気を使ってくれてるの ありがとうはきはそれからどんどん激しく なっていったまるで彼女のことを振り払う かのようにそして私もはきに身を任せ元彼 の思い出をきろうとし た疲れたのか彼はすぐに眠ってしまっ たこういう関係も悪くないかも私は隣で寝 ているはきを見てそう思っ た正しくはないかもしれないでも私は少し だけ救われたそれは事実だったはきはどう 思っているのか な寝息を立てているはきを私はじっと 見つめていたするとはきはもぞもぞ動き 出して目を覚ました私と目が合うと笑い ながら何と言った次の恋見つけられそう そう聞いてみたあるきはしばらく考えると そうだな俺はしばらく恋はいいやでも彼女 のことはふっきれたよ話も聞いてくれて ありがとうと言っていたそれならよかった 私も元彼のことは忘れられそうでも私は 早く次の恋を見つけたいか なお互いが次の恋の相手ではないというの は直感で分かっていたその理由は分から ない けど私たちは連絡先も交換しないまま ホテルを出て別れ たもう2度とはきとは合わない だろうでもこれでいい次の恋に進むために 通らなくてはならない道だったのだ私は彼 の背中を見送りそして反対方向へ歩き出し た私は長年勤めた会社を辞めた元 大しばらく全国を旅しながら自分探しでも しようかなそう思って人生の夏休みを 過ごしているところだった勤めていた会社 では上司からとなられ朝から晩まで 働き詰めだった一生懸命仕事をしてき た私の人生はこれでいいのだろう か漠然とそう思い始めてからはもう早かっ た私は全国各地のゲストハウスなどを点々 としながら半年ほどの旅に出ることを決め たうちの家庭は厳格だったのでこき代謝で ない限り 仕事をやめるなど認めてくれなかっ たでもそんな親の反対を押し切り私は仕事 を辞めたのだ親に口うるさく言われる前に 早くどこかへ 行こうそう思った私は退職後すぐに家を出 た持っている小型バイクにたくさんの荷物
を積み込んでまずは本州を下っていくこと にした私の地元北海道はこれから冬にかけ て雪が多くなるその前に温かい地域を 目指そうと思ったの だ私は生まれてこの方地元を出たことが なかった冬は雪かきに時間を取られ車も フロントガラスが凍ってなかなか出発でき ないただでさえ朝の早い職場だったのに冬 の朝はさらに1時間も早く起きなくては いけなかったよくそんな生活に今まで耐え できたな私は自分で自分を褒めてあげたい くらいだったそれに地元にいるからこそ 幼馴染みの幸せそうな生活が目について しまうし比べて落ち込むのも確かだ私は 下道を通りひたすらに日本を難化していっ た途中のゲストハウスでは様々な人に 出会うことができたし世の中にはたくさん の暮らし方があることを知っ たそして旅が後半に近づいた頃私は九州 まで到達していたそのゲストハウスで私は ある男性と出会った夜ゲストハウスに入る と その男性は鬼作に話しかけてくれた こんばんは隣の部屋に滞在しているシと 言い ます共有スペースの台所で料理をしながら そう言うと夜ご飯ってもう食べちゃいまし たと聞いてきたあいやまだです道が思いの 他混んでいて予定していた場所で夕食を 取ることができなかったのだ そうですかそれならよかったこれ作りすぎ ちゃったので食べてくれません かそう言って箸とお茶を用意してくれたえ いいんですかもちろん食べてくれたら僕も 助かります しそういうのだ私は県内に入ったばかりで 食材もほとんど買っていなかったので 助かったではおに甘えていただき ますそう言って席に着い たシが作ってくれたご飯はとても家庭的 だったお料理上手なんですねいえいえ簡単 な味付けしかできないのでいつも同じよう な料理ばっかり ですそれから旅人同士会話が盛り上がり すっかり話し込んでしまったシも同じよう にバイクで旅をしててこれから本州へ 向かう らしい色々と話すうちに境遇も似ている ことが分かっ た仕事に疲れてしも半年ほど旅をしようと 考えているそう だ私もこの旅でたくさんの人に出会ってき ましたけど考え方が変わったっていうか 人生が変わりましたこれからの旅楽しんで くださいね
私はシにそう伝えたそして夜中までシが 買っていたお酒を2人で飲んでたいもない 話をしていたそういえばシさんはいつまで こちらに滞在するんですかえっとあと3日 です ね私も同じ日まで滞在の予定だったゲスト ハウスは3つ部屋があるようだが1部屋は 今使えようだ実質2人きりで3日間過すっ てこと か昔の私だったら今時のイケメンと2人 きりなんて心臓が持たなかったが今となっ ては慣れてしまったこういうことは旅の間 に何度かあったじゃまたお時間があったら お話しし ましょうそう言って1日目の夜は眠りに 着いた昭和次の日の朝早くどこかへ出かけ たようだ私は朝が弱いので布団の中で グダグダしていたが昼前になってゆっくり と置き始めたすると共有スペースの机の上 にメモが置いてあった朝食ですよろしけれ ば どうぞこんな料理上手で優しい男の 人素敵だな 私は頭の中でそんなことを思ってしまい それを振り払うように急いで洗面所へ 向かった顔を洗うと気分が 変わる今のは何でもない自分にそう言い 聞かせ彼の作った朝ご飯を食べたさすがに こんなに世話になりっぱなしは悪いので 今度は私が彼に何かごそうしなければと 考えた私は買い出しを済ませると昼過ぎ から気合を入れて夕食を作り始めたそして 昭和夕飯近くにちょうど帰ってきたお帰り なさい朝食ごちそうさでした美味しかった です昨日もご馳走してもらったから今日は 私がえいいんですかおいし そう頑張りすぎてかなり多めに料理を作っ てしまったちょっと惹かれてしまうのでは と心配していたけれど机いっぱいの料理を 見てシは嬉しそうに驚いていた反応が良く てよかった私たちはまた今晩も一緒に食事 をして語り合ったなんとなくシトいると 落ち着くそれが私の本音だっ た出会って1日しか経っていないのに この感じは何だろうシは何とも思ってい ないだろう けど私はシの方をちらっと見たするとシと 目が合ってしまったんそう言って首を かげるしその仕草は反則だいやなんでも ないです私はとっさに目をそらした私だけ がそわそわしたまま その後もゲストハウス生活が続いたが早い ものであっという間に終わりが近づいてい た明日は何時に出発するのうんのんびり 10時くらいか
な私たちはいつの間にかため口で話すよう になっていた最後の夕食もこれまで通り 2人で過ごしたお酒まだある ね出発する前に荷物をできるだけ減らし たかったので私たちは残りのお酒を無理を しながら飲んでいたそして当然のことだが かなり酔っ払ってしまった私は机に伏せて 寝てしまったようで小に起こされた彼自身 もまだ酔っ払っていてロレが回っていない とりあえず私を部屋まで連れて行ってくれ たのだが生も限界だったようだ ぎゃ私に覆いかぶさるようにベッドに 倒れ込んできたしちょ ちょっと私は酔いと眠気の中でも一瞬正気 を取り戻し たこの状況どうし たらシの目はうるんでいるそして彼は私に 抱きついてきた へシは デスしているだけなのかもしれない私は わけがわからないまま固まってしまっ た抱かせてシはそう耳元で囁いた私は求め られるがまま小に身を委ねてしまった酔い が回って抵抗できなかったのではない 私自身がそれを求めていたの だそれからのとはあまりよく覚えていない 朝シは先に起きていた おはよう何事もなかったかのような態度の 章あれは夢だったのかなそう思ったが違っ たようだシは私に背を向け荷物をまとめ ながら昨日はごめんと言ったなんだか 気まずい なでばかりの男とあんなことをしてしまっ た うん私は短く返事を返すことしかでき なかっ た私たちはこれから別の場所へ旅立つこと になるもう未練を残しても 仕方ないでもあんなことをしてしまっ たそして私は後悔して いる好きになっちゃったじゃない シの気持ちは最後まで読めないままだった バタバタと出発の準備をしている書きっと 誰でも良かったんだよ ね乱暴にされたわけではないが少なからず 私はそういうことのはけ口だったのだと 思うまあいいやきっとすぐに 忘れる私はそう思って 荷作りを始め た私たちは同じ時間にここを出ることにし た外に出てバイクに荷物を積み終えるとシ は最後に ありがとうと言っ た3日間の中で1番そっけな態度だったか もしれ
ない昨日の出来事がそうさせてしまったの だろう私は複雑な気持ちになりながらシの 後ろ姿を見送った私たちはお互いの連絡先 も交換していないでもそれで良かったのだ と思っている連絡先を知っていても何を 話せばいいかわからない からシの姿が見えなくなると私はバイクに 乗ってエンジンをかけ たこの思いがこの後5年も忘れられない ものになるとはこの時はまだ想像もしてい なかっ た私は地元に戻ることなくそのまま九州に とまることにしたこの5年間いつかまた小 に会えるかもしれない心のどこかでそう 思いながら過ごして いる最後までご聴いありがとうございます 今日の朗読はいかがでしたか物語の感想 などコメントをいただけると嬉しいです 是非チャンネル登録もよろしくお願いし ます
マクラーレン